大相撲徳俵

春に続き…秋巡業中止で土俵づくり業者も苦心「今はこらえるとき」

【大相撲徳俵】春に続き…秋巡業中止で土俵づくり業者も苦心「今はこらえるとき」
【大相撲徳俵】春に続き…秋巡業中止で土俵づくり業者も苦心「今はこらえるとき」
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新型コロナウイルスの流行を受け、大相撲は本場所だけでなく、地方巡業も実施できない状況が続いている。すでに10月の秋巡業の中止が決まった。巡業の土俵づくりや運営サポートなどを手掛けてきた企業にとっても苦心の日々が続く。「今はこらえるとき。12月(冬巡業)は実施できたら…」。巡業が再開できる日を心待ちにしている。

巡業は本場所に並ぶ大相撲興行の柱。本場所がない4、8、10、12月が巡業月で、北は北海道、南は沖縄まで近年は年間70~80カ所で開催されている。本場所に足を運べない地方のファンに大相撲の魅力を届けるのが狙いだ。

主に十両以上の関取が参加し、稽古や土俵入り、取組などを行う。相撲の禁じ手を実技を交えておもしろおかしく紹介する「初切(しょっきり)」や、ドスコイ、ドスコイの合いの手で知られる「相撲甚句」なども披露される。本場所よりエンターテインメント性が高いのが特徴だ。土俵が常設されている場所は少なく、各地の体育館などに1日限りの土俵を作って開催している。

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相撲イベント事業を手掛ける「ムーヴ」(本社・大津市)は年間30~40カ所の巡業で土俵づくりに携わっている。企業が土俵づくりを任される巡業は60カ所程度なので、同社が半数以上任されている計算だ。代表取締役の小林正典さん(45)は巡業関連で全国を飛び回り、年間約200日は出張しているという。

土俵づくりの計画は約1年前からスタートする。巡業の勧進元(主催者)からの依頼を受け、候補地を下見。土俵に使う土をどこから搬入するか、床が土俵の重さに耐えられるかなどを調査し、さらに、力士の支度部屋はどこにするか、力士の動線はどうするかなどの検討まで行っている。

「お客さんにとっては一生に一度の経験かもしれない。絶対に失敗は許されない」と小林さん。

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