【好調】Sansanの決算を「5つのポイント」でさくっと理解する
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Sansanの売上高マルチプルは現在6倍程度と低くはないものの、freeeやラクスといった企業は10倍を超えており、平均的な評価に留まっています。
名刺管理の「Sansan」は国内でも数少ない単一サービスでARR100億円を越えた点は驚異的ですが、やはりこの数年で30%台の成長から足元では18%への安定成長となっています。
freeeやマネーフォワードなどのプロダクトは対象企業数も膨大であり、会計に加え、労務、人事、電子契約、決済、カードなどさまざまなサービスを付加していくことで顧客単価を上げやすい一方で、名刺管理サービスだけではどうしても成長力が限られるという見方がマルチプルの背景にありそうです。
今回の決算から「名刺管理」というタグから「営業DX」というブランディングに変えているのも、複合的な価値提供を通じてTAMを広げたい狙いが見受けられます。
一方で、請求書管理サービスの「Bill One」は流石Sansanとも言うべきロケット立ち上げをきめてきました。
ARR14億円はグロース市場であれば上場出来てしまう規模で、これをローンチから2年で作れてしまう点にSaaS事業者としてのSansanの凄みがあります。
同社の強みはやはり「アナログ情報のデジタル化」であり、名刺で培ったOCRやオペレーションを請求書にも転用し、強力な営業チームをつくれたことが成功の要因だと考えられます。
世の中にはまだ契約書や、受発注書などの伝票、Faxなど、アナログは根強く残っており、こういったものに対してもSansanが価値提供できる余地はまだまだ大きそうです。売上高の6倍、魅力的なバリュエーションになっていますね。
この市況でも、人材難で効率化・営業DXサービスは今後も必要とされ、企業のIT予算は今後も成長するので、Bill Oneなども要期待です。営業人員数ーS&Mの効率性などは興味津々ですが。
また、Eightのキャリアプロフィールビジネス化、C向けなどは「営業DXサービス」としてのシナジーが高いわけではないので、Eight全体として黒字化に向かえるのか。
全体的な顕著な成長に期待して、今後もSaaSスタートアップの手頃な買収なども見られるのか楽しみです。好調な発表の一方で一エンドユーザーの私としては名刺交換文化を思いっきりDXしてほしい!という強い要望があります!
リモート会議の増加によって、相手の情報をうまく取得できない、名刺文化の良いところである『名刺交換しないと失礼にあたる』という惰性マナーでこれまで必ず手に入れてきた情報が手に入らなくなった。反面、連絡先を渡したい相手にのみ渡せられるようになったと言うメリットも。ここをうまいことDXしてほしい。
あと、そもそも対面のときもデジタルで名刺交換(連絡先含めた情報の交換)をしたい…たまに電子化してる人もいるが、こちらがあたふたしてしまって本当に申し訳ない…。
一地方、一業界、一界隈でもいいから先行して全員取り入れる『特区』みたいなの作れないだろうか。紙の消費も抑えられるし、業務効率もあがることがわかりきっているので、クールビズや女性専用車輌みたいな感じで半強制的に社会実装できないだろうか…。