近年、中学受験では「大学付属校」人気が高まり、激戦となっています。「早慶GMARCH」「関関同立」をはじめとする、人気の「付属中学」の合格を勝ち取るにはどうすればいいのか?
実は、付属校の入試問題は、「御三家」を頂点とする進学校のような難問があまり出ないので、大手塾で落ちこぼれたり、偏差値が20足りない子でも、付属校に“特化した”勉強をすれば、「逆転合格」できる可能性は高いのです。
早慶中学合格率80%、大学付属校合格率100%を誇る「早慶維新塾」塾長の野田英夫氏の話題の著書「中学受験 大学付属校 合格バイブル」の中から、知られざる付属校受験の実態や、合格のためのノウハウの一部をお伝えします。

慶應の中学入試では<br />「もやし1袋」の<br />値段が問われるPhoto: Adobe Stock

 前回ご説明したように、いわゆる「普通の子」が、付属校入試に強いのは、「努力が実りやすい」という出題傾向だけが理由ではありません。問題そのものが、いわゆる生活の中で得た知識をもとに出題されることがあるからです。特に社会は顕著です。慶應普通部では、過去に、「もやし」一袋の値段や「牛乳」1パックの値段を知ってないと答えられないような問題が、実際に出題されています。スーパーに日常的に行く子、買い物のお手伝いをしている子が有利でしょう。

 早稲田実業の社会では、過去に東京の区の名前や場所を答えさせるような出題がありました。

 このような問題の対策をする上で一番効果的なのは、移動は極力電車ですることです。その際に「この駅は新宿区だね」といった会話ができたら、ベストです。電車で移動する際には、スマホをお子さんに貸して、ナビをしてもらってもいいかもしれません。このように、実体験を伴う記憶は、頭に残りやすいからです。どの駅で降りたらよいのか。目的地の最寄りの駅までの所要時間はどのくらいか。その駅の近くに何があるのか。そこは何区なのか。お子さんと出かける際に、このような会話をすることが、自然と付属校の試験対策になります。