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JR貨物なぜ追い風に乗れぬ?「災害に弱い」「サービス悪い」の集中砲火 真価は平時ではなく
松田 琢磨拓殖大学商学部国際ビジネス学科 教授
国土交通省で行われている「今後の鉄道貨物物流のあり方に関する検討会」において,物流における諸課題の解決を図り,鉄道貨物が重要な輸送モードとして、その特性を十分に活かした役割を発揮するための政策のあり方について議論されています.
目的には,貨物鉄道の使い勝手を改善することが挙げられていますが,記事にある通り,ヒアリングをした事業者からは結構きついことが言及されています.今回の記事はそれに触れています.
この記事でもありましたが,現状のままだと国内貨物輸送で鉄道を使うのに課題が多すぎて難しいだろうな,というのは私も同意です.一方で,これだけ課題がきちんと言葉になって出てくるのは修正点がわかっているということも意味しており,そこにどう対応するかは選択の問題だろうなと思っています.
とはいえ,標準パレットと海上コンテナ利用の普及はもっと進めてほしいところですが…
【展望台】「船社が悪い」で本当によいか
松田 琢磨拓殖大学商学部国際ビジネス学科 教授
Daily Cargoでの小堺祐樹記者のコラム.小堺さんはコンテナ輸送のベテラン記者です.
本当にうなずかされる内容です.2016年には上海-欧州のコンテナ輸送運賃が一個200ドルなんてのがありましたが,明らかに採算がとれない運賃に対しても「市場原理」と言われていた時代がたしかにありました.記事にもありますが,長期契約を結びながら契約数量を運ばないケースもたくさんありました.その場合,下がり相場だと契約運賃より安いスポットレートで運んだりしていました.
今,物流では陸上も海上でも「荷主」こそが問われているのだと思うことがあります.アメリカもそうですが,日本でも今の状況を船社だけのせいにしていいわけがない,というのはぜひ伝えたいです.
北米港湾混雑の再燃 懸念。官民情報共有会合、海上輸送混乱「秋口まで」
松田 琢磨拓殖大学商学部国際ビジネス学科 教授
コンテナ物流の問題については,国土交通省と経済産業省,農林水産省が情報共有会合を昨年から開催していて,これが三回目になります.
開催発表のURLはここです.
https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_000611.html
(もう少ししたら,発表資料なども出てくると思います)
(二回目の資料)
https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_000586.html
その中で北米西岸港湾の混雑問題についても語られ,JETRO(元LA港湾局)の森本さんがブッキングの状況から判断するに秋口までは混乱が続く,という見方を示していました.
米国西岸の動向については,あまり激しくならないのではないかという見方になっています(Bloombergなどもそういう見方を紹介していました)
「私、メンタル強いから」はもうやめよう。メンタルには強いも弱いもない。あるのは個人の中でのグラデーション
松田 琢磨拓殖大学商学部国際ビジネス学科 教授
この記事を読んで思ったのは,アカデミアのことでした(※).世の中にはどうしても生き残った人の意見ばかりが出てきますが,一度振り落とされた私としては”publish or perish”の,perish側をどうしても想像してしまいます.「生き残れなかった」人であっても,消えた後に生き続けなければならないわけですから.
(※ たぶん,記事で挙がったサイボウズ以外の多くの企業や役所も当てはまるでしょう)
パワハラ型の指導教員や体育会系の研究室に当たらなかったとしても,大学院生やポスドクの方を中心にメンタルを潰されてしまう事象は,研究者の方ならまず一度は見たり,話に聞いているでしょう.私も大学院でもメンタル潰されてしまったり,時に命にかかわる事例も聞きました.どうしても論文が書けなかったり,テニュア付きの就職ができなかったりすると「自分が無能ではないのか」とさいなまれやすくなりますし.
こういう方々が調子を損なったままで再出発するのは難しいですし,潰されるリスクがゼロではこれが日本の研究や経済活動を阻害しているというのは強く思います.いい大学を出て官庁やらいい企業に入った方でも同様でしょう.「メンタルヘルスの問題を放置すると莫大な経済損失を生むリスクがある」ということですね.
振り落とす側が寄り添う必要はないと思いますし,寄り添うこともできない(そういう人だから競争に勝てている側面はありますし)と思います.だからこそ適切にメンタルヘルスについての知識が広がって,こういう人たちが適切に対応できるようになっていくこと,社会的な仕組みが確立して広く知られるようになることを強く望みます.それは日本社会にとってもいいことであるはずです.

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