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戦国武将の「イタさ」を知るということ【時空ミステリー戦国編】
NewsPicks Studios
川田 大NewsPicks Studios WEEKLY OCHIAI プロデューサー
【配信後記】 本郷節、いかがでしたか?私はファンになりました。専門のど真ん中は鎌倉時代だそうですが、戦国時代の著書が多いのは「鎌倉時代の本を書いても全然売れない」との事情があるそうです。再び出演していただけるので、ぜひお楽しみに!上杉謙信の子供の頃の生首エピソード、驚きましたね。それがきっかけでますます父親に嫌われたのは切ないの一言です。上司にしたい1位の信長。先生曰く“完全なる厨二病”だったそうで、仮に本当に上司になれば部下の多くが首をはねられることになるといいます。100人のうち10人は残って出世するだろうとのことです。一方、直筆の文字から信長の教養の高さが読み取れ、逆に秀吉はひらがなしか書けなかったそうです。それでものし上がれたのは「学ぶは真似ぶ」に長けていたからだといいます。戦国時代は題材が多い分、小説化しやすいためその前提を崩すのが本郷さん自身も大変だったそうですが、事実をまとめるにも、例えば鎌倉時代の1年分をカバーするのに10年…時代が進むほど資料が多くなるためさらに途方もない歳月がかかる…貴重な資料がネットオークションに出たり、偽書が出回るなどの問題もあるようです。ちなみに有名だけど大河ドラマにならない武将は“大人の事情”が絡む人物だそうです。ぜひご覧ください。 ****** よく「戦国武将のここを学べ」「ここをビジネスに活かせ」といった本を見かけますよね。それだけ戦国時代が人気だという裏返しなのでしょうが、もし学びというものがあるとすれば「失敗」にこそ本質があるのではないか…ということで今回は、戦国武将の「イタい」ところ、今風に言えば本人にとっての「黒歴史」を取り上げたいと思います。個人的に気になっているのが、歴史上の人物とどう向き合う必要があるのかという点で、例えばZ世代が上司にしたい歴史上の人物ランキング。1位に織田信長(ちなみに2位が卑弥呼…)が選ばれていて、おそらくずば抜けたリーダーシップのある「革命児」というイメージが根強いからなのでしょうが、非常に残虐な面を持ち合わせていたのも確かで、今の時代であればパワハラなんてものでは済まないことでしょう。なぜこの時代に惹かれるのか?歴史をどう受け止めることが大切なのか?人類編から始まった歴史シリーズはもう戦国時代まできました。ここからは歴史を学ぶとは何かを皆様と考えていけたらと思います。
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「全人類イルカ計画」
NewsPicks Studios
川田 大NewsPicks Studios WEEKLY OCHIAI プロデューサー
「人は見た目が9割」という本がかつて話題になりましたよね。今はルッキズムに対する批判の声が上がる時代ですが、人間が多くの情報を視覚に頼っているのは事実だと言えます。実際「百聞は一見にしかず」という諺も存在します。しかし、目ばかりで判断しがちな人間に対し、こう囁いている動物もいるかもしれません。 「不思議だねぇ人間は。見た目にだまされちゃってるよ。」 聴覚が非常に発達しエコーロケーションという能力で対象物の情報を取得するイルカは世界を「耳で見ている」といいます。 動物の中でも高い知性を持つとされるイルカは世界はどう映るのか?どのような“言語”で情報伝達しているのか?鳴音の研究をされている森阪先生にイルカ研究の最前線を話していただきます。そして落合さんの「人類を全員イルカにしたい」の意味とは?ぜひお楽しみに! 【配信後記】 御蔵島の海中映像、綺麗でしたね。イルカはあんなに近寄ってくれるんですね。 行ってみたくなりました。 仲間との会話に使うホイッスル、軋むような音を発し跳ね返ってくる音で対象の位置や大きさを知るクリックスなど、イルカがいかに「耳で見て」生活しているかお分かりになったと思います。しかも“1秒ルール”のもとで…。 種類によって違うそうですが、イルカは離合集散社会を形成していて、そこが人間にとても似ているとのことです。一方で天敵のシャチはおばあちゃん中心の母系集団を形成しているといいます。イルカの「サボり」。例えば横に並んで泳ぐ時、前方確認のために音を発するのは1頭だけで、他のイルカたちは聞いているだけという様子が見られるといい、それが支え合いからきている行動なのかなと思うと「サボりあって行こうぜ」と言いたくなりますよね。一方、謎も多く、例えば配信後の先生の話によると、オス同士で交尾するような行動もとるそうで理由はよくわかっていないとのことです。驚いたのは、イルカには鼻がない、つまり嗅覚がなく、さらに味覚もない。食べる喜びはどう感じているのか気になりました。人間が溺れそうになった際に、イルカに助けられたという話は結構ありますが、イルカの出産時の「ある習性」に関係しているそうで、もしイルカに救助されたいならバチャバチャ暴れまくると良いかもとのことです。ちなみに落合さんの人類をイルカにしたいという発言は、ネット以後の世界と関連した話でした。ぜひご覧ください。
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日本語に謎が多くて、ごめん遊ばせ【知の先駆者たち:役割語編】
NewsPicks Studios
川田 大NewsPicks Studios WEEKLY OCHIAI プロデューサー
【配信後記】 好奇心と熟考を行き来する対談でした!老人語の「じゃ」はもともと上方(京都周辺)の言葉で、江戸後期になると「俺たちは江戸っ子だ」の意識が広まり「じゃvsだ」の世代対立を見せていたという話は、どの時代も世代間ギャップはあるんだなと興味深かったです。金水先生が話した通り、日本人が子供の頃に接する代表的作品といえばアンパンマン。「ジャムおじさんやバタ子さんを見てわかるが、めちゃくちゃ役割語を再生産している」そうで、日本人がごく自然に受け入れているのは当然の事なんですね。今では、のじゃロリやロリババアが登場するまでになり、役割語も時代と共に変化しているというわけです。 あのちゃんの“ぼく”から性差の考察に移りましたが、女性の方が一人称を表す言葉が少ない事から「リミッターであり呪いだ」と話されていたのは印象的でした。また自分をあだ名で呼ぶ人について、日本には幼さが得をするという価値観があるとの指摘は考えさせられました。一方、外国語の和訳同様、日本語から英語の場合も違和感のあるケースが存在し、例えば「吾輩は猫である」が「I am a cat」。意味を全部排除してるじゃねーかwと思ってしまいました。役割語は日本語の豊かさの表れの一方で呪い。確かに二面性はありますが、その時々で折り合いをつける事が大切なのだと思います。これは日本人の得意分野ではないでしょうか。 他にも、マイフェアレディと英語の役割語・たまえ・千と千尋のハクと神様語・イヤミの口調・なんちゃって中国語と「のらくろ」、鳥山明とキョンシー・AIと役割語 ぜひご覧ください! *** 「お願いですから元気をお出しになって」 「このオラにほんのちょっとずつだけ元気をわけてくれ」 「じゃが、もう十分じゃ」 日本人なら、なぜか話者の性別や人物像まで想像できてしまう。考えてみれば、奇妙なことですよね。このように特定のキャラクターと結びつけられる言葉遣いを「役割語」と名付けたのが金水さんです。 日本語の表現が多様であり特にアニメや漫画では話し方でキャラの個性が引き立つ素晴らしい面がある一方、外国語の邦訳においては偏見につながるとの指摘もあります。セクシャリティや差別を考慮することは大切ですが、もしアガサ博士や悟空やお嬢様が同じ口調で喋りだしたら…どうなんでしょう。文化的側面とステレオタイプ、皆様と考えられたらと思います。
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僕らの祖先は強烈すぎる【時空ミステリー 室町編】
NewsPicks Studios
川田 大NewsPicks Studios WEEKLY OCHIAI プロデューサー
【配信後記】 教科書に載らない室町の「真の姿」、いかがでしたか?時代背景が異なれば、色々な面で現代とは違うと想像はしていましたが、はるか上をいっていました。室町のメンタリティ、衝撃の一言です。一方「現代のスマホは中世の刀」という話が出ましたが、そう考えると今は室町以上に「武装社会」と言えるかもしれません。SNSは、皆が切りつけあっているような様相を呈しているとも言えます。戦が多く、飢饉に瀕した時代とは言え“間引き”が当たり前に行われ、娘と息子で扱いも違う。解死人という身代わりの話や、今の日本語にはない英語でいうところの「Mother F*****」にあたる言葉が存在した事実にも驚きました。 現代に至るまでには様々な歴史的経緯がありますが、清水先生の言うように、徳川の安定期は生きることが苦しい世の中を変えたいという願いの結果とも言え、この先の日本や世界がどのような姿になるかは、私たちの願いにかかっているかもしれませんね。 ショックが大きい話もありましたが、そんな室町から学べることがあるとすれば、このようなところだと思います。 ・白黒つけない・事実を突き詰めずにどちらも悪いは負の遺産・自力救済・ボトムアップで下からの突き上げ・組織との距離 日本の課題に対する答えは日本にある。 ぜひシリーズでご覧ください。 ***** 命の価値が非常に軽いが故に、常に身の危険に晒され、人身売買も横行し、罵詈雑言も飛び交う。そんな環境で生きていかなくてはならないとしたら、もちろん嫌ですよね。実はそんな国が存在し、しかもそれがこの日本だったと聞いたら驚かれる人も多いのではないでしょうか。時は中世、戦国武将が台頭する一歩手前の時代。久しぶりの歴史シリーズ「室町編」として、ハードボイルドに生きていかなくてはならない時代のサバイブ術を送りいたします。びっくりするような信じられないマインドが満載で、非常に興味深かったです。ざっくりとした目次を事前にご紹介します。 ・“ほぼ全員武装”の時代背景 ・決着の付け方と呪術 ・えげつない悪口、母親の性に関する“スラング” ・身代わりと多数決 ・死生観と家族観 ・現代に生きる室町 価値観や道徳の違いをどう受け止めるか。皆様と一緒に考えていけたらと思います。落合さんは現在タラ号に乗船中のため今回は収録です。ライブコメントからの質問はお休みいたします。
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植松伸夫が奏でたFFの世界
NewsPicks Studios
川田 大NewsPicks Studios WEEKLY OCHIAI プロデューサー
【配信後記】 日付が変わってもう発売日ですね!植松さんが快活にお話をされる方で、色々ぶっちゃけていただき「えーそうなの?」というエピソード満載で、とても楽しかったです。 ・ザナルカンドの曲はFF用ではなかった ・初代「FF」当時の社長は「音楽はユーミンかサザンにやらせろ」と言っていた ・「ビックブリッヂの死闘」は好きじゃない ・昔は容量不足で「誰か!2バイトくれない?」という声が飛び交った ・毎朝セフィロスのことを考え苦労しつつ楽しく作った「片翼の天使」は  社内で不評。でも「何度も聞いてりゃわかるから!」と押し切った ・FF2以降は毎回すぎやまこういちさんから電話が… などなど さらに生きる上で、とくに仕事への向き合い方にヒントになる言葉がたくさん登場しました。 ・音楽や楽器を学んだ経験はない。でも音楽で人を喜ばせたかった ・3つの電子音しかないという制限があるから、楽しかった ・なぜ面白いゲーム音楽が生まれないのか。  ディレクターやプロデューサーにも問題がある。  映画音楽みたいなことをやっていれば奴らは満足する。  俺にしかできない事は何か?探さないと。 ・何に怒って何に泣いて、どんな人生を送ったか全て音楽にでる。 情報が多すぎて、ある種の“正解”が転がりまくっている時代だからこそ“自分を掘り下げる”ことが大切なのですね。自分を信じて生きたいですね。最後のボードの一言が、言えるような人生を送りたいと思いました。 **** 大ヒット作「FF7」のリメイクプロジェクト第2弾「FFⅦリバース」がついに明日発売です。 FFといえば、シリーズを通して常に最高のグラフィックスやストーリーで多くの人を惹きつけてきましたが、重要なのがやはり音楽です。私は選べと言われたら困るのですが、FF4の曲はすべて好きです。ボスや四天王からワールマップのBGMまで全部かっこいいですし、FF5の「ビッグブリッヂ」は今聞いても痺れます。そんな中でもFFの「メインテーマ」はやはり特別ですね。 FFシリーズの楽曲を手掛けてきたのが「ゲーム音楽の巨匠」植松伸夫さんです。数々の名曲はどのように生み出されたのか?「FFⅦリバース」のテーマソングに込めた思いとは?何を大切にして歩んできたのか?皆様にとって貴重な機会になるかと思いますので、ぜひライブコメントから質問をお寄せください。
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ヒトの設計図は何を創造するのか?【知の先駆者たち:ゲノム編】
NewsPicks Studios
川田 大NewsPicks Studios WEEKLY OCHIAI プロデューサー
【配信後記】 ゲノムが解読できるようになり、チンパンジーと人間がおよそ1%しか相違がないという生物的違いや、病気の原因を体系的に考えられるようになったとのことですが、今やゲノム編集という狙ったものだけを正確に操作できる技術の活用まで進み、例えば、アレルギー物質のない食品を作り出せたり、エイズに感染させないよう遺伝情報を書き換えて赤ちゃんを誕生させたりすることまでできる。あらゆる困難の克服や市場の拡大に寄与する一方、逆に言えば、そこまでできるいうことは「何でもできてしまう」ということです。見た目や性格、能力までも操作可能で、落合さんの言う「ピンク色のマルチーズ」が闊歩する世界像も本当にくるかもしれません。 「何でもゲノム編集してOKという世界はどうなるか?」 「それは、破滅ですよ」 先生曰く、色んなウイルスや生物が虎視眈々と自分の居場所を狙っている。何でもOKは生物種の生存戦略としては危険で、それはなぜか?キーワードは「多様性」と「共生」だそうです。詳しくはぜひご覧ください。 ・現代人は背広を着た縄文人 ・腸内細菌の重要性 ・RNAワクチンは、もともと誰も相手にしていなかった ・科学は“奇人・変人”の丹念 ・先生から落合さんへの逆質問「AIは第六感を描けるか」 これらの話題も、とても面白かったです。 ***** 生成AI「Sora」、ぶったまげたという方は決して少なくないと思います。急速な速さで目覚ましい発展を遂げているAIですが、実はこのAIに匹敵するインパクトを持つとされ、急激に活用が広まっている分野があります。それが「ゲノム編集」です。ヒトのゲノムが解読されて今年で21年になりますが、このプロジェクトの日本代表としてチームを率いたのが、今回のゲスト、榊佳之先生です。遺伝情報を編集するという技術は、病の克服などに期待される一方で「人類を滅亡に導く兵器にもなりうる」と榊先生は警鐘を鳴らしています。性格や特徴、個性ですらあらゆることが編集可能になる未来の到来を想像できますが、私たちはこの「究極の個人情報」をめぐる技術とどう向き合えばいいのか?ヒトの“設計図であり歴史書である”ゲノムの深淵に迫ります。 歴史を深ぼるシリーズ「時空ミステリー」に続き、 日本の研究分野におけるパイオニアたちが登場する 〈シリーズ「知の先駆者たち」〉がスタートします。 ぜひ楽しみに!
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能楽に隠された「日本の鼓動」
NewsPicks Studios
川田 大NewsPicks Studios WEEKLY OCHIAI プロデューサー
【配信後記】 大倉さんによる小鼓の生演奏。あれほどの迫力とは…柔らかい表情を一転させ演奏する姿、本当にかっこよかったです。「小包からの小鼓」に始まり、音の出し方、タンポポと芸人、麻縄を巻く由来など、実演で解説していただきました。田植えの原風景が、お囃子の演奏の中で女性たちがオシャレをする晴れの場、いわばダンスパーティーようだったというのは面白かったです。歴史を紐解くと、仏教をはじめとする外来文化が入って発展してきた日本ですが、能楽も源流を辿れば大陸からの散楽で、日本由来と外国由来の文化が対立しても結果的にうまく融合させる。まさに「和をもって貴し」の精神を大切にしてきたのが能楽で、私はここに日本の鼓動があると思いました。鼓が自然界の音をお手本にしなさいという心得があるというのも、日本人として大切にしたい自然観ですね。 おじいさんがにっこり笑っている翁の能面。自分が歳とった笑える未来の姿であり、その笑顔で天下泰平や五穀豊穣を願ってしまう。笑顔にはすごいパワーがあるのです。老害ではなく、ぜひニコニコ年寄りを目指したいものですね。 人生楽ありゃ苦もある、失敗や争いで人生が狂い、鬼にもなってしまう。でも、そこには救いもあると伝える能楽。ぜひ舞台に足を運んでみてください。ちなみに、鑑賞時に爆睡してもOKだそうです! **** 今回は『人間国宝』正式には重要無形文化財保持者、能楽の小鼓方大倉流十六世宗家、大倉源次郎さんがNPに初登場です。 「実は隠された日本の姿がある」 私たち日本人は、日本がどういう国なのか、うまく説明できなかったり、もっと言えば「日本好きの外国人」よりも日本のことを知らなかったりするケースありませんか?日本人だという自覚があり日本語を使って仕事をして生きているのに、これでいいのかという思いがあり、皆でより深めたいとWOでは「時空ミステリー」という歴史シリーズをお送りしているわけですが、今回は視点を変え、日本の藝能としてはかなり長い歴史を持つ「能楽」に迫ります。能楽には「ダヴィンチコード」ならぬ「世阿弥コード」が潜んでいるといいます。大倉さんは国内外に能楽の魅力を伝えようと活動しているといいますが、そこには“「秘すれば花」では伝わらない”との思いがあるそうです。隠された古代からDNAとは?日本が日本であり続けるには?個人的には生演奏、とても楽しみにしています。
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「ボヘミアンな科学者」の遺言状
NewsPicks Studios
川田 大NewsPicks Studios WEEKLY OCHIAI プロデューサー
【配信後記】 学者として専門を変えまくり、“今”興味のある研究に打ち込む。ベイトソンがボヘミアンという言葉がピッタリの人物だとわかっていただけたと思います。イルカに英語を教えようとしたという話は、さすがに驚きました。ボヘミアン的な生き方は、なぜ今こうも難しくなってしまったのでしょうね。 面白かったのは、動物の“うそっこケンカ”のお話。歯を剥き出す姿勢は「噛みつくぞ」というサインであるが、「遊びだよ」という場合も同じサインのため、真の意味は表面に見えるものと異なる、というのは人間も同じですね。大事なのはコンテクスト。「嬉しい」や「悲しい」の言葉そのものよりも、言葉を裏付ける文脈を解釈することが必要だということです。だからこそSNSやメールは本当に注意が必要だと感じました。精神が単体としてあるのではなく、周囲の環境と一つのユニットを組んでいると考えると、問題解決も複合的に捉えることが大切で「全てがこの手にある」「全ての結果と原因はあなたにある」は驕った考え方のように感じました。ベイトソンが私たちに伝えた事、ぜひ感じ取っていただけたらと思います。 *** 「我思うゆえに我あり」 この有名すぎる言葉を残したデカルト。二元論的世界観を提唱した人物で、理性によって主観や感情から切り離された「客観的な真実」を見出せるという「合理主義」に基づいた考え方の持ち主として知られています。今では基礎となる考え方の一つですが、最近職場の人から「自分は客観的に仕事をしている」と言われ、私は何か違和感のようなものを感じてしまったのです。その人の仕事が、データや根拠に必ずしも基づいていない事は別として、さも「客観的だから自分は正しい」と話す様子がとても不思議に見えたのです。私の中で湧き上がったのは、人は完全に客観的になれるのか、という疑問でした。実は、客観的な知識や情報は、人の解釈や文脈に依存するため、純粋な客観性は存在しないとした人がいます。それがベイトソンです。「朴訥で鋭敏、ラフなスタイルで鋭い裸眼を光らせる、刑事コロンボを科学者にしたみたいな男」。あらゆる物事を理解するのに大切なのが「つながり、関係、相互作用」だと説いた人で、局所的な正解を即座に求めたがる節が強い今こそ、とても大切なアプローチだと私は思うのです。亡くなって40年以上たった今「ボヘミアンな科学者」が残したことは何かに迫ります。
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緊急!母親をアップデートせよ2
NewsPicks Studios
川田 大NewsPicks Studios WEEKLY OCHIAI プロデューサー
【配信後記】 まだまだ世間では『良い母親像とは?』「母親はこうあるべきでは?」という考えが根強く、地域との関係が薄れている今の時代では、身近なところから労いもアドバイスももらえない…そうなると、ますます不安を募らせ、自分を責めることを繰り返し「孤独」になってしまう。そう、母親は「孤独」になってしまっているのです。だからこそ、悩みを受け止めてもらえ、しかも否定もされない居場所が大切で、この意味で「母親アップデートコミュニティ」は非常に大切な“場”となっているわけですね。出演していただいた母親たちの悩みに対し、高濱さんには「圧倒的、高濱力」見せていただきました!ありがとうございます。 「自分が楽しんでいる姿を見せることが、子供に良い影響を与える」 「好きを我慢させない」「素直で健康に育つ事が一番大事」 「比較は不幸の始まりです」 落合さんがかつて「僕とウサイン・ボルトは10秒しか変わらないんです」と話したことがあります。人種の違いにおいてもゲノムでは0.1%しか違いがなく、99.9%は同じなのです。少しの違いが気になってしまうものかもしれませんが、言ってしまえば、比較しても仕方がないものだということです。なので、仕事でも趣味でもなんでも良いのですが、高濱さんがおっしゃったように、まずは自分が精一杯に楽しむことから始めることが大切なのだと思いました。と、書いているうちに懐かしい曲を思い出しました。 「君が 君でいることが とても美しい   忘れないでいて 目の前の 君こそ我が誇り DEAR WOMAN」     by SMAP ***** 今回の企画、懐かしいと思う方も多いかもしれません。5年前のシーズン2で配信した「母親をアップデートせよ」の2をやります。家庭環境の変化、とくに最近は中学受験者数が過去最多になるなど、子育てや教育を巡ってライフステージに合わせた悩みや不安は尽きないものだと思います。かつての世の中に比べたら、すいぶん多様な生き方が推奨されるようになりましたが、まだまだ課題も多いのではないか。どの時代も悩み多き母親たちが生きやすい社会になれば、皆が生きやすくなる社会になるのではないか、そんな風に思っています。ライブコメントから質問できますので、ぜひお母さんやお父さん、もちろんそうでない方も、高濱さんに悩みをぶつける機会にしていただけたらと思います。
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きみと僕は何者なのか?
NewsPicks Studios
川田 大NewsPicks Studios WEEKLY OCHIAI プロデューサー
【配信後記】 「落合さんに挑戦状」という言葉が出るピリッとした場面もある白熱した対談でした。AIと資本主義の話から始まり「そもそも日本人にアイデンティティが必要か」という議論になる予想外の展開でしたが、しっかりテーマを回収する面白い対談でした。日本人が何者か、今後どうすれば良いか、きっと皆様に伝わったと思います。福沢諭吉がアメリカで、討論後に与野党が一緒にランチする姿を見て大変驚いたそうですが、これは日本だと意見の対立=暗殺が常識だったためで、つまり明治とはこうした大きな違いを乗り越えようとして近代化に邁進した時代だったわけです。思想家たちは失われたものがあるのではないかと過去を回帰して“苦悩“したわけですが、これは“過剰”に過去に戻ろうとしたから“苦悩”が生じたとも言え、配信後に先﨑さんが語った「三島由紀夫が体づくりに励んだのは老化に耐えられず、若さを取り戻そうとしたのでは」という見解は、まさに的確な例えで、経済についても良かった時代を「取り戻す」に囚われては苦痛になってしまうのです。弥生時代から日本が何を契機に発展してきたか、ここに答えがあるようです。「失われた30年」の打開にもつながるかもしれません。歴史を“柔らかく”遡る事は大切なので、理解を深める意味でも「時空シリーズ」と合わせてご覧ください。 *** 生きづらい、不安。日経平均株価が上昇し4万円台も夢ではないという論調まで登場する中、それでもネットに溢れかえっているのが冒頭に記した言葉ではないでしょうか。もちろん株価が上がったとて景気が回復するわけでないのですが、この国を長い間、悲壮感が覆っているのはなぜか?経済が何十年も失われているからという単純な理由ではなく、むしろ経済の“調子”に左右されすぎているからかもしれません。 “確かに戦後…経済的な繁栄は奇妙な自信を私たちにあたえ、自尊心をくすぐった時期もあったかもしれない。だがその自己肯定感は、経済が失速すれば不安に陥るだけの束の間の自信であった。その自信を失いかけている今…自らが心の「主」をもっていないことに気がつき、動揺しているのである” これは今回のゲスト、先﨑さんの言葉です。では「主」とは何か?ヒントは激動の変化の中で日本社会の基礎ができた近代にあるといいます。僕たちは今、何者なのか?近代の思想家たちがどう日本を見たかという視点から迫ります。
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松岡正剛の人生と編集工学
NewsPicks Studios
川田 大NewsPicks Studios WEEKLY OCHIAI プロデューサー
【配信後記】 松岡さん、めちゃくちゃ格好よかったですね!顔のヨリがいつもより多かったのは、カメラマンたちも同じように感じていたという証です。さて対談は脳がフル回転の79分でしたね。思考がどう変化して結果が導き出されたのか、つまり編集の「過程」がどう進んだか。これを工学的に捉え「日常生活、生物の進化、戦争などバラバラに起こっているようにみえることに、実は共通点があるのでは?」を追求するのが編集工学というわけです。色んな意味で“結果”が重視される世の中ですが、本質は過程にあるということです。 「エラーが大事」「緻密にしてしまうと失うものがある(偶有的に生まれたものを失う)」「日本という方法」「日本からアナーキーなものがなくなった」「日本人は勤勉なふりをしている」「稼ぎと務めは本来、別なもの」「遊び(冗長度)が必要」「古代日本に1は無かった。3は2より断然いい」「死があって生がある」「面影をどう再来させるか」「少数なれど熟したり」 そして落合さんからの最後の質問「40歳の自分にアドバイスを一言」。自分の最後の仕事についてと前置きした上で答えてくれた松岡さん。自分が惹かれたものに行動を起こす、私はそれが大切なのだと感じとりました。 ****** 「知の巨匠」編集工学者の松岡正剛さんがWEEKLY OCHIAIに初登場です。「編集」と聞くと一部の職業の人の手によって行われるものというイメージがありますが、実は私たち人間の活動にひそむ最も基本的な情報技術だといいます。松岡さんの著書によると、多岐にわたる現象に編集はダイナミックに働いていて、ごくわかりやすく言えば、私たちのアタマの中で起こっていることの多くが編集的だと指摘しています。言うまでもありませんが、今は情報が溢れすぎている時代です。だからこそ多様な考え方に即座に触れることができるとも言えますが、向き合い方が難しい面もありますよね。振り回されて、慌ただしいというか、苦しんでいる人すらいると思います。「情報の大海原」を“もっと面白く生きるための泳法“が松岡さんが研究する「編集工学」なのだといいます。編集工学とは何か?“人間というものが、なぜ根源的な「編集の冒険」をしなければならないのか”?今後ますます身近になる生成AIについて、どのように捉えているのか?松岡さんの人生、いま伝えたいことなど、様々な話を聞けたらと思います。
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僕たちは「大変化」を前に何ができるのか?
NewsPicks Studios
川田 大NewsPicks Studios WEEKLY OCHIAI プロデューサー
【配信後記】 「2024年は身体化AIの年になる」 びっくりするほど多くの方に視聴していただきました。災害におけるテクノロジーの話から「ここ2週間でロボティクスが進化している」という話題に移りましたが、落合さんをして「ぶったまげた」と言わしめるすごい映像が出ましたね。卵の扱いや調理器具の使い方など、繊細さが必要なタスクや人間用のUIをロボットが見事に使う様子を見て、私はAIと人間が共存する世界をはっきりとイメージできました。(しかもあのロボットはオープンソースでローコスト)落合さん曰く2024年はこの領域が盛り上がるとの事です。一方、安宅さんが「あと10年くらいでラピュタのロボットが作れそうですね」と語ったのには考えさせられました。AIやロボットを“良い事だけに”利用する世界であってほしいですね。こうした「大変化」の時代に私たちはいるわけですが、何が大切なのか。安宅さんが指摘したこんな言葉がヒントだと思います。 ・ひとり遊び能力 ・謎の質感を愛でるフェティッシュな感覚 ・ひとり遊び能力が身につく機会がなかった場合は「つなぎ」能力 見栄えが良く人に自慢できる”好き”である必要はないわけです。詳しくはぜひご覧ください。 **** 2024年の始まり、ショックを受けたという方はかなりいるのではないでしょうか。能登半島を震源とする地震において、被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。今も余震など予断を許さない状況が続いています。しかも、この寒い時期です。どうかお体に気をつけて安全に過ごしていただくよう切に願っていますし、1日でも早く平穏な日々が戻ることを心からお祈り申し上げます。 今年最初のレギュラー配信のゲストは、富山への帰省中に地震に遭い、現地から情報発信を続けた安宅さんです。日本は災害がいつどこで起きるかわからない国で、日常が大きく変わってしまう事態は誰にでも直面しうると改めて再認識させられました。今年は国際情勢においても懸念のある一年でもあります。変わってほしくないことも多い世の中ですが、希望が持てる「変化」があるとすれば、それはきっとAIをめぐる動向だと思います。 「皆が喜びに溢れていると思える1年になって欲しい」 これは年始に落合さんが口にした言葉です。今後どんな心がけが大切になるのか?落合さん、安宅さんからヒントを得られたらと思います。
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2024年 WEEKLY OCHIAIから「あなた」へ
NewsPicks Studios
川田 大NewsPicks Studios WEEKLY OCHIAI プロデューサー
2024年、新年あけましておめでとうございます! 今年も多くの方と一緒に年越しができて嬉しかったです。 ライブに参加していただいた皆様、本当にありがとうございました。 WEEKLY OCHIAIは今年も様々なテーマでお送りできたらと思いますので、ぜひ楽しみにしていてくださいね。これまでも、この“様々”というところを大事にしてきましたが、テーマに多様さを持たせているが故に、回によっては、例えば、タイトルを見て、何だか興味関心のど真ん中ではないテーマだなぁ、なんて思う時もあるかもしれません。しかし、そう思った回ほど「観て良かった」となるのが、この番組の不思議で面白いところです。新しい発見やヒントは、自分の環世界の少し外にあるものです。自分の中に閉じこもりやすいご時世だからこそ、落合さんの言った「新しい視点」という言葉をこれからも大切にしていきたいと思います。 去年はどの回が一番良かったか、特に選べないラインナップだったと思います。 お越しいただいたゲストの皆様一人一人には、心より感謝しております。 お正月休みは、ぜひイッキ見する機会にしてくださいね。 2024年のレギュラー配信、初回は1月10日です!ゲストはいったい誰でしょう。 落合さんはこの方について「やっぱり○○さんじゃないと、新年を迎えた感じがしない」とおっしゃっていました。 *********** 2024年1月1日、今年もやります! 年越しを家族や大切な方と過ごされる方、 仕事の都合や何かの事情でお一人で過ごされる方、皆様それぞれに個々の年越しがあると思います。 しかし、どんなに置かれた状況は違くても、元日は「いい一年でありますように」という願いを皆が込める日で、 この意味で私は一年で一番、清らかな1日だと思っています。 皆様と日付が変わった瞬間に、新年のご挨拶をしたいと思っておりますので、 多くの人と喜びの共有をしたいという方は、ぜひライブでご参加いただけたらと思います。 改めまして、今年一年間、WOをご覧いただき、ありがとうございました。 2024年1月1日午前0時、お待ち申し上げております。
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