サンデン「支援に10社程度名乗り」 初の債権者会議
私的整理の一つである事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)による経営再建をめざす自動車向け空調部品のサンデンホールディングス(HD)は14日、都内で第1回の債権者会議を開いた。銀行団からの約800億円の借入金について、返済の一時停止の承認を得た。投資ファンドなど10社程度が出資による支援の候補者になっていることも明かした。
サンデンは11月と12月にも会議を開き、最終的な再建策をまとめる。
債権者会議の会場にはみずほ銀行などの担当者が30人程度集まった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて電話会議で出席した金融機関も含め、十数行が参加した。
サンデンの西勝也社長は会議の冒頭で「ご迷惑をおかけし、トップとして責任を痛感している」と陳謝。「昨年10月に自動車部品事業に経営資源を集中して構造転換したが、コロナの影響で危機を迎えた。財務体質を抜本的に見直していく」と話した。
その後、会社側は再建計画案や出資者の選び方などを説明。すでに企業や投資ファンドなど10社程度が出資に興味を示していることを明らかにした。最後に借入金の返済の一時停止や、停止期間を12月の債権者会議までとすることについて銀行団から了承を得た。
サンデンは主力の欧州で排ガス規制が強化され、ガソリン車向け空調部品の売り上げが激減。新型コロナによる自動車需要の低迷が追い打ちとなって資金繰りが悪化し、6月30日に私的整理に踏み切った。
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
-
【よく読まれている記事】
- 新型コロナウイルスは体内にいつまで残るのか
- 「コロナに決してかからない人」はいるのか?
関連企業・業界