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【超解説】今知っておきたい、ESGの「本当のこと」
Komine Shinji環境・サステナビリティコンサル | 欧州MBA
“ESGは企業のプラクティスを変えるのか?
少なくとも、まだ直接的には変えていない。”
には違和感があります。少なくとも一緒に仕事をさせていただいたいくつもの会社は、実際に投資家からのコミュニケーションを起点としてプラクティスを変え組織文化を変えようと努力してきています。
またグリーンウォッシュやSDGsウォッシュと呼ばれるような動きを十把一絡げに批判するのも考えものと思います。サステナビリティを企業戦略に組み込むのには、移行期が存在するからです。既存の(環境社会的負荷が高いであろう)事業と、新たなよりサステナビリティに寄与する事業や取り組みが併存する時期があり得ます。大事なのはマーケティング戦略に利用しているのかそうではないのかではなく、本気なのかどうかです。
そのビジネスと投資がグリーンか?そうではないか?については標準化が進みつつあります。代表がEUタクソノミーです。気候変動の緩和やサーキュラーエコノミーへの移行に寄与するか?環境・社会に悪影響を与えないか?EUサステナブルファイナンスのスクリーニング基準をクリアしているか?などの基準によって経済活動をと投資活動を分類するものです。この標準化が世界中で進み、ESGの基準が明確化され、それによってさらに拡大していくことは間違いないでしょう。
ファッション業界の新たなスタンダード「リジェネレーティブ」の取り組み続々、ノースフェイスやティンバーランドなど
Komine Shinji環境・サステナビリティコンサル | 欧州MBA
アパレルは環境負荷の高さが指摘され、変化が求められています。
また服一着の製造に数千リットルの水が使われていたり、環境への依存度が高い業界でもあります。環境負荷を下げる取り組みは自分の事業が自分の首を絞める構造から抜け出すために必須と言えます。
特にノースフェイスやティンバーランドなどのブランドはメインの顧客層が自然好き・環境意識が高いことが考えられ、リジェネレーティブのようなより積極的な取り組みは顧客ロイヤリティの向上や新規顧客の取り込みにも効果的なのではないでしょうか。
さらにCO2排出量の側面で言えば、カーボンネガティブを実現しておくことは炭素税や排出権取引が本格化した際に非常に有利になります。
「利益」とは何か 環境と人が促す再定義
Komine Shinji環境・サステナビリティコンサル | 欧州MBA
資本主義は史上最も広がった宗教、と形容されることがあります。資本主義が宗教だとするならば、今はまさに宗教改革の時代の入り口にあるといっていいでしょう。
外部経済の内部化は、確実な流れだと思います。廃棄物の分野はその意味で先行していると思います。19世紀後半〜20世紀前半、有価物化できない廃棄物をその辺に投棄することは、日本でも普通でした。つまり廃棄物処理費用は外部化されていました。それが伝染病を媒介したり、公衆衛生を損なってきたので、法律ができ規制されるようになりました。今、企業は自社の廃棄物処理に責任を負い、その費用は製品やサービスに反映されています。つまり内部化されています。
そして今、温室効果ガスの排出がもっと大きな規模で公衆衛生を毀損し、野放図な農地拡大が生物多様性を崩し、社会的利益を損なっていることが確実になっています。廃棄物と同様、外部経済が早晩許されなくなるのは確実だと思います。
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