日本の英語力はなぜ中国にも抜かれたのか。世界111カ国中80位と「低い」理由
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「日本人はなぜ英語を話せるようにならないのか」という議論は数十年続いて答えが出ないままですが、英語を使える必要性や動機、そもそもの興味、言語学的視点から見た習得の難しさなど様々な論点がクロスしているので、一言で結論を出すことはできないと思います。ただ、「なぜ中国に抜かれたのか」という点においては、単純に勉強時間が圧倒的に少ないからではないでしょうか。2020年から小学校でも英語が必修化され、3,4年生は「外国語活動」として週に1回、5,6年生は教科として週2回授業があるものの、英語の習得に必要と言われている3000時間にはなかなか到達しません。英会話スクールや塾に通わせられる経済的余裕がある家庭だけが、英語力を伸ばすチャンスを得られるというのが現状のように思います、好ましくはない事態ですが…
注目のコメント
端的に言うと、日本の英語力が低い理由は、英語コミュニケーション力やグローバルなセンスが、生きていく上で不可欠だという認識が低いことでしょう。
中国語、韓国語も言語的には日本語と同じくらい英語からの距離が離れていますので、習得の難しさには日本とあまり差がありません。それなのに両国ともにこの数十年で英語力を飛躍的に高めました。それは、グローバル化や英語力習得に国を挙げて真剣に取り組み、親や社会の意識も高いからです。
日本でよくある「英語を学ぶと母国語の習得がおろそかになる」という否定的な意見はあまり聞きません。また「日本は国内市場が大きいので必要ない」という意見は、国内市場がはるかに大きい中国でもあまり聞きません。
おのずと学習の目標や仕方も日本と違っています。カリキュラム面では小学校から大学の各卒業時点での目標レベルが日本より高いです。また言葉は人間同士の意思疎通という前提から、話す・聞くという力をのばすことをかなり重視して大量の英語に触れさせます。語彙レベルもはるかに多いです。結果、大学卒業時には英語で仕事ができるレベルに達しています。街中のインタビューでも韓国や中国の若者が英語で普通に応えているのはこうした英語教育の違いがあるからです。
このように意識面と学習法に差があることが、中国や韓国に抜かれた背景だと思います。語学は就職先の選択肢を増やすなど、人生をより豊かにする一つの能力であることは間違いないですが、特に必要なければ英語にこだわる必要はないともいます。
日本では受験を終えて大学に入る事がゴールになっている感があり、大学や社会人になってから語学を勉強する人は少ないと思います。