黒瀬 浩一

改善が続く方がおかしい、とも見られていたので、まあ妥当だと思います。ガソリン価格が上がり始め、貸し剥がしからローンの認可が下りず延滞率も上がっています。ただ雇用が抜群に良い状況は、むしろより良くなっています。大きく崩れる可能性はまずないと思います。

米国10年債金利が4.5％を超えて上昇、日銀総裁が緩和維持を表明、結果として日米金利差が拡大、となれば円安が進むのは理屈の通りだと思います。どこで日銀が円売り介入するかがポイントですが、まだ関係各所にひっ迫感はないと思います。円売り介入のサインは、ワイドショーでインフレは困る、インフレの原因は円安、円安の原因は日銀のこの人、と言って日銀総裁の顔写真が出だすことだと思います。まだありませんね。昨年は146、151円で円売り介入しました。しかし、今はインバウンドという強力な円安のプラスのメリットがあるので、介入の水準が５円ぐらいは円安方向に修正された可能性が高いと思います。

是非とも解禁して欲しいと思います。が、政治的にはこういう構図です。ライドシェア解禁に積極的なのは、河野大臣と菅前総理です。菅前総理は、自分に弓を引いて追い落とした岸田総理を恨んでいると見られています。河野大臣は総裁選で、一般投票では岸田候補を抑えて１位でしたが、その後の国会議員投でひっくり返されました。岸田総理は自分を追い落とす最も可能性の高いライバルとして警戒しています。そのためには河野大臣には兼務がとんでもなく多く、政治的な動きが取れないように仕組まれています。今回の動きについても、マイナンバー関係のデジタル庁の不祥事が出てきて、身動きが取れなくなる可能性があります。菅前総理は河野大臣の後見人であり、連携して動いています。ライドシェア解禁は、自民党の族議員には痛手なので、ここを切り崩そうとしていると思います。岸田総理が所属する宏池会は、運輸族の元締めだとみられています。国民のためになる政治を行って欲しいと思います。

ルンバのような掃除ロボットを最初に作ったのはパナソニックだったが、ロウソクの火のついた仏壇を倒したら家事になる懸念から、商品化を断念した逸話を思い出しました。

EUが安すぎる、つまりダンピングで調査に入る意向を示しています。これは、かつて米国に輸出された日本車が同じ理由で激しい貿易摩擦を引き起こしたのと全く同じ構図です。日米貿易摩擦では、米国自動車工場の労働者や政治家が、自動車をハンマーでたたき壊して抗議する衝撃的な映像が良く流れました。ダンピングは、安値で販売してライバルを潰す手法です。多くの国では独禁法で略奪的行為として禁止されています。

災害が影響を与えています。イタリアの周囲で災害が相次いでいます。リビアでは９月に砂漠で豪雨が降り洪水が発生、３万人の犠牲人が出たと見られています。９月にはモロッコで地震が発生、数千人の犠牲者が出ています。３月にはトルコ・シリア地震で56000もの死者が出ています。東日本大震災に死者が約22000人ですので、被害の大きさが分かります。本国で生活苦に陥るとEUへの難民になるパターンになっていると思います。これから真冬にかけて食料とエネルギー価格が上がることも懸念されています。