輸出、生産を上方修正 基調判断は据え置き 月例経済報告

 政府は27日発表した8月の月例経済報告で、国内景気の判断について「新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、このところ持ち直しの動きがみられる」と表現を据え置いた。欧米や中国など主要国の経済活動再開を背景に企業の輸出、生産を上方修正。先行きについては「海外経済の改善」で持ち直しの動きがみられるとして、外需の回復に期待感を示した。

 月例報告は景気判断に関する政府の公式見解を示す報告書。個別項目では輸出を「下げ止まりつつある」から「持ち直しの動きがみられる」と上方修正した。欧米や中国での自動車販売や自動車関連の輸出が堅調だった。併せて生産の判断では、持ち直しの「兆し」を「動き」に引き上げた。

 個人消費は「このところ持ち直している」と判断を据え置いた。家電販売などは回復したが、政府の観光支援事業「Go To トラベル」が始まっている旅行が低調だった。企業収益は「急速に減少している」から、「大幅な減少が続いている」と表現を改めた。

 海外経済は「依然として厳しい状況にあるが、このところ持ち直しの動きがみられる」と据え置いた。

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