「開けるも閉めるも地獄」歌舞伎町の店主たちが迫られる決断

緊急事態宣言の解除が見えてきたが…

新型コロナウイルスによる外出自粛要請が出されてから、“眠らない街”と呼ばれる新宿歌舞伎町が静まり返った。緊急事態宣言が発令された4月、そして延長された5月とそれぞれの街の様子をレポートする。

人がいなくても客引き

4月19日19時頃のゴジラロード。数えるほどしか人がいない〔PHOTO〕筆者撮影
 

「ギャアオーーーーーーー」

4月19日17時。東宝シネマズから顔をのぞかせるゴジラの鳴き声が、静かな街に響き渡った。飲食店、映画館、カラオケ店、パチンコ店など、多くの店が閉業し、休日なのに人通りはないに等しい。ゴーストタウン化した歌舞伎町は、まさに映画の世界のように現実感がない。

日が落ちても、その様子はさほど変わらず。19時頃、メイン通りであるゴジラロードさえ、人が数えるほどしかいない。そのほとんどが客引きで、わずかな道行く人を見かけては、逃すまいと声をかけている。街に人はほぼいないのに、話しかけられることは増えて、変な感じだ。

それにしても、人もいないのに客引きなんて意味があるのだろうか。その訳をある若い男性のキャッチは教えてくれた。

一応会社組織でやってるんで、出勤しなくちゃならないんっすよ。給与は歩合なので意味ないっすけど、上の命令なんで

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