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【最高額】クラファンで9億円集めても油断できない科博の経営
中居 広起NewsPicks 記者
2年前、国立科学博物館の海獣学者・田島木綿子さんを取材しました。
田島さんは、クジラやイルカが海岸に打ち上げられる「ストランディング」の現場に駆けつけ、解剖調査や標本作製による死因の特定や生態の解明を進めている研究者です。
クジラは腐敗が進むと強烈な悪臭を放ち、しかも重いので調査は重労働。なかなか過酷な仕事ですが、クジラの標本をつくるには、その費用も何千万円という単位でかかるそうです。
クジラの例は特異ですが、とにかく標本の収集と保管にはお金がかかる。ですが、標本を集め続けることは、国立科学博物館の使命。やめるわけにはいきません。
利潤を生まない博物館が生き残るため、どうやって支援の輪を広げていくのか。トップインタビューで探ります。
【注目】「野放し」の検査ビジネス問題に厚労省が動き始めた
中居 広起NewsPicks 記者
これまでHIROTSUバイオサイエンスを取材してきた中でもひときわ印象に残っているが、「裁く法律がない」という広津社長が社員に語った言葉です。
放言のようにも聞こえますが、実はとても的を得た言葉です。なぜなら、N-NOSEを含む検査ビジネスと呼ばれるものには、明確に規制するルールが存在しないのです。
実際、我々は昨年、抵触しそうな法律を所管している省庁にも足を運びましたが、取り付く島もないような状況でした。
しかし、少しずつ状況は変わりつつあるように思います。まずは厚生労働省が、法規制の明確化を図ることで、「野放し」の検査ビジネスに一定のルールを与えようとしています。
すぐさまガイドラインの策定や法改正が実現することは、恐らくないでしょう。ですが、この問題のある検査サービスから、少しでも国民の命が守られる方向にルールづくりが進むことを願っています。
【線虫がん検査】「的中」1%。全国調査でも低い精度あらわ
中居 広起NewsPicks 記者
線虫がん検査「N-NOSE」に関する疑惑を報じた昨年の特集からもうすぐ1年が経ちます。
この間も、HIROTSUバイオサイエンスは、ペットを対象にした検査や特定の臓器のがんに特化した検査をローンチするなど、サービスを拡大し続けています。新しいテレビPCも次々と制作しているようです。
一方、我々もその様子を黙って見ていたわけではありません。継続取材の内容を今回改めて特集として掲載することにしました。
気になっていた方がも多いのではないかと思いますが、まずはN-NOSEについて医師らが実施した全国調査の話題から。ようやく結果がまとまり、昨日、関連の学会で報告されました。
結論から言えば、やっぱりN-NOSEには、がんのスクリーニング検査として使えるような精度はありませんでした。わかっていたことではありますが、改めて大規模な調査で示されたことに大きな意義があると思います。
「日本は資源大国になれる」常識覆す、お宝2億トンの真価
中居 広起NewsPicks 記者
海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト、メタンハイドレート、そして今回大量に見つかったマンガンノジュールと、その下に眠るレアアース泥……。
確かに、日本周辺の海底では、これまでも様々な資源が見つかっていて、その度に話題になるものの開発が進まずにいつの間にか忘れ去られる、ということが繰り返されてきました。大きな理由は、海底資源の開発には莫大なお金がかかるから。
しかし今回ばかりは、様子が違うと思っています。それは、マンガンノジュールの開発プロジェクトに総額で100億円近い助成金を出すことを決めた日本財団の存在です。この事業は笹川会長の鶴の一声で実現しました。
「責任を取る人がいなきゃダメなんですよ。日本財団の仕事は、私が責任を取ります」。インタビューで笹川会長はこう明言していました。逆に言えば、そのくらいの覚悟が必要な事業でもあるということでしょう。
今のところ、表立って開発に手を挙げる企業は現れていません。いくつかの商社にも感触を聞いてみましたが、皆一様に「コストがわからなければ、投資判断はできない」との回答でした。まあ、商社としては当然でしょう。
だからこそ、2025年にも始まる大規模な実証試験では、一度に大量のマンガンノジュールの引き上げが可能であること、そして確たる経済性の証拠を、何としても示してほしいと思います。
【大胆】心臓に細胞注入。「世界初」心不全治療ベンチャー上場
中居 広起NewsPicks 記者
心臓に直接針を刺して、心筋細胞を移植する──。
5年ほど前に初めて聞いたときは「それ、大丈夫?」と思ってしまったほど、大胆な心不全治療法です。実際、治験に参加する医師や患者たちも最初は慎重だったそうです。福田先生(社長ですが、医師のイメージが強すぎる…)によると「症例を重ねて安全性や有効性が確認されるうちに理解が広がってきた」とのこと。
大胆さもさることながら、この治療法の肝は、iPS細胞から心筋細胞に分化させたあと、未分化のiPS細胞をほぼ完全に取り除く「純化精製」の技術と、心筋細胞の中でも心室筋細胞だけに分化させる「分化誘導」の技術にあります。
前者は特許化されていますが、後者は「秘伝のタレ」としてノウハウが秘匿化されています。この2つがあるからこそ、心臓に直接移植しても、腫瘍化や心不全を起こさない安全性が担保されているわけです。
一方、実用化はまだこれからです。ハートシードは条件及び期限付き承認制度を利用した早期の承認を目指しています。低用量の治験で一定の効果が確認できていることは素晴らしいですが、期待のかかる技術だけに、ぜひ慎重に進めてもらいたいと思います。
【1500億円上場】宇宙企業の敏腕社長は陰のルールメイカーか
中居 広起NewsPicks 記者
本文には書いていない内容として、企業が開発した製品やサービスを政府が継続して購入する「アンカーテナンシー」についてどう思うか岡田社長に聞きました。
アンカーテナンシーは、NASAがロケット打ち上げの大型契約をスペースXと結んだことで、同社が急成長したという成功事例が知られています。日本でもアンカーテナンシーの活用が議論されています。
一方、岡田社長はアンカーテナンシーには懐疑的な意見でした。岡田社長は「政府が顧客になることもあり得るが、民間企業ならちゃんと民間のお客さんを捕まえに行くべきだ」との考えだそうです。
そして、民間の需要は国内には少ない。だから必然的にグローバルに出ていかざるを得ない。「世界同時展開しないと、政府におんぶにだっこになってしまう」というのは、確かにその通りだと思いました。
QPS研究所といった政府の受注だけで黒字化しそうな企業は別として、宇宙ビジネスをやるなら、やはり最初からグローバルを狙わないといけないんだな、と改めて気付かされました。
【解説】上場相次ぐ宇宙企業。早期の黒字化見通しも
中居 広起NewsPicks 記者
宇宙スタートアップのIPOに関わるステークホルダーに片っ端から取材して、宇宙株の成長性とリスクについて聞きました。
ベンチャーキャピタリストの小松氏の話で印象的だったのは、「日本は失敗に対して懲罰的な態度で臨む風潮が強い」という話でした。
あらゆる成功は失敗の上に成り立っている。失敗しないということはチャレンジしないのと同じ。大事なのは失敗の質を吟味すること。
社会の成長につながる失敗なら「貴重な情報を獲得した」「一歩前進」とみなす発想の転換が必要だという意見はその通りだなと思いました。
もちろん投資に関しては、個人投資家は自らのリスク許容度と熟練度を考慮して検討すべきです。安定したリターンを期待する人は宇宙スタートアップは避けたほうがよいかもしれませんね。
NORMAL
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