検察庁法改正案、野党が延長削除の修正案提示 著名人参戦で勢い

総務省、国家公安委員会、検察庁が入るビル=東京都千代田区霞が関(斎藤浩一撮影)
総務省、国家公安委員会、検察庁が入るビル=東京都千代田区霞が関(斎藤浩一撮影)

 検察官の定年を延長する検察庁法改正案をめぐり、立憲民主党と国民民主党などの野党統一会派は12日の衆院内閣委員会理事懇談会で、検事総長ら幹部の定年を延長する規定の削除などを盛り込んだ修正案を提示した。野党は政府による恣意(しい)的人事が可能になるなどと反対する一方、安倍晋三首相は衆院本会議で、森友学園問題などで検察の追及をかわすのが狙いだとする野党議員に「疑惑隠しのための法改正との指摘は全く当たらない」と反論した。

 改正案は検察官の定年を63歳から65歳に引き上げ、幹部については内閣が認めれば定年を最長3年まで延長できるとする。国家公務員の定年を65歳に引き上げる国家公務員法改正案などと一体で審議されている。

 野党の修正案は延長の規定などを削除した。野党側はツイッター上で改正案に対し著名人らの抗議が広がったことを追い風に、政府が黒川弘務東京高検検事長の定年延長を1月に閣議決定した問題とも結び付けて政権批判を強めている。12日は野党党首らがネット上で合同記者会見を行った。

 これに対し、首相は12日の衆院本会議で「趣旨、目的は高齢期の職員の豊富な知識、経験などを最大限活用する点にある」と改正案の意義を重ねて強調した。

 与党は改正案を週内に衆院通過させる構え。12日の衆院内閣委理事懇で13日の採決を提案したが、野党は反対した。13日は質疑を行う。与党は「強行採決」を避けたいのが本音で、攻防は激しくなっている。

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