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国連の気候変動報告書草案、日本などが修正要請 環境団体が発表
毎日新聞
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
これ、通常のプロセスとして行われている、政府レビューですよね。 そもそもの整理ですが、IPCC自体は研究機関ではなく、既にある論文等を参照して、評価する組織です。雑な表現で恐縮ですが、既存の研究を眺めて「全体的に言うと〇〇になる確率が〇%」といった感じでまとめます。 複数の作業部会に分かれているのですが、それぞれの部会でまとめたレポートはめちゃくちゃ膨大で、関係者の表現を借りると、「何でも書いてある」というくらい。 これを各国政策関係者向けの要約版にするのですが、その要約にする段階では「都合の良い切り取りが行われやすい」とは以前から指摘されていた話です。要約版を採択するときの交渉はかなり激しいファイトで、いつものことですが、EUらが主張するような温暖化リスクに対して強めの表現が使われるようになるというのも、関係者からよく聞かれたことでした。 「科学をゆがめようとするのか!」という気持ちになる記事ですが、最初から、科学だけではないのです。 私も正直言って、IPCCの交渉の話を初めて聞いたときにはガッカリしましたが、科学だけで語れる問題などないので、致し方ないところかとも思いますし、こういう、言いがかり的な報道を仕掛けてくるということは、昨今のエネルギー価格高騰や需給の不安定化など踏まえて、慎重になる国も出てきて、今までのようにねじ伏せができなくなってきているということなのでしょう。
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世界同時多発エネルギー危機の真因、スケープゴートになった脱炭素政策
日経エネルギーNext
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
私は見方が違うところがあります。 >脱炭素やカーボンニュートラルというトレンドは、2019年の英国による宣言を皮切りに顕在化した。2019年にEU各国が英国に続いて宣言し、2020年には中国、そして日本も続いた。米国もバイデン政権が誕生すると、この動きに追 随した。 とありますが、パリ協定の採択は2015年。ESG投資によるダイベストメントなどはその当時から活発化していました。 私が「気候変動を動かす金融・投資の動き」という小論を書いたのは、2016年7月です。 https://ieei.or.jp/2016/08/takeuchi160812/ 化石燃料の上流開発を滞らせた理由として、脱炭素(あるいは、極めて高い低炭素)政策の影響は、気候変動を見てきた立場からすると、もう少し重く感じます。 【追記】大場さん コメントありがとうございます。「当初は石炭だった」のはそうなのですが、脱石炭アライアンスを掲げたカナダなど各国の環境大臣などが激しいブーイングを浴びたのはCOP22の時、パリ協定採択の翌年です。天然ガスへの代替では足りん、ということは結構前から言われていて、私が「天然ガスにもダイベストメントの波は来るのか」を書いたのは2017年です。 https://ieei.or.jp/2017/09/takeuchi170928/ 石炭と天然ガスでは五十歩百歩かもしれませんが、その五十歩の違いは大きいで、と思うのですが、ゼロカーボン原理主義の下では、五十歩百歩なのです。また、オランダは環境NGOが政府の対策が不十分だと訴えて、最高裁で負けてますので、そうした影響も少なからず、いろいろなところに。
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世界の化石燃料 2030年に削減目標の2倍を超える見通し 国連
NHKニュース
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
2015年末、パリ協定が採択されたCOP21の直後に書いた論考から。 https://ieei.or.jp/2016/02/takeuchi160218/2/ (前略)この協定の目的に、「産業革命以前からの温度上昇を2℃より十分下方にとどめ、1.5℃以内にとどめるよう努力を求める」という温度目標が条約上初めて明記されたことだろう。いわゆる2℃目標は政治的に浮上し定着したものだが、今回、努力目標とはいえ条文に書き込まれ、かつさらに高い1.5℃という言葉も登場した。  会場に詰めかけた環境NGOはこれを熱狂的に歓迎したが、これを成果と評価してよいのかどうか、筆者にはまだ判断できない。  というのは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書では、2℃目標達成のための450ppmシナリオ(温室効果ガス濃度)では、2050年までにゼロ/低排出電力(再エネ・原子力・CCS 付き火力、バイオマスCCS)の割合が80% を上回り、2100年にはほぼ100%にすることが必要とされている。CCS(二酸化炭素の回収・貯留技術)あるいはバイオマスCCSを活用してシナリオ上のつじつまは合わせられたとしても、とても現実的であるとは思えない。  北海道・苫小牧で行われているCCSの実証実験は年間10万トンの圧入を目指している。わが国の排出する温室効果ガス約14億トンをゼロにするには、この10倍の規模の貯留層を全国1400カ所に常時確保しなければならないのだ。これをさらに1.5℃目標に近づけるとなれば、その非現実性は一層強まる。 > 実際の需要が削減目標の2倍を超えそう、というよりは、削減目標が「1.5℃目標を達成するには」で書かれているので、最初から非常に大きな乖離があったわけです。 なので、焦ってまた目標をどうこう議論しても意味はなく(COP26のホスト国であるイギリスはじめ、政治家の方たちは目標の議論に血道をあげるのですが)、地道に再エネや原子力、水素などの技術のコスト低下と安全性・利便性の向上に取り組む以外ありません。
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欧州の天然ガス価格 高騰で一時過去最高値 市民生活にも影響
NHKニュース
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
欧州の天然ガス価格が、「上昇」とか「高騰」というレベルを超えて「爆騰」というレベルになっています。燃料代に加えて、欧州は風力発電が思ったように発電しなかったこともあり、電力価格も同じく爆騰しました。9月は各国で、連日過去最高水準の市場価格という状態。特に英国は暴騰というレベルで、電力小売事業者もパタパタ潰れました。 ただこれは、欧州だけではなく、世界中で実はエネルギー価格が急上昇しています。 中期的な流れを振り返ると,2015以降の価格低迷とパリ協定の成立等による気候変動対策として、開発投資が停滞しました。原油や天然ガスの開発投資が滞ると、だいたい5年後くらいの供給能力がダメージを受けるので、いまこの5年間のツケが来ているという状況です。昨年から,コロナによる需要減や脱炭素の波をうけさらに縮小していたので、今後も供給力は厳しい状況が続くでしょう(そもそも気候変動対策で、石油も石炭も天然ガスも開発するなということになっているので、当然なのですが) また、需要の方は、コロナからの経済回復を目指す各国の景気刺激策で2020後半から一気に増加基調。また,特に欧州ではここ数年石炭火力の閉鎖が加速し、天然ガス需要が伸びていたのも痛手となりました。 先日PICKしましたが、欧州のエネルギー会社が、いまは石炭を買いあさっているという状態です。 日本の状況が心配されるのですが、日本はかなり長期契約が多いので、今のところかなり影響は抑えられています。ただ、原油価格や石炭価格も上がっているので、もちろん影響は少なからずありますし、これから冬に向けて大きくなっていくでしょう。アジアには何といっても巨大市場中国があり、中国政府が「金に糸目をつけず調達しろ」と言っていますので、スポット市場での調達で買い負けないようにするのは大変なこと。 長期契約は、市場が落ち着いているときには「燃料を高値で買って!」「日本のエネルギー会社の殿様商売」と言われたりするのですが、今は長期契約さまさま。 つくづく、エネルギー事業はリスクヘッジが肝要。 というあたりを、明日のNHKニュースウォッチ9で特集するとのことで、午前中ビデオ収録しました。
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ノーベル物理学賞に真鍋淑郎氏 二酸化炭素の温暖化影響を予測
NHKニュース
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
おおー、おめでとうございます! 気候変動分野の研究が受賞したことが嬉しいですし、既に米国籍とはいえ、日本生まれの方だったことでさらに親しみがわきますね。 日本は気候変動で存在感薄いと言われるのですが、例えば、日本の衛星技術は森林が吸収するCO2量の測定などに大変存在感を持ってます。 気候変動交渉で存在感あるのは、中国米国インドなど大排出国ですが、技術や研究では存在感ない、と言ってしまうのは惜しい。国内で、知られてないことも結構あるんです。 【追記】大場さんのコメント推奨です。 私も、モヤモヤも実は少しあって。 一つは、日本はこれを誇りに思っている場合ではなく、わが国の学術研究支援のあり方、そして国籍法にも問題はないのかを見直す機会にすべきではないかと思うこと、もう一つは、大場さんがコメントしておられることです。 本当におめでたいことなので水を差すことは控えたいのですが、確かに物理学賞?という違和感はあります。 ノーベル賞だけでなく、いろいろな研究費なども、欧州の価値観が「これが大事」と思うと、そこに向くような世の中になっているという構図を、気候変動をやっていると顕著に感じるんですよね。パリ協定が掲げた2℃目標も、2度という数字が欧州の政治家から出てきてサミットあたりで使われだして。そうなると、2℃を前提とした研究にお金がつきやすくなる。それで徐々に「科学も2度だと言っている」になっていきました。欧州の価値観がいかに世界に拡大・支配していくかを感じさせる事例ではあります。 まぁノーベル賞も平和賞は話にならないし、大場さんの仰る通り、「ノーベル賞の役割は終わった」ということかもしれないと思います
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規制改革で再エネ導入後押し 自然エネ財団・大林ミカ氏
日本経済新聞
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
有料記事らしいですしPickするのも・・と思いましたが、やはり問題点は改めて指摘しておかねばと思いPick。 「電力を100%再エネで賄えると主張する自然エネルギー財団の事業局長」のお話を聞くなら、その再エネ100%シナリオを検証してからの方が良いと思います。 電力コストがどうなるかの試算もないことなど、シナリオとしてどうなの、というところは滝編集委員であればご存知のはず。 また、規制改革の例として挙げておられる、再エネ価値市場(こちらは規制改革の要望として出たという認識は私は無くて、RE100などを謳う企業からの要望だと思っていましたが)が、再エネを増やすことには一つも貢献しないこともどう考えておられるのでしょうか。 なぜ、再エネ価値市場が「再エネを増やさないのか」は、こちらのニュースでコメントした通り。 https://newspicks.com/news/6214881?ref=user_829794 上記のPickで書いた通り、「パチモンの再エネ政策」では、本当に育つべき再エネ産業がちゃんと育たないんです。 滝編集委員の原子力に対する建設的批判はいつも傾聴に値すると思っているのですが、再エネにはその批判精神が生きていないのが気になるところ。
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再生エネ拡大へ減収補填 出力抑制時の影響軽減
日本経済新聞
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
愚策。 太陽光は太陽の出るときに発電するので、その時間帯に電力が余剰になるのは当たり前。それをどううまく使いこなすかが重要で、その時間帯にタダでエネルギーを使える、あるいは、欧州のようにネガティヴプライス(電気が余剰になるタイミングでは、電気を消費することでお金をもらえることになります。いわば廃棄物のように、引き取るとお金もらえる)になることで、電気を貯める、あるいは使う時間を変えるビジネスが生まれてくるわけです。 昔、原子力発電が多く稼働していた時代に、夜間の安い電気を利用してお湯を作るエコキュートなどが普及したのと同じく、電気が余剰の時間帯に電力需要を創出したり、出力を抑制することが、市場で価値として認めらることが必要です。そこに補助金で手当てしてしまっては、また何ら価値が生まれない。イノベーションをつぶす気ですか? 経産省がこんなことも分からないはずはないと思うのですが。 もしこうした施策を要求してきた人がいたら、それは再エネを産業として成長させ、健全にこの国で増やしていこうとしている人ではなくて、「とりあえず手っ取り早く再エネで儲けたい」人ですから、どんなに政治的に強い声であったとしても跳ね返すべき。 愚策。
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再生エネ証書を値下げ 経産省
日本経済新聞
竹内 純子国際環境経済研究所 理事・主席研究員
この短い記事では「再エネが安く買えるようになり、普及する!」と思いますよね。そんなことにはならないのが問題なんです。 この再エネ証書が売るのは、FIT制度で導入された再エネが持つ「CO2を出さない価値(以下、環境価値)」です。私たち電力消費者が電気代に含めて再エネへの補助金(賦課金)を払っていますので、私たちがその再エネの環境価値を買ったことになります。 ただ、消費者が持っていても、その価値は何の役にも立ちません。でもほしい人がいます。「再エネ100%の電気使ってます!」と言いたい企業などです。国際的に再エネの電気を使うことが企業に推奨されているからです。でも日本ではまだ再エネが高いですし、企業の活動を物理的に再エネだけで支えるというのはほぼ無理ですので、ちょっとくらいならお金を出して再エネの「証書」を買いたい、ついては、再エネ証書を安くしてくれという声が高まりました。 価値の持ち主である我々消費者が値段を交渉するわけでもありませんので、証書は市場で取引されると言っても、経産省が決めた下限値に張り付く状態が続いていました。その下限値がいままで1.3円だったのですが、「それでも高い!」「海外はもっと安い!」という声に応えて下限値をさらに引き下げる、というものです。 この証書を売った利益は、私たちの再エネに対する補助金負担を減らすために使われていましたので、証書を安くで売るというのは大場さんご指摘の通り、買い手となる企業への補助金になるということです。 再エネ補助の国民負担を抑えるのが遠のくのも問題ですが、本質的な問題は新しい再エネを増やさないこと。こうした証書で安く「わが社は再エネ使ってます!」と言えるのであればわざわざ本物の再エネに投資しません。いま注目が集まりつつある自家消費(自社工場の屋根や駐車場に設置する)太陽光の導入意欲は低減するでしょう。 そんな問題点は、経産省も十分わかっています。(先日の公益事業学会のパネルでも指摘しました)ではなぜ値下げするのか? 再エネを謳いたい人たちの強い声に政治的に押されるからです。 こうやって、再エネ関係はパチもんの制度が多くなってグダグダになるんです。 過渡期ですからとこういう制度を認めるのもアリではありますが、グリーンウォッシュ(イメージだけのグリーン)として、早晩、国際的には認められなくなるのではと思います。
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「10年後に原発経験者いなくなる」 IHIや三菱重工の半端ない危機感
日経ビジネス
NORMAL