「虐待の最悪の形が親子心中」 福島・いわき心中事件裁判傍聴 鎌田・医療創生大教授

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「弱者を社会で救済できる仕組みを」と訴える鎌田真理子教授=福島県いわき市中央台飯野5の医療創生大で2020年8月5日午後3時0分、柿沼秀行撮影
「弱者を社会で救済できる仕組みを」と訴える鎌田真理子教授=福島県いわき市中央台飯野5の医療創生大で2020年8月5日午後3時0分、柿沼秀行撮影

 福島県いわき市で今年1月、女性と3人の子どもが殺害された心中事件の裁判を傍聴した社会福祉士で医療創生大の鎌田真理子教授(臨床心理学)が、5日の判決を受けて毎日新聞の取材に応じた。「追い詰められた子どもを救える社会になるよう、事件を教訓としてほしい」と訴える。【柿沼秀行】

子ども、守られるべき存在

 嘱託殺人と承諾殺人の罪に問われた同市小名浜、住宅リフォーム業、緑川雅孝被告(51)に対し、福島地裁いわき支部(名島亨卓裁判長)は懲役8年(求刑・懲役10年)を言い渡した。鎌田教授は、簡単に子どもの命が奪われてしまったことに憤り「幼児虐待の最悪の形が親子心中だ。子どもは、まず守られるべき存在で、生まれると同時に個人として尊重されるべき存在だ」と話す。

 3人の子はいずれも中学生だった。判決では、母親が「死のう」と言えば、心中以外を選択するのは困難だったと認定した。鎌田教授は「男の子は将来の夢も語っていたと聞く。そんな子が死を選ぶなんて。娘さんに至っては、事件の直前に立ち寄った公園で家族の写真を撮るなど、死を現実としてとらえられないまま承諾したのでは」と言う。

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