壁には2メートル超まで土砂の跡 車椅子や家具散乱する「千寿園」 九州豪雨

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球磨川支流の氾濫で14人が亡くなった千寿園の屋上。避難したときのまま、テントや毛布が放置されていた=熊本県球磨村で2020年7月6日午前11時22分、望月亮一撮影
球磨川支流の氾濫で14人が亡くなった千寿園の屋上。避難したときのまま、テントや毛布が放置されていた=熊本県球磨村で2020年7月6日午前11時22分、望月亮一撮影

 熊本県球磨村渡の特別養護老人ホーム「千寿園」。入所者約60人のうち心肺停止で見つかった14人の死亡が確認された6日、流木などに行く手を阻まれながら歩いて施設までたどり着いた。利用者家族と施設に入ると、建物をのみ込んだ濁流の跡が生々しく残っていた。

 球磨川と支流が合流する付近に施設はある。地図上ではJR肥薩線の渡駅から歩いて10分弱だろう。駅を出発して、道を塞ぐ流木やぬかるみに足を奪われながら6日昼過ぎに到着した。

 建物の前には足首まで埋まるほどの土砂が残り、施設を囲むフェンスには利用者が使っていたと思われる手押し車が無残な状態で引っかかっていた。言葉を失いながら眺めている時だった。「すみませーん。安否確認に来ました」。男性が土砂の中を歩いて向かってきた。施設を利用する母クミさん(103)を捜しに来た同県人吉市の日隠(ひがくれ)金一郎さん(67)だった。

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