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正規・非正規を超えて労働者がつながれる「カスハラ対策」、労働組合の新たな連帯ストーリー
新志 有裕弁護士ドットコム株式会社
「お客様は神様」的な風潮が強い日本では、労働者がお客様に苦しめられ続けるのであれば、お客様は共通の「敵」になります。その敵にどう立ち向かえばいいのか、というのは、労働者共通のテーマといえますし、労働組合もさらに注力すべきでしょう。
日本の労働組合は、企業別労働組合が主体となっていて、どうしても正規雇用が中心になっていると批判されることが多いのですが、非正規雇用の人たちとも共通するカスハラ対策のように、賃金以外にどんな連帯のテーマを生み出せるのか、労働者の新たなつながりを考えることが大事です。
労使関係のテーマについては、経済トピックスの中でも注目度が低下する傾向にありますが、労働組合が存在しない会社もたくさん存在する中で、労働者同士がつながり、声をあげる場をどうやってつくるのか、答えを出すのは難しいですが、もっと議論すべきテーマです。
労働組合がない、あっても弱い企業だらけの日本で「賃上げ」は実現できるか
新志 有裕弁護士ドットコム株式会社
日本の賃上げの特徴として、安倍政権の時から、政権側が強く求めていて、一方で、労働者側からのパワーが弱いという特徴があります。
日本では労働組合がない、あったとしても弱い企業が大半で、賃上げを求めようにも、今の仕組みでは労働者側が声をあげにくい現状があります。労組が存在しない企業に勤めている方も多いのではないでしょうか。「従業員代表制」という、労組がない企業でも、労使協議をする仕組みの提案が10年以上前にありましたが、実現に至らず、労使関係には空白が生じ続けています。
高度成長のエンジンとなった日本型雇用システムにおいて、企業別労働組合を中心に、安定した労使関係には大きなメリットがあるとされてきましたが、逆に「労」の力が弱くなりすぎて、悪循環が起きているともいえるのではないでしょうか。
労働市場を流動化させて転職で賃金をあげればいい、賃金交渉は個別にすればいい、という考え方も理解できますが、それだけでは限界もあります。あまり光のあたらなくなった労使関係のあり方について、今こそ議論すべき時です。
日本企業の従業員はなぜ仕事への熱意が低いのか 世界最低エンゲージメントの背景
新志 有裕弁護士ドットコム株式会社
日本企業は人を大切にする、と言われてきた(単なる自称かもしれませんが)にもかかわらず、日本の従業員エンゲージメントは世界最低であるという強烈な皮肉。
高度経済成長の時代のように、新卒入社で長期にわたって働きながら、企業が成長することで、新たな仕事が生まれ、ポストも生まれるという流れがあるのであれば、仕事へのやる気が生まれたのかもしれませんが、今は、かつての雇用システムは残ったまま、企業は投資もせず、成長しないので、従業員が現状維持で会社にはりついているだけになっています。
また、企業の人事権が強く、従業員が自分のキャリアを考えなくなるという問題は、昔から存在する問題です。「働かないおじさん」問題は昔も今もあります。
かといって、解雇規制を緩和しろ、労働市場を流動化しろ、といっても、激変を望んでいる人は少ないでしょうから、小さな取り組みを積み重ねていくことが重要だと思います。具体的には、記事にあるような「社内公募」の大幅拡大です。
みんなが成長する時代ではありませんが、みんなで沈む時代でもありません。「やる気のある(出そうな)人を応援する」「足を引っ張らない」ということが大事です。
「お客様は神様」がもたらす正社員の長時間労働、労働者は「神様」より強くなれるか
新志 有裕弁護士ドットコム株式会社
日本の正社員の特徴として、無限定と言ってもいいような長時間労働があります。
これは、ジョブではなく、ヒトを軸に考えるメンバーシップ型雇用で、長く働こうという意欲が評価される、同質化された職場で自分だけ早く帰れないといったことが理由として考えられますが、それ以外にも、日本独特の「お客様第一主義」「お客様は神様」という考え方の強さに引きずられて、高いレベルのサービスを提供するために、長時間労働を強いられてしまう構造があります。コンビニの24時間労働や、スーパーの年中無休などを想像するとわかりやすいでしょう。
しかし、今や人手不足の時代を迎え、賃金をちゃんと上げなければ、スタッフの確保もままならない状態になっています。相変わらず要求水準の高い日本の「消費者」と、人手不足で相対的に重要度が高まっている「労働者」。両者のパワーバランスを変える機会だと捉えたいところです。
旅館業法改正で「カスハラ客」の拒否が可能に 「お客様は神様」脱却チャンス、現場は歓迎
新志 有裕弁護士ドットコム株式会社
ホテルや旅館などの宿泊業については、旅館業法で「行き倒れや野宿を防止する観点」という大昔の考え方によって、基本的には宿泊拒否ができませんでしたが、法改正により、悪質クレーマーなどの拒否が可能になりました。
詳細はこれから決まりますが、どの客も断れないことによって、「お客様は神様」になることを助長する面があったので、カスタマーハラスメントを減らすためのきっかけになりそうです。
悪質クレーマーや迷惑客については、しっかりと断る、ということが、本当の意味での「おもてなし」を実現するために必要です。なかなか人間の意識は変わらないですが、法律が変わることで、提供側と客側の関係に変化が訪れることを期待します。
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