横綱不在、優勝争いは朝乃山中心か 大相撲秋場所展望

朝乃山=大相撲七月場所13日目、両国国技館(荒木孝雄撮影)
朝乃山=大相撲七月場所13日目、両国国技館(荒木孝雄撮影)

 大相撲秋場所は13日に東京・両国国技館で初日を迎える。白鵬、鶴竜の両横綱が休場する中、優勝争いの軸として期待されるのが大関2場所目の朝乃山。初日前日の12日まで基礎運動や立ち合いの確認を行うなど準備は万端だ。「調整もしっかりしてきた。あとは本場所でいかに自分の力を発揮できるか」と自信を示す。新大関で迎えた先場所は1差で優勝を逃した。地位にも慣れ、賜杯獲得を狙う。

 先場所を左膝の負傷で途中休場した大関貴景勝は、同部屋の隆の勝らと相撲を重ねてきた。左膝の状態は「万全」と話し、「自分ができることを精いっぱいやった」と上々の仕上がりを強調する。持ち味の「突き押し速攻」で、膝に負担をかけずに白星を重ねたい。

 先場所でいずれも11勝4敗の好成績を収めた正代(しょうだい)、御嶽海、大栄翔の3関脇が追う。大関昇進に向けても鼻息は荒い。前頭筆頭に番付を上げた先場所幕尻優勝の元大関照ノ富士は、約3年ぶりの上位総当たりの地位でどこまで通用するか。古傷を抱える両膝に不安はあるが、筋力トレーニングを重ねた上半身は力強い。

 新型コロナ対策は7月場所とほぼ同じ。支度部屋にアクリル板を設置するなどして力士同士の接触機会を減らす。尾車事業部長(元大関琴風)は「やれる方策はとっているが、それでも玉ノ井部屋のようなことが起こるのが現実。今以上にできることをやっていく」と話す。場所中に新たな感染が出ても中止にはしない方針。拡大を最小限に食い止める対処が求められる。

(浜田慎太郎)

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