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【解説】アメリカが大幅利上げ。さて「円安」はどうなる?
Osake Takenori(大酒丈典)NewsPicksスタートアップ NewsPicksスタートアップ
黒田日銀総裁の発言に対する生活者やメディアの反応を見ると、デフレマインドが全然抜けていないから、やっぱり日本は金融の引き締め方向へのシフトって難しい感じがする。
黒田さんは、民間のアンケート調査の結果をもとに「コロナで家計に貯蓄が積みあがって値上げ許容度が上がっている可能性がある」とのマクロ経済面の仮説を示しているに過ぎない。別に個々の生活者が心理面で値上げを受け入れているとかいないとか言っているわけではないし、そもそも「値上げ嬉しいね!」なんて思う人は古今東西いないと思う。
この黒田さんの講演は全文を読むととても示唆に富む内容で、「ゼロインフレ・ノルム」すなわち企業が「値札を変えない」(=値上げしない)姿勢が日本特有のものであり、その原因が何かなどについて仮説を提示している。
「値上げを許容している」という発言にヒステリックに反応するあたり、まさにゼロインフレ・ノルムに毒された日本を象徴しており、金融緩和の終了には程遠いという印象を受けたり、受けなかったり。

【異色】ミシュランシェフの「したたか」な財務戦略
Osake Takenori(大酒丈典)NewsPicksスタートアップ NewsPicksスタートアップ
今回は、クラウドファンディングについて少し会計チックな紹介をした。案外、会計で考えた方がクリアカットに分かるような気がした。
ところで、お金の計算ばかりしてたいへん恐縮だが、クラウドファンディングで集めた3500万円を6年で1.76倍にしたということは、6160万円にしたということである。それが売上高の10%なのだから、つまり6年間の累計売上高は6億円余りということになる。
1年あたり1億円。弁当1つ1000円とすると年間10万個、365日で割って1日300個ほどを来る日も来る日も売り続けたということだ。弁当業界について詳しいわけではないが、これはとても成功した方なのではないかと思う。
「いやー、6年間、頑張るなんてもんじゃないですよ。生きるか死ぬかの毎日でした」。伊東社長はそう言った直後に「これからが本番」と言っていた。これから再び生きるか死ぬかの本番を始めるのだろうか。弁当という身近な商品だけに、起業家とはすごいなと改めて思いました。

【60歳起業家】昭和の組織をテクノロジーでGoogle化する
Osake Takenori(大酒丈典)NewsPicksスタートアップ NewsPicksスタートアップ
自分が何の専門家なのか名乗るのは気恥ずかしいもので、なぜなら、知れば知るほど上には上がいて、広大な未知の砂浜にいるような感覚にはまっていくからだと思う。思慮深いからこそ声が小さい人はたくさんいる。
まがいなりにも自分の経験やスキルにタグが付き、それが元になって他人の目に留まりプロジェクトに招かれ、経験を積むことで本当のプロフェッショナルになっていくこともあるし、こうした可視化が自らのキャリア形成の整理整頓になり、仕事への適切な動機が駆動して、自己実現的にプロフェッショナルへの道が開けることもあるような気がする。
どんなに有能な人であっても発見されなければアサインされないし、そうすると能力はもう育たないし、そんな会社はなくなったらそれでいい。人を検索するツールは、それ以上に人を育てるツールであればいいなと思いつつ、また、ゴールデンウイークがずっとずっと続けばいいのにと思ったりもする。

【解説】なぜAIスタートアップの企業価値が「不調」なのか?
Osake Takenori(大酒丈典)NewsPicksスタートアップ NewsPicksスタートアップ
「富岳」というスーパーコンピューターの性能は世界一とのことで、これは素晴らしいことだ。
ただ、ここ2年間は唾液の飛沫の計算ばかりさせられているイメージだった。「オミクロン株の場合、マスクなしで15分間会話するとほぼ100%感染する」。膨大な計算をしたのかもしれないが、多くの人がこう思ったであろう。「まぁ、そうでしょうね」
AIの難しいのは、この辺りで、僕自身も機械学習を使って様々な分析をしたことがあるが、膨大なデータを計算させた割に、だいたい、経験的に知っている答えが出てきた。
AIに期待する→AIに計算させる→ワクワクが止まらない→知っている答えが出る→絶望する。いかにもありそうだ。しかしながら、考えてみれば当たり前で、1回の計算で答えが出るほど世の中甘くない。それを出発点にして、合理的に議論して試行錯誤することが重要だと思っている。

楽天証券とSBIが呉越同舟。「400F」とは何者か?
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株価が下落していると、怖いと思う。それでは株価が上げているときはどうかというと、テレビの街頭インタビューなんかを聞いていると「景気が良くなった実感はない。株が上がっただけで、金持ちがもっと金持ちになっただけ」と言う。
投資をしている人は悪い時にも仕込んでいるから株が上がったら得をするわけで、何もしなくて景気の良さを実感しようなどという都合のいいことは実現しない。どこからともなくお金を配り歩くおじさんが出てくるわけではないのだから(しかし、年金を運用するGPIFは株などで運用してくれていて、過去およそ20年間に累積で100兆円超の利益を出してくれているため、そういう意味では何もしていない人にも投資の恩恵は配られる)。
ところで、先週(3月1日)のヌ―バンクの決算記事のコメントの続きのような感じになるけれど、株の運用会社にいたときに個人投資家の属性や売買行動を特徴量として機械学習でクラスター分析をしたことがある。
特徴量をバリマックス回転でまとめて、ユーグリット距離でクラスターに分けて、みたいな一般的な機会学習を使った気がする。
詳細は忘れてしまったけれど、40代男性や若い人は割とわちゃわちゃと取引をして、あまりうまくいかないような傾向にある一方、30代以上の女性はしっかり腰を据えて投資をして、それが結果的に良い成績を生んでいるといった、割とイメージ通りの結果になった記憶がある。
あまり投資に興味がない、つまり「関係ない」と思っている人ほど、投資をやってみると案外、じっくり腰を据えて結果を出すのかもしれない。
投資に慣れないけれども、一歩を踏み出したいと思う人を投資にいざなう場所は、とても社会的意義があるように思う。

【解説】世界最大のデジタルバンクの決算が、勉強になる
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以前、株の運用会社で顧客のコホート分析をしていました。数万人の顧客がそれぞれ数百~数千日の資産変動履歴を持っているので、データ個数は軽く億を超え、当然エクセルだと開くことすらできないデータ量です。
一生懸命「R」でコードを書いて計算させても、手持ちのノートパソコンのメモリを超えて計算が止まったり、大変でした。
ヌ―バンクは5000万人を超える顧客を持ちながら、整理整頓されたIRをしています。上記のようなコホート分析もエレガントにグラフィック化しています。記事中に紹介した、すくすく育つムラサキサンゴはぜひご観察ださい。

上場はゴールじゃない。優良IPO「5%クラブ」への入り方
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IPOの規模や、上場前における資金調達の規模は、株式投資をする上でも参考になると思う。
ベンチャーキャピタルのジャフコの調査によると、時価総額が500億円以上のIT企業のうち、IPO時にそれが100億円未満(初値ベース)だった企業は6%しか存在しない(調査対象は文末参照)。
また、時価総額500億円以上のIT企業のうち、上場前に10億円以上の資金調達をした企業は45%と半分近くに達する。IT企業全体ではこれが18%にとどまるから、上場前に大きな資金調達をした企業ほど500億円企業に成長しやすいことを示唆している。
つまり上場前にそれなりの規模の資金調達をしていて(逆に言うとそれなりの規模の企業になっていて)、それなりの規模でIPOしなければ、上場後にキャッチアップするのは難しいということを示唆している。
これが、資金調達など資本政策の巧緻によるものなのか、そもそもビジネス面の実態に成長の限界が存在するのか(例えば市場規模が小さい)、その両方なのかは分からない。
ビジネス面の実態が資本政策に反映されている面もあるだろうし、ビジネスは有望だけれども資本政策に計画性がなく成長投資がうまくいかなかったのかもしれない。
いずれにせよ、IPOの瞬間に、その企業の成長性はある程度決まってしまっているとみることもできる。上場後に資本政策の選択肢を持てる企業はすごい。
テスラは金融緩和にフルに波乗りして2020年に3回も増資。上海工場、ベルリン工場、テキサス工場と山のように投資している。2019年4Qに10.5万台だった生産台数は今や30.5万台になった。生産効率も上がり、粗利率は8ポイントも上昇し31%。こんなのは例外だけれども、資本でビジネスをブーストする会社はすさまじい。
何を書いているのかよく分からなくなってきた。資本政策は書いているうちに堂々巡りになり書いている方が混乱する割に、あまり読まれない。
【ジャフコの調査対象】2012年4月から20年3月でマザーズに上場したIT関連企業約200社が対象。時価総額は2020年通期。なお、この時に時価総額が500億円以上だったのは35社。

秘密のVC、異例の巨大1000億ファンド立ち上げの真相
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ZOOMやTwitter、Fastly、Coinbase――。日本の個人投資家にもなじみ深い、そうそうたるハイテク企業に上場前から投資していたのがSOZOベンチャーズです。SOZOはこれら米ハイテク企業の日本上陸に深く関わってきました。そのSOZOが3号ファンドを立ち上げます。
これからどんな企業に投資し、日本企業とどう協業させるのか。興味が尽きません。
米国では金融政策が引き締め方向に転換し、上場するハイテクグロース企業の株価に逆風が吹いています。VCファンドにとっては出口がふさがれかねない市場環境ですが、この辺りについても聞いてみました。

秋に上場へ。エアウィーヴ、スリープテックで描く成長戦略
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エアウィーヴの売上高は2009年に1億円。そこから10年余りで200倍近くに成長したのだから、それだけ快眠に対する隠れたニーズは大きかったということでしょう。
インタビューにもありますが、お店で試しにぐっすり眠るわけにはいかないので、本当にいい寝具を選ぶのは難しい(不可能?)というのは、確かにそうですよね。眠りのデータを集め、買う時に寝具の機能が見えるようにするという試みには興味を惹かれました。
ちなみに、取材時に従業員の方の睡眠アプリを少し拝見したところ、毎日ぐっすりと眠られておりました。

バフェット、ティールも出資。金融を破壊するヌーバンクの正体
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なぜバフェットはヌ―バンクに投資したのか?
そんなことを考えながら、上場目論見書(Form S-1)を読み進めました。同社の収益力、成長性は数字にしっかりと表れていました。ヌ―バンクは、社名の通り「裸」であるがゆえに強いのです。
なお、ブルームバーグは10日、「関係者の話」としてバフェット率いるバークシャー・ハサウェイがヌ―バンク株をさらに買い増したとの趣旨の報道をしています。
今後も注目の海外IPOについて、精緻でタイムリーな情報発信をしていければと考えています。
「S-1」の読み解き方については、かつて米ニューヨークでIPO関連業務をされた経験のある、マネックス証券の岡元兵八郎チーフ・外国株コンサルタントに貴重な助言をいただきました。ありがとうございます。

千代田化工、日揮も頼る数学者CEO。地味なプラントDXが熱い
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パランティア・テクノロジーズは、日本では2019年にSOMPOホールディングスとJVを設立しています。やはり、エアバスの前例が一つの大きなきっかけとなったようです。損害保険事業や介護事業で蓄積したデータを、パランティアの技術でマネタイズする狙いです。
暗黙知などドメイン知識(業界の専門知識)や、長年積み上げられた現場のデータがなければ、スタートアップの高度なテクノロジーも宝の持ち腐れになりかねません。
ドメイン知識とハイテクの融合は口で言うほど簡単ではありませんが、パランティアとエアバスにしろ、アレントと千代田化工にしろ、当初は仕事を発注する側と受注する外部業者だった関係が、結果的にJV設立に至ったことは興味深いところです。

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