京都地検

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 神経難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性から依頼を受け、薬物を投与して殺害したとして医師2人が逮捕された事件で、京都地検が勾留期限の13日に嘱託殺人罪で、ともに医師の大久保愉一(よしかず)容疑者(42)=仙台市=と山本直樹容疑者(43)=東京都港区=を起訴する方針を固めたことが12日、関係者への取材で分かった。


 地検は大久保容疑者が亡くなった女性とツイッターのダイレクトメッセージで殺害の計画を打ち合わせ、両容疑者が実際に女性宅を訪れていたことを確認。2人が約10分後に退室すると女性の容体が急変したことなどから、同罪での立証は可能と判断したとみられる。


 捜査関係者の説明では、女性の遺体から鎮静作用のある「バルビツール酸系」の薬物の成分を検出。大久保容疑者が事件の約1カ月前、宮城県内の医薬品卸売会社から同じ成分の薬物を購入していたという。事件の約1週間前には女性から山本容疑者の口座に計130万円が振り込まれた。


 2人は共謀して京都市中京区のALS患者林優里(ゆり)さん=当時(51)=から自身を殺害するよう頼まれ、昨年11月30日夕方、同区のマンションで林さんに多量の薬物を投与して死亡させたとして、嘱託殺人の疑いで京都府警に逮捕された。府警は2人の認否を明らかにしていない。