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【結論】お金から自由になるために「自分の価値基準」を持とう
田内 学書籍『お金のむこうに人がいる』著者
今回の記事で取り上げていただいた書籍「お金のむこうに人がいる」の著者の田内学です。
記事の中で、価格と効用は別ものであるという話をしましたが、GDPと生活の豊かさも同じく別物です。たしかに、GDPと生活の豊かさには相関がありますが、因果関係があるわけではありません。
身長と体重の関係と似ています。子供が大人に成長する過程では、身長も伸びますし、体重も増えます。結果的に正の相関があります。
ですが、たくさん食べて体重を増やしても身長が伸びるわけではありません。そこには因果関係がほとんどないからです。
経済についても同様です。
分業の発達により、経済は発達してきました。内部で抱える問題解決を、お金を支払って外部に求めるようになってきたとも言えるでしょう。
米を自分の家で栽培せずに、農家から買う。おにぎりを自宅で作らずに、コンビニで買う。
抱える内部の問題がたくさんあるうちは、どんどん外にお願いするので、どんどん分業はすすみ、効率化され、生活の豊かさは増えます。この過程においては、GDPと生活の豊かさには相関関係はありますが、因果関係はありません。外部化という原因によって、生活が豊かになり、GDPが増えるという結果が生まれています。
十分生活が豊かになった現代(平均的な生活の話であって、格差の話は別の議論です)では、分業によって生活が豊かになる余地は減っています。つまり、GDPは伸びにくくなっています。
すると、どうやってGDPを増やすのかという議論が起きます。例えば、オリンピックでたくさん競技施設を建設すればGDPは増えますが、生活は豊かになったのでしょうか?生活が豊かになる結果としてGDPが増えることはあっても、無理矢理GDPを増やしても、生活が豊かにならなそうです。
お金で測る指標はわかりやすいですが、人の存在を忘れてしまうと、経済の目的を見失ってしまいかねません。
脱炭素に1京円強 金融機関有志連合、投融資で変革促す
田内 学書籍『お金のむこうに人がいる』著者
非常に興味深い話です。
しかし、これは、予算があればなんとかなる問題ではないと思います。コロナ禍において、予算をつけても医療サービスの供給量はあまり増えませんでした。
30年で100兆ドルということは、年間3.3兆ドル
世界のGDPの総額が87兆ドル(2019年)
つまり、世界中の経済活動の約4%が、脱炭素のために充てられることになります。ちなみに、日本における情報通信業のGDPは約5%です。
クラスの中の一人以上が、脱炭素の設備投資や研究開発に従事するイメージです。金融機関の努力や政府の予算で1京円集めるだけで解決する話ではありません。
産業構造が変わる必要もあるでしょうし、専門性を持った人材の育成も必要です。
【問題】GDPが増えても、なぜ私たちは幸せになれないのか?
田内 学書籍『お金のむこうに人がいる』著者
GDPと生活の豊かさには、明らかな相関があります。
しかし、GDPを増やしたから生活が豊かになるわけではありません。
例えば、肺活量と身長の関係を考えてみるといいと思います。
子供から大人になる過程では、肺活量も身長も伸びるので、ここには正の相関があります。ところが、大人になって、トレーニングして肺活量を増やしても身長が伸びません。
経済についても同様です。
分業の発達により、経済は発達します。
内部で抱える問題解決を、お金を支払って外部に求めるようになってきたとも言えるでしょう。
米を自分の家で栽培せずに、農家から買う。おにぎりを自宅で作らずに、コンビニで買う。
抱える内部の問題がたくさんあるうちは、どんどん外にお願いするので、どんどん分業はすすみ、効率化され、生活の豊かさは増えます。この過程においては、GDPと生活の豊かさにはもちろん相関関係はあります。ここで大事なのは、生活が豊かになる結果として、GDPが増えるということです。
十分生活が豊かになった現代(平均的な生活の話であって、格差の話は別の議論です)では、分業によって生活が豊かになる余地は減っています。つまり、GDPは伸びにくくなっています。
すると、どうやってGDPを増やすのかという議論が起きます。例えば、オリンピックでたくさん競技施設を建設すればGDPは増えますが、生活は豊かになったのでしょうか?生活が豊かになる結果としてGDPが増えることはあっても、GDPが増える結果として生活が豊かになるわけではないからです。
GDPと生活の豊かさに相関はあります。しかし、その因果関係を考えなければ、経済の目的を見失ってしまうと思います。
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