【ワシントン=住井亨介】米連邦捜査局(FBI)や国土安全保障省など米政府4機関は26日、北朝鮮が今年2月以降、複数の国の金融機関にサイバー攻撃を再開しているとして警戒を呼びかけた。攻撃は昨年末から止まっていたという。
4機関の発表によると、サイバー攻撃を行っているのは、米当局から「ビーグルボーイズ」と呼ばれるハッカー集団で、北朝鮮の対外情報工作機関「軍偵察総局」の傘下にあるとみられる。同局管理下にあり、2019年に米国から制裁指定されたハッカー集団「ラザルス」などと共通点があるという。
ビーグルボーイズは遅くとも14年には活動を始め、15年以降、日本を含む約40カ国・地域の金融機関を標的として約20億ドル(約2120億円)を詐取しようとした。
4機関は、今年2月以降の被害状況については示していないが、不正に入手された資金について「北朝鮮が核兵器や弾道ミサイル開発につぎ込む可能性がある」と指摘した。