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「大東亜以下」メールでマイナビが謝罪 “学歴フィルター説”は否定
吉田 東洋(株)リクルート
「学歴で一部の学生が有利になることはない」
→「学歴で一部の学生が"不利"になることはない」とは言ってない。
足切り用フィルターなんだから、有利な人を生み出すんじゃなくて、不利な人を切るのが目的。ある意味間違ったことは言ってない笑
それにしても、「学歴でのスクリーニングは、採用側のコスト都合的にも、偏差値高める努力をしてきた学生のためにもあって当然」という考えをお持ちの方が多いのには驚きます。
大学受験を通して高めた能力とやらでスクリーニングをかけるのが非合理的だとみんなわかってるはずなのに、大学受験システム中心の就職ー教育構造を前提として今回の問題を捉えているのはいかがなものかと。
次のステップにあがる"手段"でしかない大学受験に若いときの貴重な時間を捧げさせてしまうから、子どもたちの成長幅を矮小化して成長方向を画一化して、結局偏差値や大学名で線引きをするしかない。この就職ー教育構造自体を批判的に捉える方が少ないのが残念でなりません。
「卒業後に自立できるように」存在感増す通信制高校
吉田 東洋(株)リクルート
通信制を、"普通"に対して適応できない人でも「高卒」までこぎつけられる逃げの一手、と捉える方が多いのですが、私は「生徒が逃げてる」というよりも「通信制高校がさらに窮地に追い込んでいる」と思っています。
なんとか「高卒」の条件を満たせればいいや、という気概の教員が多いから、文科省が規程を改正したりカリキュラムの明示を求めているのかと。
もっと一人ひとりの可能性を引き出したり、再起の方策を立てたりするという、"普通"とは違う努力が求められてるのに、全日制の廉価版教育に甘んじている教員がほとんどだな、と現場で見ていて感じます。
せっかく「個」であることが優遇される環境なのだから、もっと一人ひとりが自分なりの生き方を追求して自立していくような教育ができる体制が整うことを一教員として望みます。
地域主体の部活で検討会議 教員負担減、課も創設―スポーツ庁
吉田 東洋(株)リクルート
教員の負担減という意味では良策ですが課題が多いですね。
①部活に依存した競技力育成土壌を損なわずに移行できるか。
②指導者の専門性が加熱しすぎて生徒の自活能力を奪わないか。
(専門家が生徒の人格育成も忘れないような指導体制を作れるか。)
③学校としての色(強み)を失うところも出てくる。
(一律で地域の専門家に任せる、にするのではなくて、学校によっては部活動の形の継続もできた方が良いかもしれません。)
でも一方で期待できることもたくさんあります。
④地域の新たなコミュニティが形成される。
(多様なステークホルダーを巻き込めるから面白いことがたくさんできそう。)
⑤18歳からの急激な競技人口の減少を食い止められる。
⑥生徒が学校とは別の場で人間関係を構築できる。
①〜③の課題はやりようによってはきっちり解決できるはずで、制度自体はわりと機能的だと思うので、あとは狭い有識者枠だけでなく学校内外の様々な人たちが議論して制度構築できるようになれればベストですね。
「ブラック校則」で波紋 今の日本社会で、ツーブロックは本当に就職で不利なのか
吉田 東洋(株)リクルート
「ツーブロックにしたら遊んで勉強しなくなり不真面目になる」と謎論理を展開するとブラック校則ができるんですね。
色々と言いたいのですがその前に…現職教員として記事に補足しますが、高校宛にくる求人は、世間の潮流をキャッチして多様性を認めようとする大企業や意識高い企業ではなく保守的な企業がほとんどなんです。地元密着型の昔ながらの企業だったり細々とやっている中小・零細が多く、知名度ある会社だとしても大体小売の店舗販売員。当然ながら保守的な人たちが多い職場で、不寛容な人も相手に仕事をすることもあります。
茶髪で毛先巻きまくって前髪かきあげるギャルよりも黒髪の女の子の方が受け入れてもらいやすい性格をしている"傾向"がありますし、刈り上げ部分が目立ついかつい眉毛の人よりも無難なショートやマッシュの方が真面目な"傾向"があるから、ツーブロックがマイナスポイントとしてはたらく場合が一定数あるのです。
しかし、あくまで"傾向"は相関関係でしかなく、因果関係ではないはず。教員のほとんどはそのことを理解せずに、考えもなしに校則に無茶なことを盛り込んでしまう。「髪を巻く子染める子、スカートを短くする子は遊びまくって勉強を疎かにしている子が多いから、髪を染めたり加工したりスカートを短くすると成績が下がる」なんてバカな話があるわけがないのに、なぜかそのアホな思考がまかり通ってブラックな校則が出来上がってしまう。その土壌で育つから、多様性を受け入れる感受性が獲得しづらくなってしまい、またそういう保守的な大人が再生産されてしまいます。とても残念です。
無難な外見が受け入れられやすく顧客獲得がしやすいという界隈は、ダイバーシティの点では望ましくないけども、企業側にその層を排除する力はありませんよね。自分たちの売り上げに直結するでしょうから。世の中を変えるにはまずは教育からなのに…いつになったらこの連鎖が断ち切られるのか。
プロが警鐘「小学校低学年で入塾」させる親が子供の輝かしい未来を消すワケ
吉田 東洋(株)リクルート
焦って低学年時から入塾させたくなる親御さんの気持ちもわからなくはないのですが、そこに子ども自身の意思があるのかをぜひ考え直してほしいと思います。
子どもは環境やルールに適応する達人ですから、好実績の塾で環境的囲い込みをすれば、たしかにそれなりに成績は伸びます。でも、「適応」は囲った枠の域を出ない。出された課題をこなし、1〜2時間真面目に聞くだけの子になったらそれ以上の成長は見込めないのです。
それよりも、「勉強や読書は、たった5分でもいいからしなくてはならない。できるようになるまでは付き添ってあげる。」と環境・ルールを整えつつ、それでいて「勉強・読書にどう取り組むか、どう付き合うか」は子どもに選ばせる方がよっぽど子どもの成長を尊重できる。「楽しくなるように面白くなるように」「出来る自分になった時を喜べるように」とさまざまな選択肢を経験させて、いずれ目を離しても「今日はどんな方法で何をやろうかな」と子ども自身が5分(あるいはそれ以上の時間)の勉強・読書を自分事として捉えられるところまで持っていけたらほぼ勝ち確。
その意味で、当記事の筆者の5分習慣化は絶妙。
>>「結局、型にはめなくていいのが低学年。今のうちに自分のペースで好きなように、気持ちよく勉強させてあげることが重要です」
>>「歯磨きと同じく重要な習慣」だと体得させつつも、それがつらくて孤独な体験にならないよう、一緒に楽しみながらやること。この2つができるのが、まさに低学年。鉄は熱いうちに打つべきなのだ。
現職の教員として、「まさにそのとおりだな」と色んな子どもたちを見てきて思います。
低学年のうちから習慣化し、自分事として勉強・読書を捉えられれば、「必要だ」「やらなきゃ」と思った時に一日3時間でも8時間でもやり出します。最終的に受験を見据えてるのなら、塾の授業1〜2時間+課題の枠に無理矢理はめるのではなく、いずれ自主的に長時間有意義な勉強を自ら実践する子に育つように、丁寧に下地作りをしていくべきです。
教員免許更新制廃止へ 文科省、来年の法改正目指す 安倍政権導入
吉田 東洋(株)リクルート
現職の教員として「そもそもズレてるな」と一番感じるのは、教員免許が更新する価値のあるものなのかということ。教職課程講義と通過儀礼の教育実習さえパスすれば取れるザル資格なんだけどなぁ、と思います。現場の実情をわかってない大学教授の講義を受けて取った免許を、また同じような人の講義で更新しても指導力がアップデートされるわけがない。
資質向上を目的にしたいのなら、免許更新やオンライン講習ではなく、「①自己研鑽不要のぬるま湯環境」と「②本務に集中するための業務整理・効率化」、そして「③指導力向上の材料のオープンソース化」が必要。
①指導力不足の教員が授業→テストをして5段階評価をつけるというクローズなサイクルを学校という閉鎖的な空間で行っているから、自分の指導を他の教員と比べて省みる機会がない。(ひどい授業をしていようが、その中で生徒に評価5なり4なりをつけて体裁を整えるから、ダメさを自覚しなくて済んでしまっている。)もっと多くの教員が自分の指導力不足を実感するためにも、生徒に本当の実力がついているのかを確認するためにも、校内実施の定期テスト以上に外部試験を基準にするべき。
②準備→授業→フィードバック+改善点の模索…のサイクルを回して初めて授業の質が上がるのに、細かい業務が多すぎて「準備→実施」がいいとこ。授業や部活以外の業務が多すぎる。形骸化してる調査書やポートフォリオの作成、部活の会計報告、教育委員会提出用の書類、服務チェック書類、就学支援金や給付支援金の事務手続き、健康管理書類作成、などなど…。
③良い授業、わかりやすい動画、良質なワークシートなどに誰もがアクセスできる環境が整ってないから、たいして実力もない教員がゼロからそれらを作ろうと無駄な努力をしている。
このコメント欄で他の方もおっしゃってくださってるが、無駄がなくなった良かった」で済ませたら「形だけの研修すら無くなってしまった」で終わってしまい、本当に意味のない制度改革になってしまう。「代わりに何をするの?」がなかったら、そもそもの発端の「教員の資質向上」という目的を達成できなくなってしまうのではないだろうか。免許更新の廃止自体は個人的に賛成だが、問題課題そのものも流してしまうのはいかがなものか。
NORMAL
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