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顔写真だけで認知症判定…AI活用、正答率は9割
内田 由紀子京都大学 こころの未来研究センター 教授
これからの発展が期待できる研究。ほかの診断と組み合わせることで見落としのチェックなどに活用できるようになるかもしれない。個人的には目の情報が重要かと思っていたが、顔の部位による違いは顕著ではなく、むしろ下半分の情報のほうが良い成績を導いたということにも関心を惹かれた。
日本の大学は安い?米国は私大で年3万5000ドルが相場、高騰学費は社会の分断加速
内田 由紀子京都大学 こころの未来研究センター 教授
教育投資コストとそれによる卒業後の収入というものの関係性ということが見落とせません。対価に見合う収入が保証されるならば、ローンを組んでも行きたいという向きもあるでしょう。しかしアメリカではそれにより親世代の収入格差が子供世代の将来収入を決める、いわゆる格差の再生産が「極めて強く」起こりやすい状況です。日本ではアメリカほど格差と分断の方向には加速されない方向で給付型奨学金が導入されましたが、それでもトップ校に来る学生の親の年収や学歴は高いという現象は特に近年は確固たるものとなってきました。
日本の場合は大学の学費だけではなく、良い大学に進学するための投資がもっと早い段階(中学入試のための塾通い、私立の中高一貫校への学費)という形でかかってきているということが背景にあると思います。したがって大学の学費だけのピンポイントの問題では論じにくいのが日本の現状です。
【プレゼント】プロピッカーの書籍を70名様に!
内田 由紀子京都大学 こころの未来研究センター 教授
拙著「これからの幸福について:文化的幸福観のすすめ」をご紹介いただき有難うございました。2020年5月に発行されたものです。
この書籍は「幸福になりたい」人のための本ではなく、「幸福とは何だろう」と考えていただくようなものを目指して執筆しました。
文化と幸福の関係、個人の幸福と社会の幸福のバランス。これまで「幸福」は個人が獲得すべきものであるという「獲得志向」で定義されてきましたが、こうした発想は北米を中心とする資本主義市場経済によって支えられ、さらにはグローバリゼーションで多くの国で受け入れられるようになりました。
しかしながらこのコロナ禍において(この書籍はパンデミックが起こる前に脱稿したものですが)、持続可能で、自分を取り巻く社会関係や自然との調和を求める協調的幸福が見直されてきているのではないかと思います。そしてそれはそもそも日本文化の中では長く受け入れられてきた発想でした。
本書のあとがきにも書きましたが、「幸せ」はキラキラしたポジティブな「表の顔」の裏に、社会の中での葛藤を内包した深い問題を含んだ概念だと考えています。本書をお読みになられた方が幸せについてシリアスに考える、そういうきっかけにしていただける書籍となればと思います。
世界大学ランキング! TOP100に入った日本の5校とは?【2021年版】
内田 由紀子京都大学 こころの未来研究センター 教授
上位大学は確かにどれも素晴らしい。
しかしこの手のランキングでは必ず国際性が問われることになる。コロナでこの状況が今後どのように変化するだろうか。
また、日本語を用いる日本の大学はどうしても不利な状況であり、ランキングを高めるための国際化教育の重点化は常に課題とされ、各大学にもプレッシャーがかかっていた。しかし実際には単純に海外からの人を増やせばいいという話ではない。本当に国際的にインパクトと意義のある成果を出していくための研究の質が問われているのだと思う。
日本の知識人は基本的に日本語で勉強や情報収集をする。それゆえ、日本国内でのインパクトとしては日本語出版物が評価され、国内の様々な人たちに広めるには効果がある。しかしそれにより国際評価とのギャップにもつながっている。翻訳技術AIの発達により、多くの知が詰まっている日本語成果物が海外でもより広く評価されるようになれば、少しは状況が変化するだろうか。
自殺率、コロナ「第2波」時に上昇 女性・子どもで顕著
内田 由紀子京都大学 こころの未来研究センター 教授
国際誌に掲載されたということで、海外の記事でも取り上げられています。
https://www.theguardian.com/world/2021/jan/16/japans-suicide-rate-rises-16-in-second-wave-of-covid-study-finds
論文中にも書かれているように、自殺はかなり複合的な要因で引き起こされる。「なぜ」という問いに対して、たとえ身近な人であっても、個別のケースには簡単には答えが出ない。しかしマクロ(どういう空気感になっていたか)について考えると、統計が示していることは重要である。それまで用られていたはずの「抑制要因」を用いることができなくなってしまった、あるいは機能しなくなってしまったと考えることができる。何気なく人と話したりする機会などの、「緩いつながり」を感じることが難しくなったことに一因があるのかもしれない。日常当たり前だったことが抑制されることの脅威をあらためて感じる。
新型コロナ不況下の自殺者増、実は「急増」しているわけではない
内田 由紀子京都大学 こころの未来研究センター 教授
ヘッドラインの文章に関しては「単月のデータの振れだけで変化を語るならば、月次のデータが出るたびに、どんな悲観な見通しも、楽観的な見通しも恣意的に語ることができる」というポイントに同意する。また、中身の分析に記載のある「男性の自殺率は失業率の変化に強く影響を受け、女性の場合はそうではない」ということが世界各国で見られるというポイントについて。「男性の失職の方が生活への打撃が大きいため、精神的な挫折感が強く働くためという可能性がある。」という考察が書かれていたが、私はソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の男女差にも関わっているような気がする。基本的に就業年齢の男性の社会関係は職場に限定されがちなので、失職することで他者とのつながりが失われるリスクが高いと考えられる。

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