Picks
63フォロー
2867フォロワー


新型コロナのワクチンは、アレルギーの病気を持っていると接種できないの?
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
Yahoo個人の記事を更新しました。
12月上旬に医療従事者2人にアナフィラキシーが認められたことから、重篤なアレルギーの病気を持っている方に対する新型コロナのワクチンの使用は、一時的に中止されていました。
▷Raine J. Confirmation of guidance to vaccination centres on managing allergic reactions following COVID-19 vaccination with the Pfizer/BioNTech vaccine. MHRA press release, 9 Dec 2020.
しかし、英国・北米で100万回以上接種された結果、2020年12月30日にその見解が修正されました。
そこでは、重症のアレルギーがある(もしくはあった)としても、コロナのワクチンそのものに対するアレルギーや、その成分に対するアレルギーを起こしたことがない限りはワクチンの接種を妨げるものではないとされています。
▷Update on MHRA decision re: Pfizer COVID-19 Vaccination 30.12.20
つまり、
1) 1回目のコロナのワクチンを接種してアナフィラキシーを起こした
2) 1回目のコロナのワクチンで、アレルギーを起こしやすいと考えられている成分でアレルギーを起こしたことがある
場合に、接種を控える必要性がでてくるということであり、アレルギーの病気を持っているひとがすべて控えないといけないわけではないということです。
さらに、アナフィラキシーとアナフィラキシーショックの違いなどを解説しました。
新型コロナ感染症(COVID-19)は、インフルエンザや他の風邪の流行を変化させた?【第1回/全2回】
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行してから、インフルエンザの流行が大幅に減ったことが報告されています。
これは世界的な傾向です。
そして(特に小児で喘鳴を起こす大きな原因となる)RSウイルスの流行も、今年は今のところ多くの地域で少なくなっており、日本では九州の一部で流行の山があった程度でした。
これも米国でも同じように、『ごく一部の地域で流行しているが、全体では少ない』という状況です。
一方で、風邪としてもっとも多い原因であるライノウイルスの流行は残っています。
これも世界的な傾向です。
これらの状況をまとめた記事が、Natureに掲載されていました。
2回にわけて全訳して解説しました。
▷新型コロナ感染症(COVID-19)は、インフルエンザや他の風邪の流行を変化させた?【第1回/全2回】
https://pediatric-allergy.com/2021/01/22/covid-19-4/
▷新型コロナ感染症(COVID-19)は、インフルエンザや他の風邪の流行を変化させた?【第2回/全2回】
https://pediatric-allergy.com/2021/01/23/covid-19-5/
新型コロナワクチン接種後の死亡者が増加-ノルウェーの高齢者
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
Bloombergの記事がややミスリーディングだと思えるのは、おおもとの報告では『フレイル(frail)』であることを強調しているのに対し、単なる『基礎疾患の高齢者』であることしか書いていないことです。
フレイルとは、『加齢により心身が老い衰えた状態』です。
一般的な高齢者以上に、もともと亡くなる可能性が高い状況といえます。
ノルウェー当局は、老人ホームの入所者の予防接種を優先しています。
その多くは基礎疾患を持つ”超”高齢者であり、中には末期の患者もいらっしゃるそうです(山田先生が引用されているBMJの記事より)。
ですので、新型コロナワクチンで亡くなっているかどうか不明ですし、もともと、ノルウェーでは老人ホームの入居者のうち毎週約400人が亡くなっています。
今後の調査は必要でしょうけれども、まだ『なんともいえない』情報でしょう。
ワクチン接種、全国1万か所拠点に…氷点下75度の超低温冷凍庫を配備
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
毎年のインフルエンザワクチンシーズンですら、とても厳しい状況になります。ですので、ワクチンがスムーズに接種できるかどうかはオペレーションに依存してくるでしょう。
コールドチェーンはなんとかなっても、堀江さんのおっしゃるとおり、まずはコールセンターではなくオンラインでの予約ができるようになることが望まれます。
また、最前線で接種するマンパワーが重要です。
率直に申し上げるなら、医師がすべてを直接接種しているようではオペレーションが進まないでしょう(多くの大学病院は医師が接種し、母子手帳に記録をしています)。
そして筋注が基本になるはずなので皮下接種に慣れている場合は訓練をする必要があると思います。
今後のオペレーションに関し、早急に決めていただきたいところです。
Apple Watchが無症状のうちに新型コロナ感染が検出できるかもしれないとの研究報告
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
高麗先生のおっしゃる通りですが、特異度は高くないように思えます。
未査読ではない先行研究では下記のようなものがあります(一応IFは19で高いです)。こちらの研究はFitbitというメーカーのスマートウォッチです。
▷Mishra T, et al. Pre-symptomatic detection of COVID-19 from smartwatch data. Nature Biomedical Engineering 2020; 4:1208-20.
約5,300人からCOVID-19に感染した32人に関する生理データ・活動データを分析すると26人(81%)に心拍数・歩数、睡眠時間に変化があったとしています。
とはいえ、他の感染症との区別は難しい(特異度は低い)ので、あくまで普段の健康管理の一環と考えるといいのかなあと思います。
ただし、日本で正式に販売されているスマートウォッチの多くは、酸素飽和度の測定に関して認可が降りている機種がすくなくセンサーは装備されているのに測定できないものが多いです。
私はgalaxy watch 3を持っているのですが、センサーが装備されているはずなのに測定できないんですよね…
自宅療養者の死亡相次ぐ 病床逼迫で入院調整難航の高齢者も
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
どの病気もそうかもしれませんが、予想外の悪化は起こり得ます。そしてコロナはその性質がもともと大きいことは皆さんご存じの通りです。患者さんの数が増えてくれば、同じような例は増えてくるでしょう。
不備はもちろんあるにせよ、日本医療が受診しやすく入院が比較的しやすい、入院しても比較的安価であることは、海外赴任経験のある方は実感されていると思います。
英国においてコロナ入院病床が3割から半数がコロナ病床になっているという報道がありました。
ということは、他の病気の入院が困難になっているということの裏返しでもあります。
コロナで入院することが困難になってきている現在、他の疾患の重症患者さんの受け入れもさらに難しくなってくるでしょう。すくなくとも、これまでの医療の維持が難しい状況であることは確かだと感じます。
思いがけず感染することはあるかもしれませんが、感染リスクを低減できるように、現状では続けていくしかなさそうです。
新型コロナ 第二類感染症相当からダウングレードを - 和田政宗
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
まだ、こういった提言をされる方がいらっしゃるんですね…
指定感染症=2類感染症とお考えの方がいらっしゃいますが、そういうわけではありません。
指定感染症は『新しい感染症への対策を迅速に法に基づき行うために、期限付きで運用できるようにするためにつくられたカテゴリー』です。
▷指定感染症とは?
https://note.stopcovid19.jp/n/n02ac1ce1d7cd
5類感染症に固定するということは、実情にあわせてカスタマイズができなくなることを意味します。
指定感染症をはずすと、
1)新型コロナの方への行動の制限の措置(入院させる、仕事を休ませる、濃厚接触者に外出自粛要請をするなど)を行うことができなくなる
2)医師の報告義務がなくなり、さらに流行状況の把握や予測がむずかしくなる
といったデメリットも出てきます。
さらに、昨年10月には入院措置の対象者も緩和されています。
▷新型コロナにおける入院措置の対象が変わりました
https://note.stopcovid19.jp/n/n4675ea69377f
軽症患者さんがたくさん入院しているという状況ではありません。
軽症患者さんは自宅待機になっていますし、中等症の方も既に入院が難しくなってきています。
乳幼児の予防接種“控えないで”
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
コロナ禍であっても、『その他の予防接種』を控えないようにしてくださいという呼びかけ。とても重要です。
新型コロナよりも、『再生産数がずっと高く』『歴史のあるワクチンがある』感染症はたくさんあります。
Yahoo!で、いくつか関連記事を書いています。
よろしければご確認ください。
▷はしかの死者が世界で20万人超、日本は大丈夫? アウトブレイクが起きかねない懸念も
https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20201115-00207915/
▷新型コロナが怖くて予防接種しないとどうなる? 小児科医が恐れる感染症の怖さ
https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20200504-00176635/
新型コロナ ワクチン接種対象 当面16歳以上で検討 厚労省
堀向 健太東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 小児科医・アレルギー科医
治験の結果がある年代から接種を開始するのは自然な流れですね。
学童に関してどうするかは今後、治験が進んだ後に考えていくことになると思います。ロックダウン前のベルギーにおいて、保育園に通う生後6~30ヶ月の児にロックダウン直前まで定期的にPCR検査をおこなっても、1例も陽性にでなかったという報告もあります。
▷J Med Virol. 2020 Nov 24:10.1002/jmv.26689. doi: 10.1002/jmv.26689. Epub ahead of print. PMID: 33230857
もちろん、小児が感染しないという意味でも感染を広げるリスクもないという意味ではありませんので、段階的に進めていく必要があることには変わりありません。

NORMAL