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Photo: dszc / Getty Images

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ガーディアン(英国)

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Text by Nicola Davis

宇宙人は本当に存在するのだろうか? 彼らは文明を築いているのだろうか? 科学者らのチームが最近発表した研究結果によると、地球外文明は存在するどころか、その数は「4から211」で、なかでも最も有力な数は「36」だという──。

彼らは小柄な緑色の宇宙人ではないかもしれない。巨大な宇宙船で現れたりはしないかもしれない。だが新たな計算の結果、この銀河系には現在、他の文明とコミュニケーションできる知的文明が30以上存在する可能性がある。

この研究論文の共同著者であり、ノッティンガム大学天文物理学教授のクリストファー・コンセリースは次のように語る。

「今回の研究は非常に重要であり、胸が踊るものです。我々は初めて、知性とコミュニケーション能力を備えた文明の数の推定に成功したのですから。人類は、こうした文明と接触できるかも知れず、そうすれば『地球外にも生命体が存在する』ことを証明できます。これは、数千年前から今に至るまで証明されてこなかった命題なのです」

今回の研究チームの一人、ノッティンガム大学天文物理学教授のクリストファー・コンセリース Photo: Wikimedia Commons



計算に使用した「ドレイクの方程式」とは?


1961年、天文学者フランク・ドレイクは、後に「ドレイクの方程式」と呼ばれる数式を提案し、宇宙に存在する知的文明数の推定に必要な7つの値を提示した。これら7つの値には、「1年間に銀河系に誕生する恒星の平均数」や、「ある文明が、宇宙へメッセージを発する技術を所有している期間」などが含まれる。

だが実際、この中で測定可能な値は限られている。憶測の域を出ない値が用いられることにより、「これまで、ドレイクの方程式による地球外文明の数の推定は、ゼロから数十億と幅がありました」とコンセリースは言う。

「ドレイクの方程式」の生みの親、天文物理学者のフランク・ドレイク
Photo: Wikimedia Commons


今回、コンセリースと同僚たちは、新たなデータと仮定を用いてこの推定値をはじきだし、その方法を科学雑誌「アストロフィジカルジャーナル」に発表した。

「基本的には、地球で起こったのと同じプロセスを経て、知的生命体が他の(地球に似た)星でも生じると私たちは仮定しました。つまり、(地球以外でも)数十億年以内に自動的に、自然な進化の一部として生命が形成されるものと考えたわけです」とコンセリースは言う。

前提条件が同じであれば、(化学反応から星の形成に至るまで)すべての現象がつねに同じ過程をたどって再現される、という科学的前提に基づくなら、この仮定も妥当であるとコンセリースは述べる。

「(知的生命体の形成が)単なる偶然や非常に特殊な形で起こるのではなく、(条件を満たした結果)科学的に起こるとするなら、この銀河系には少なくともこれだけの数の文明が存在するはずです」

地球から一番近い文明までの距離は?

残り: 1392文字 / 全文 : 2925文字

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