チケット争奪戦、マナー違反も プロ野球・Jリーグ観客動員狂奏曲

【浦和-鹿島】スタンドで応援する浦和レッズのサポーター。指笛など一部マナー違反にあたる行為もあった=12日、埼玉スタジアム(桐原正道撮影)
【浦和-鹿島】スタンドで応援する浦和レッズのサポーター。指笛など一部マナー違反にあたる行為もあった=12日、埼玉スタジアム(桐原正道撮影)

 7月10日から観客動員に踏み切ったプロ野球とサッカーJリーグ。人気のカードをめぐっては限定5000枚となるプラチナチケットの争奪戦が繰り広げられる一方、感染防止のために禁止された指笛を鳴らすなど「これはOKなの?」というマナー違反も一部でみられた。スタジアムのクラスター(感染者集団)化につながれば、多くのファンが待ち望んだ生観戦に水を差しかねず、自制も求められそうだ。

いつもの浦和スタイルに

 12日、埼玉スタジアム。サッカーのJ1浦和は宿敵・鹿島をホームに迎えた。浦和サポーターにとっては自チームに直に声援を送る今季初の機会。熱狂的で知られる彼らのボルテージが上がらないはずがない。

 チャント(応援歌)もなければ、ゴール裏を埋め尽くす大旗もない。序盤こそおとなしかった浦和サポーターだったが、自チームの好機にゴール裏サポーターが「バタバタ」と自席前のプラスチック製の椅子をたたき出したのをきっかけに、応援は徐々にエスカレート。

 マスクを外すか、マスクの横から指を入れて指笛を吹き鳴らしたかと思えば、ハーフタイムには旗を掲げ、試合終了後には勝利の儀式である歌を口ずさんで、チーム名を連呼するなど、いつしか平時のスタイルに戻っていた。

 「感染拡大防止が最優先だが、サポーターの感情の発露を抑えきるのは難しい」とクラブ幹部も頭を抱える。

指笛は“レッドカード”

 Jリーグはガイドラインで、応援扇動▽声を出した応援や指笛▽タオルやフラッグを振り回すこと▽メガホン使用▽鳴り物-などの禁止行為を示している。飛沫(ひまつ)感染などを防ぐためだ。

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