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【図解】なぜ日本は「子ども」が生まれなくなったのか?
望月 直矢血液内科専門医 医師
少子化の一つの要因である長時間労働と子育ては自分が正に今直面しているテーマである。日本型の常勤は残業、長時間労働が前提であり、真に男女平等に育児、家事を分担すると夫婦共に常勤で働くことは物理的に難しく、どちらも非常勤的な働き(残業なし、週1-4勤務)をしなければ成り立たない。
自分は医師なのでそのような選択肢もあるが、他の職種では収入が激減したり、不安定となり、選択する人はごく少数であろう。自分が当事者になって初めて平等に家事、育児をするというのがこんなにも難しいことで、そのために男性の分まで負担し、女性のキャリアが長らく犠牲になってきたことが本当の意味で理解できた。
残念ながらすぐには改善が期待ができないため、現実的には各家庭できる工夫をするしかないのだと思う。具体的には夫婦共に自己投資をして、スキル経験を積み、非常勤を挟んでも引く手数多の人材となること、マネーリテラシーを上げて金銭的な守備力を上げることが挙げられる。また、そもそもの家事時間の短縮を図るための家事の外注(家計に優しいシルバーセンターなど、)や時短家電(ホットクック、ルンバ、乾燥機付きドラム型洗濯機)のフル活用も大事である。
【独占】世界が希望を託す、「最速ワクチン企業」のすべて
望月 直矢血液内科専門医 医師
ゲイツがのめり込む秘密企業、mRNA治療を開発するモデルナの創業者のデリック・ロッシ氏へのインタビュー
■専門的でやや長めのため読みやすくまとめてみました。
▼mRNA治療とモデルナの可能性
• 細胞内にmRNAを届け、作りたい蛋白を任意で作る技術が確立されている
• mRNAは生命のソフトウェアであり、タンパク質や細胞より簡便に作れることがポイント
• CMV, EBV, ジカ熱, RSV(Vウイルス)などに対するワクチンが既に治験段階にあり、膨大な専門知識が積み上がっている
• 臨床試験まで持っていく手順の簡便さが新型コロナウイルスワクチンの人への治験開始へ一番乗りを上げた要因であること
• 既存のワクチンメーカーとの違いは資金調達の達人がおり、規模を拡大するのが迅速で、また、ワクチン以外もできるポテンシャルがあること
▼ボストンのバイオクラスター
• 基礎研究をビジネスに昇華させる一連の流れが鮮やかで、ボストンのようなイノベーションを産む巨大バイオクラスターが日本にもできて欲しい。そうすれば研究者にやりがいだけではなく経済的な見返りも持てる方が健全だろう
• そのためには大学、バイオベンチャー、投資銀行、法律家、連続起業経験のある人物たちがバラバラに点在するのではなく1箇所に集まれることが大事である。
▼過度の期待は禁物
• 人類と感染症との終わりなき戦いに強力な助っ人が現れた感覚ではあるが、まだ副作用や抗体が十分作られると証明されているわけではない
「献血は“外出自粛”対象ではない」輸血用血液の確保難しく…(関西テレビ)
望月 直矢血液内科専門医 医師
外出や献血イベントを含む自粛に伴い、血液製剤が不足しており、皆さんの力が本当に必要です。
血液の病気(白血病、リンパ腫、再生不良性貧血など)、骨髄移植後、強力な抗がん剤治療中、外傷や侵襲性の高い手術を受ける患者さんなどに毎日多くの血液製剤が使用されています。これらは全て日本赤十字社を通じた皆さんからの献血に依存しています。長期保存が出来ない成分があり、毎日一定数の献血が必要です。
例えば赤血球を自ら作れない、手術や怪我で失い過ぎた場合、貧血が進み過ぎると全身に酸素が行き渡らなくなり致死的となります。また、血小板が極端に減り、輸血で補えない場合、頭蓋内、消化管内、肺胞内などあらゆる場所から突然の出血が起き、同じく命に関わることが多くなります。
現在、外出自粛に伴い、輸血用の血液の確保が非常に困難になって来ています。新型コロナウイルスの感染を抑えるために外出を控えることは大切ですが、そのために救えたはずの命が失われるのは防がなければなりません。
医療関係者でなくとも医療のサポートは可能です。輸血を必要としているのはあなたの親や親戚、大切な友人かもしれません。また、誰でも事故に遭い、輸血が必要となることはあります。この機会に是非、近くの献血ルームに電話し、輸血が可能か問い合わせてみてください。
日本赤十字社ホームページ(メインページ)
http://www.jrc.or.jp/donation/
なお、対象者は16~69歳までの健康な方です。ただ、65歳以上の方の献血については、献血いただく方の健康を考慮し60~64歳の間に献血経験がある方に限ります。
持病次第では献血できないこともあるため、事前に電話もしくはホームページのチェックをお勧め致します。
日本赤十字社ホームページ(献血を遠慮頂く、条件)
http://www.jrc.or.jp/donation/about/refrain/
【論文PICKS】自分が助かれば、ロックダウンしていいのか
望月 直矢血液内科専門医 医師
新型コロナに関する以下の3つの論文噛み砕いて解説してくれています。
①ロックダウンの開始時期毎の感染者、死亡者数の推移の予測
②ウイルスの各条件下での生存時間の(ただし、論文の目的はSARSのウイルスと新型コロナウイルスで各条件下での生存時間に違いがあるか)
③ソーシャルディスタンス(感染した人の隔離、濃厚接触者の検疫、学校閉鎖、70歳以上の方のソーシャル・ディスタンス、全年代のソーシャル・ディスタンス)の個別の施策や組み合わせた場合の効果の予測
論文を書く時にはまずは現在分かっていることを書き、続けてまだ分かっていないことを示します。わからないことの中で今回検証したいことに関して仮説を立て、それを証明すための実験、数理モデルによるシミュレーションでデータを得ます。最初に検証したかったことに対して、必要十分なデータを盛り込むため、狙っていない他の部分で何か分かったように見えてもそれは十分検証されたものとはいえず、信頼できる結果ではないかもしれないことが注意点です。
つまり、論文の結論が正しいかどうかの議論は重要ですが、恣意的にデータを切り取って結論とは違うことを皆んなに知らせて恐怖を煽るのはよくないないということです。そのために、今回のように論文を解説してもらえるのは非常にありがたい企画だと思います。
例えば②に関して論文で検証したいのはSARSのウイルスと新型コロナウイルスは各条件下での生存時間に違いがあるかです。結論は違いがないということです。なので、空中で3時間生存するのは実験で2つのウイルスを同じ条件下で比べやすくするためにウイルスが空中で生存しやすい環境を作っているので3時間も生存しています。しかし、もし論文の目的が新型コロナウイルスが日常環境でどの程度生存するかを検証するならば、早くウイルスが地面に落ちたり、風によりエアロゾルが乾いてより早く失活するので生存時間は短くなると予測されます。
繰り返しになりますが当初意図されたこと以外に結果が使われると違った誤解が広がるため、しっかり論文の解釈を学んで正しい情報かどうか判断できるようになることが大切です。最初からそれができるはずもないため、このような解説記事が出る毎にしっかり読み消化し、色んなミスリードのパターンを蓄積していくのが効果的でしょう。
【無料公開中】どの治療薬が、本当にコロナに効くのか
望月 直矢血液内科専門医 医師
必読!
COVID-19に対して2020/4/4時点で得られている代表的な論文が分かりやすく解説されています。日本の薬剤や1例でも使用したり、見聞きしたことがある薬に肩入れしたくなり、少しの効果で効果があると思ってしまいがちですが、やはりしっかりしたエビデンス(証拠)を積み重ねていかなけらばならないと改めて思いました。
参考までにざっくりエビデンスレベルの強さを上から順に書いておきます。
I システマティック・レビュー/メタアナリシス
複数の良質なランダム比較試験の結果を足し合わせたもの。今回はまだこれに当たるものはありません。
II 1つ以上のランダム化比較試験
カレトラはランダム比較試験ですが医療者や患者が偽薬かカレトラか分かる状態で投与しており(盲検化なし)、少しの変化に対して医療者が無意識に効果ありと記載するバイアスがかかるリスクがあります。また、患者側もカレトラを飲んでいる人は効くに違いないと考え、症状を軽く報告するかもしれません。
また、中国のアビガンの論文は医師の査読(チェック)がなくランダム比較試験ではありますがどこかの点で不備があるからなのか4/3に取下げられているようです。修正して査読付きの雑誌に投稿し直すのかもしれません。
III 非ランダム化比較試験
トランプ大統領のお気に入りの抗マラリア薬の試験がこれに当たります。
IV 分析疫学的研究(コホート研究や症例対照研究)
V 記述研究(症例報告や症例集積研究)
患者の血漿を使用した抗体薬の報告とエボラ出血熱の薬剤レムデジビル投与の1例報告がこれに当たります。
VI 専門委員会や専門家個人の意見+
実は普段我々が見ているテレビなどの医師のコメンテーターの意見は一番信頼性が劣ります。
今後、色々な臨床研究が積み重なり有効な治療薬が早期に使用できることを祈っています。
NORMAL
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