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グリーン水素発電所、米3州で建設へ-三菱パワーが受注

  • 30億ドル余りのプロジェクト-3施設の発電能力は計3284メガワット
  • 水素が天然ガスの代わりとなり得るか占う試金石となる可能性

ニューヨーク州とバージニア州、オハイオ州で計画されている3つの発電所は、発電燃料として水素が天然ガスの代わりとなり得るかどうかを占う試金石となりそうだ。

  発電事業者のダンスカンマー・エナジーとバリコ、エンバークリアはこれら施設の建設で三菱パワーの米国部門に30億ドル(約3180億円)余りを支払う。3つの施設の発電能力は合わせて3284メガワットとなる。当初は天然ガスのみによる発電となるが、現地で製造・貯蔵されるグリーン水素に最終的には置き換わる。

  三菱パワー・アメリカズのポール・ブラウニング最高経営責任者(CEO)は、生産が増えるにつれて水素利用をより容易に増やせる仕組みだと説明した。

三菱パワー・アメリカズのブラウニングCEOは、天然ガスをグリーン水素に置き換える発電所プロジェクトについて説明

(出典:ブルームバーグ)

  グリーン水素は、燃料および原料の源として天然ガスに依存している工業部門の炭素排出をなくす上で鍵と見られている。風力発電や太陽光発電など再生可能エネルギーを使った水の電気分解から取り出した水素を活用する。

  三菱パワーは3月、ユタ州で再生可能エネルギー由来の水素を利用する発電プロジェクト向けに水素焚きJAC形設備を初めて受注したと発表。プロジェクトの規模は19億ドルで、建設される発電設備はロサンゼルス水道電力局が運営する。

  ダンスカンマーのウィリアム・リードCEOは発表資料で、ニューヨーク州ニューバーグに600メガワット級のプラントを建設するプロジェクトは、同州が気候変動に関する目標を達成するのに寄与すると指摘した。バージニア州に建設されるバリコの施設の発電能力は1600メガワット、エンバークリアのオハイオ州の施設は1084メガワットとなる。これら施設は2023年から25年の間に稼働する見込み。

  三菱パワー・アメリカズのブラウニング氏は、同様の施設の建設について他の公益事業者や開発業者と協議していることを明らかにした。

原題:
Hydrogen Power Plants Are Coming to U.S., Imperiling Gas’s Reign(抜粋)

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