ブランクより「無観客」懸念 井上尚弥、ラスベガスで1年ぶりの世界戦に臨む

ブランクより「無観客」懸念 井上尚弥、ラスベガスで1年ぶりの世界戦に臨む
ブランクより「無観客」懸念 井上尚弥、ラスベガスで1年ぶりの世界戦に臨む
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 ボクシングファンが待ち望んだ試合がようやく実現する。バンタム級の世界ボクシング協会(WBA)、国際ボクシング連盟(IBF)統一王者、井上尚弥(大橋)の昨年11月以来の次戦は10月31日(日本時間11月1日)に決定。ボクシングの「聖地」とされる米ネバダ州ラスベガスで、WBA3位、IBF4位のジェーソン・モロニー(オーストラリア)の挑戦を受けることになった。

 9月9日、オンラインで行われた記者発表で、井上尚は「ファンの方が自分の試合を見て、元気だったり、活力だったり、また明日から頑張るぞという気持ちになれるような試合を見せたい」と意気込んだ。当初は世界ボクシング機構(WBO)王者、ジョンリール・カシメロ(フィリピン)との3団体統一戦が4月に計画されていたが、新型コロナウイルスの影響で頓挫(とんざ)。それでも世界3階級を制覇している27歳の王者は「この状況で世界戦をできることに感謝しながら闘いたい。いい結果を出して次につなげたい」と前向きに話した。

 リングに上がるのは昨年11月、さいたまスーパーアリーナで開かれたワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝でノニト・ドネア(フィリピン)に判定勝ちして以来、約1年ぶり。試合間隔がこれほど空くのは2014年12月に世界2階級制覇を達成後、脱臼した右拳を手術し、翌年12月まで次戦がずれ込んで以来のことだ。

 今回のブランクについて、井上尚は「トレーニングができなかった、あの時の感覚とは違う」と断言する。むしろ人の少ない時間帯に走りこむなど、「1カ月後に決まっても試合ができるよう、常に考えてはいた」と実戦を見据えて濃密なトレーニングを重ねてきた。練習を見守ってきた所属ジムの大橋秀行会長も「1年ブランクが空いているイメージは全くない。いつもの井上尚弥という感じ」と太鼓判を押す。

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