9月なのに40℃!──2010年代に相次ぐ「最高気温」
新潟県三条市で9月3日、40.4℃の最高気温が観測された。
気象庁によれば、国内で9月に40℃以上を記録したのは観測史上、初めてのことだ。高気圧に覆われたことに加え、台風9号にともなう南風が山を越えて吹く「フェーン現象」が起きたことが要因とされるが、今年の「異常な高温」はそれだけにとどまらない。
8月17日には、静岡県浜松市で41.1℃の「国内史上最高気温」が観測された。2018年7月に埼玉県熊谷市で観測された異常な暑さが、再来したのだ。この日は、全国の観測点のうち269地点で、35℃以上の猛暑日となった。この猛暑の直接の原因について、気象庁は「太平洋高気圧とチベット高気圧が2層に重なったことで気温の上昇を招いた」と分析している。
しかし、最高気温の全国ランキングの上位のデータをみると、じつはその多くがこの2、3年のあいだに記録されていることがわかる。近年頻発するようになった猛烈な暑さに、「地球温暖化」の足音を感じる人も多いのではないだろうか。
実際、近年に日本列島を襲った猛暑のうち、2018年7月の記録的な暑さについては、「地球温暖化がなければ起こりえなかった」とする研究結果を、気象庁気象研究所などの研究チームが発表している。これは、「イベント・アトリビューション」という手法を使い、大量の気候シミュレーションをもとに導き出された結論だ。
研究チームは「地球温暖化はもはや将来の問題ではなく、現在の私たちの生活にも影響が現れはじめている」と指摘している。
年々、早まる「サクラの開花日」
気温の上昇による影響が指摘されている現象の1つに、サクラの開花時期の変化がある。
「気候変動監視レポート2017」という気象庁の報告書によれば、全国の観測点におけるサクラの開花日は1953年以降、10年あたり1.0日のペースで早まっている。逆に、紅葉に関する統計では、カエデの葉が色づく時期が、10年あたり2.8日のペースで遅くなっている。
そして、温暖化の影響は、植物だけにとどまらない。