民間給与7年ぶりに減少 中小企業の苦戦鮮明
民間企業で働く人が2019年の1年間で得た給与は平均436万円で、18年に比べ約1%(4万3千円)減り、7年ぶりにマイナスとなったことが29日、国税庁の民間給与実態統計調査で分かった。従業員100人未満の中小企業の平均給与が減少し、全体を押し下げる形となった。
19年分のため新型コロナウイルスによる経済活動の停滞影響は反映されていない。
事業所の規模別に平均給与を見ると、従業員が30~99人の事業所の平均給与は412万円で18年比で約5%減少。10~29人は404万円で約3.9%減、10人未満は340万円で約4.9%減少した。一方、100人以上の企業では増加しており5千人以上の大企業は516万円と約0.9%増となった。
19年に一年を通じて勤務した給与所得者数は約4.6%増の5255万人。このうち正社員などの正規労働者は約5%増の3486万人。アルバイトや派遣社員などの非正規は約4%増の1215万人だった。正規の平均給与は503万円、非正規は175万円で2.8倍の開きがあった。
男女別でみると、男性の平均は540万円、女性は296万円だった。
業種別でみると、「電気・ガス・熱供給・水道」が824万円で1位。「金融・保険」の627万円が2位。最も低かったのは「宿泊・飲食サービス」の260万円だった。
国税庁は税収の見積もりなどのため、民間企業に勤める給与所得者のサンプル調査を1949年から続けている。平均給与の最高額は97年の467万円。