NECは2020年7月31日、2020年4~6月期の連結決算(国際会計基準)を発表した。ビジネスパソコンの更新需要の一巡や大型案件の減少などで、売上高に当たる売上収益は前年同期比10.1%減の5877億円、営業損益は102億円の赤字(前年同期は33億円の黒字)だった。2021年3月期の業績見通しは据え置いた。

 調整後営業損益でみると、ビジネスパソコンの需要減が20億円、大型案件の減少が40億円の減益要因だった。新型コロナウイルスの流行などに伴う市況悪化は175億円の減益要因だったが、これは2020年5月時点の想定の範囲内で推移しているという。

 セグメント別では、公共や医療が中心の「社会公共」、官公庁やメディアの「社会基盤」、製造や金融などの「エンタープライズ」、「グローバル」のいずれも減収減益だった。「ネットワークサービス」は唯一増収を確保したが、5G(第5世代移動通信システム)関連の投資がかさみ、調整後営業損益は21億円の赤字だった。

 2021年3月期は売上収益で前期比2.1%減の3兆300億円、営業利益で同17.5%増の1500億円を見込む。森田隆之執行役員副社長兼CFO (最高財務責任者)は業界別のIT投資の先行きについて「流通業界は受注の戻りが一番遅いのではないか」と語った。金融と通信は比較的堅調で、製造は底を打ったとの見通しも示した。