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【超図解】仕事の質を上げる、「最強の経営理論」10選
NewsPicks編集部
Iriyama Akie早稲田大学 Professor
入山章栄です。この記事は私への取材と拙著「世界標準の経営理論」がほぼ基になっているのですが、配信前に私のチェックができていませんでした。編集部に敬意を払いつつ、補足させてください。 1)冒頭に「経営理論は役に立つ」とありますが、理論は世界の経営学者が、ビジネスの本質を解き明かすために研究で使う道具にすぎません。それを実際のビジネスに応用すれば「役に立つ」というのはやや大袈裟です。ただ私自身は「思考の軸・羅針盤」にはなり得る、といっています。これからの正解のない世界では、誰もが考え続けて行かなければならない。その時に理論は「自分が直面しているビジネス事象はこういう説明の仕方もできるかも」などと一定の角度で論理的に切り取り、考えを深めたり広げる「軸」としては大いに使えるはずだからです。 2) 「経営理論=万国共通の言語」も大袈裟です。海外のトップスクールでMBAをとっている方でも、経営理論などほぼ知りません(笑)。私が言いたかったのは、仕事で異業種の人と話すと現場用語ばかり使うから互いに話が噛み合わない。だけど理論は「究極の抽象化」なので、違う現場・違う業界に属していても、互いに抽象化して話すので本質的な共通項が見つけやすいということです。「世界標準の経営理論」を読んだら、その後で異業種の方と語り合うことを私は強く勧めています。 3) 選ばれた10の理論も、私の取材を受けて編集部が決めたもので、完璧ではありません。まずレッドクイーン理論はそれほどメジャーな理論ではありません。ただ私自身は日本のビジネスの現状を理解する上で重要と考えているので、拙著で紹介しました。また「非市場理論」という理論は、そもそも存在しません。これは民間企業が政府などの非営利部門にアプローチする戦略の総称で、理論ではありません。「理論とは何か」は、拙著の序盤をお読みください。 4) このように修正したいことは多々あるのですが、皆さんに経営理論に関心を持っていただくきっかけとしては、このNP記事で十分と思います。特に、理論を「競争に勝つ」「勝ち続ける」などの枠組みで整理した編集部の工夫は素晴らしいですね。より詳しくは、「世界標準の経営理論」を手にとってみてください。世界の近代経営理論をほぼ完全にまとめた本は、おそらくこれしかありません。加えて琴坂くんの「経営戦略原論」もお薦めです。
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