伊藤忠、蘭社と共同研究 「CO2ゼロ船」燃料供給網
アンモニアを燃料とし二酸化炭素(CO2)を排出しない次世代船の燃料供給網の構築に向け、伊藤忠商事は12日、タンクターミナル運営で世界最大手のロイヤルヴォパック(オランダ)と共同研究を始めると発表した。同社がシンガポールに持つ既存タンクをアンモニアに転用できるかどうかなどを検証する。
伊藤忠は今治造船、独フォルクスワーゲン(VW)傘下の船舶用エンジンメーカーなどとアンモニア燃料船を共同開発する計画。2024年の商用化を目指しており、ロイヤルヴォパックとは同社のシンガポール法人と連携する。
シンガポールは外航船のハブ拠点。伊藤忠は同地で燃料の貯蔵・積み出しの仕組みを整えれば、外航船の多くにアンモニアを供給できる体制を整えられるとみている。
アンモニアの貯蔵施設としてロイヤルヴォパックの原油・化学品タンクを活用。伊藤忠はセ氏マイナス30度程度で気化するアンモニアを液体のまま船に積み上げるインフラ整備などを担当する。
アンモニア燃料船は世界でも実用化した例がなく、中国や韓国勢も開発に乗り出している。船体だけでなく燃料供給網の整備が大きな課題だ。
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