ノートルダム尖塔は「復元」 仏大統領、コンペ案は撤回

2010年9月撮影のパリ・ノートルダム大聖堂(左)と、2019年4月の大火災後に撮影された同大聖堂(ロイター)
2010年9月撮影のパリ・ノートルダム大聖堂(左)と、2019年4月の大火災後に撮影された同大聖堂(ロイター)

 【パリ=三井美奈】フランスのマクロン大統領は9日、昨年4月に火災が起きたパリのノートルダム大聖堂について、焼失前と同じデザインで尖塔(せんとう)を復元する方針を示した。同日、文化遺産の保全を担う専門家組織との会談後、大統領府が明らかにしたもので、仏メディアが一斉に報じた。

 大統領府の関係者は、マクロン氏が専門家の要請に沿って、「元通りに塔を再建する計画に信認を与えた」と述べた。マクロン氏は昨年の火災直後、焼失した尖塔のデザインを国際コンペで決めると提案し、国内で是非論が続いていた。

 大聖堂は12世紀に着工されたゴシック建築で、周辺の一帯とともに国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されている。焼け落ちた尖塔は、19世紀に建造された。

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