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政府の景気判断「急速に悪化」10年11か月ぶりに「悪化」の表現
NHKニュース
岸田 奈美作家
生まれてから今まで、景気の良い、悪いを体感したことがなかった。家は特段、裕福というわけではない。父を亡くした母子家庭で、弟と母には障害があり、私はベンチャー企業で働いていた。でも、家もあるしご飯も食べられるし、それなりに遊べて、それが当たり前だったから、テレビで「景気が悪い」と嘆く街頭インタビューのサラリーマンを見て、どこか遠い世界のように思っていた。 私は今も、景気が悪いと感じていない。世の中を大変だと思うし、感染症が恐ろしいと思うし、知っている人の死には涙する。それでも、2月までは会社から変わらない給料が支給されていたし、3月から作家になったら在宅で楽しめるコンテンツを提供する側になったので、むしろ仕事が微増した。 だけど、今になって、私が景気が悪いと感じていなかったことの裏には、どれだけの家族の努力や福祉の情報をキャッチする神経があったのか、会社が社員を守ろうとする矜持があったのか、初めて感じるようになった。これから私は、本当の意味で景気の悪さを体感するのだと思う。今、私にできることは、あの時守ってくれた人たちに感謝をすること、できるだけ文章と作品の力で経済を回せるようにすること、しかないんだろうな。
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44歳を迎えた私から、みなさんへのお願い。
note(ノート)
岸田 奈美作家
>>でもね、あれだけ熱望したのに、あれだけ声を上げていたのに、ちっとも耳を傾けてもらえなかった。ところが、いざ「自分たち」が同じような困難に直面したら、これだけスピーディーに、これだけダイナミックに世の中は変わっていくんだなって。やっぱり、ちょっと、悔しいんですよ。やっぱり、この社会は「多数派」のためにできているんだな、って。 首がもげるほどうなずきました。私は母が乙武さんと同じく車いすユーザーで、ラッシュ時間帯の通勤は難しく、フルタイムで働きたくても体力の問題で外では働けない。弟には知的障害があり、一人で遊びに出歩けない。でもコロナの影響で、健康に対する不安はもちろん高まりましたが、この問題が収束した時の「選択肢の広さ」には希望を持ちました。母は遠隔でバリバリ仕事していて、この間は私のオンライントークイベント(段差があり、車いすユーザーだと難しいかもしれない会場です)も観覧して、どんどん質問や感想コメントもくれました。弟はアイドルグループなどの無観客コンサートの様子をPCで見て楽しんでいます。怖かったね、恐ろしかったね、と言うことは簡単だけど、どうせならそれだけで終わりたくない。世界を一歩前に進めて、医療関係者だけでなく民間の私たちも成果を残して、終わりたい。 選択肢を広げる、という当たり前なのに強烈なパンチラインを乙武さんは残してくれました。ありがとうございました。
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