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週刊アフリカビジネス685号(2024年3月4日号)
梅本 優香里アフリカビジネスパートナーズ
楽天グループの、通信インフラを外販する楽天シンフォニー、楽天モバイルのぎりぎりな状況とは違って売上好調のようですが、エジプトで国営通信会社と4G試験通話に成功したとのこと。楽天モバイルの事業化の過程で導入した仮想化通信技術を外販します。ウクライナでも現地通信会社とMoUを締結していましたね。
横河電機がエジプト政府とグリーン水素製造施設の実現可能性調査に向けたMoUを締結しました。同社の統合制御システムの売り込みを狙います。
空気中の水蒸気から飲料水を生成する機器を作っている企業は世界にいくつかあるのですが、日本のMIZUHAが、エジプト政府(軍需生産省)と共同製造の契約を締結しました。エジプトは国土の多くで水がなく、人口が増えるほど水不足が深刻化することが予想されています。
62途上国が全面的債務危機、早急な国際支援必要=米大学報告
梅本 優香里アフリカビジネスパートナーズ
アフリカの国々は、少し目処がついてきたかなという気はします。最大の鬼門はユーロ債。国際機関や二国間は交渉が成り立ちますが、海外の民間債権者は容易に条件を飲みませんし、外貨で借りた融資は金利も上がり現地通貨も下がり返済が困難になっている。そのユーロ債の償還で今年10億ドル以上を返済しなければならない「デフォルト危険国」はアフリカには3カ国。ケニア、南ア、エチオピアです。そのうちエチオピアは昨年末にデフォルトしたので残る2カ国のケニアと南アフリカ、どちらもガバナンスや諸外国と外交関係も(相対的に)悪くない国で、調達手段も多様に持ち合わせているため、大きな心配はいらないかと思います。ケニアのルト大統領は先週日本を訪問しており、サムライ債の発行も目指してます。
なお、2022年末にデフォルトしたガーナもガバナンスが悪くない国で、公的債権者との債務交渉の後、すでに合意に達しています。インフレも落ち着いたので先日は利上げにも踏み切りました。デフォルトしても、1年程度で経済を戻すことが可能なのだという事例になったかと思います。
ニジェールなど3カ国、西アフリカ共同体脱退 地域分断 - 日本経済新聞
梅本 優香里アフリカビジネスパートナーズ
今回脱退を(勝手に)宣言したのはマリ、ブルキナファソ、ニジェールの3カ国で、そのきっかけは3カ国ともクーデターが起こりそれに対し地域同盟のEcowasが話し合いや制裁を行ったからです。3カ国のクーデターに至った経緯や背景は若干違い、記事にある最初からロシアに近くロシアが後ろで手を引いた(という人もいますが)というよりも、クーデターで軍事政権が成立したあとに綱引きが行われる過程でロシアとの距離が縮まったという方が正確かと思います。一般の人々は反フランスとしてロシアをみているだけで、ロシアについてほぼ関心がないし近いわけでもない。ロシアが軍事的に強く根付いているのは、もう少し東の国々かと思います。
ブルキナやマリのクーデーターの大きな背景としては、砂漠に巣食う過激派・テロ組織を、駐軍していたフランス軍も国内政権/軍も掃討できないまま何年も過ぎてきたことで、旧宗主国のフランスや年寄り、腰抜けの自国政権には任せてられないというものです。クーデターを起こした側やそれを指示している国民の主張は、反フランス、反政権、反年寄り、反独立後レジームであり、かつての学生運動に近い感覚も感じます。底に流れているのは、アフリカをアフリカの手に戻し、新しい世代に渡せという、改革、世代交代的な希求です。
ただ、3カ国はいずれの国も内陸国であり、経済的には周辺国との協調によって生きている国です。ECOWASをほんとうに脱退すると、人や物の自由な行き来や関税同盟から外されることになり、デメリットが大きくますます厳しい立場に追いやられます。実際には正式な脱退手続きはしていないので、ECOWAS脱退と言い出したのは、国内向けのパフォーマンスおよびECOWAS向けの交渉であり、軍事政権は利を見ていると信じたいところ。エチオピアとソマリアの対立に見られるように、内陸国は、なにをするにも港のある国に頭を下げなければならず、なにをするにもコストがかかる。海がないことに加え、この3カ国は治安管理がとてもむずかしい砂漠を後ろに抱えている。地理的条件が厳しい国々ともいえます。
「EV談義、きれい事やめよう」レアメタル研究第一人者 - 日本経済新聞
梅本 優香里アフリカビジネスパートナーズ
電気自動車はエンジン車よりもタイヤを摩耗し、よりマイクロプラスチックを排出するというニュースもありましたね。この記事によると、電気自動車に必要な上流のレアメタルの掘削にはウランやトリウム、ヒ素といった有害物質が発生するが、それを取り除く技術には20-30年かかるとのこと。下流では環境フレンドリーでも上流ではそうではないというのは、資源を提供するコンゴやザンビアといった途上国とそれを使って加工する先進国という構造でもあります。
引用「EVの電池やモーターには多量のレアメタルが使われている。天然鉱物を地底から掘り出し、有用な金属だけを取り出す過程では、大量の有害物質が排出されている。日本が輸入するのは有害物質を取り除いた『きれいなもの』だけだが、その上流に環境リスクが存在することを認識すべきだ 」
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