中国「恫喝も平気」 自民・甘利氏、国際機関での影響力拡大を懸念

中国「恫喝も平気」 自民・甘利氏、国際機関での影響力拡大を懸念
中国「恫喝も平気」 自民・甘利氏、国際機関での影響力拡大を懸念
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 経済再生担当相を務めた自民党の甘利明税制調査会長が産経新聞の取材に応じ、国際機関で事務局トップなど多数の要職を獲得し影響力拡大を図る中国に関して「米国の力が弱まり、自信をつけている。恫喝(どうかつ)も平気だ」と述べ、国際社会に高圧的な姿勢で臨む中国に強い懸念を示した。甘利氏は会長を務める「ルール形成戦略議員連盟」で、日本人による国際機関の幹部ポスト獲得強化に向けた戦略を練っている。取材での主なやり取りは以下の通り。

 --日本人が国連など国際機関の幹部ポストに選出されるためには何が必要か

 「日本は国際機関に人を出すことへの重要性は認識してきたが、戦略的に取り組んでこなかった。トップを選出する選挙が数年後にあっても、『何とかこの人でポストを取ろう』という感覚がなかった。選挙に向けた根回しだけでなく、役職に合う人材を選んでどのように経験を積ませ、肩書をつけていくかという戦略が必要だ」

 --中国は国際機関のトップの役職を獲得して何をしているのか

 「中国がやっているのは2つだ。1つは台湾を追い出すこと。もう1つは中国の国内標準を国際標準にすることだ。また中国は、トップの役職が得られない場合、自分たちの息が掛かっている国にトップをとらせる戦略を進めている。そして、ルールや国際標準を決め、『その基準に合うのは中国のシステムです』といって輸出する。何年も前から戦略的に人材を配置し肩書をつけさせて選挙に挑戦させる。緻密なことをやっている」

 --中国の対応に比べて日本はどうか

 「日本は、国際機関のトップは途上国や主要国がとればいいとおうように構えてきた。しかし、国際機関のトップは名誉職でもなんでもない。国益の追求という点で重要な戦略的ポストだ。日本は、国際標準にできるだけ早く合わせていくしなやかさと、国際標準を作り出していく強かさがなければいけない。国際標準に主体的に関与していけるポジションを持つという考えが必要だ」

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