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Book Review:『なぜ「よそ者」とつながることが最強なのか』 評者・後藤康雄 | 週刊エコノミスト Online
金山 隆一週刊エコノミストオンライン 編集長
「アメリカと中国の分断は世界を貧しくする! 」。挑戦的な問題提起です。「生存戦略としてのネットワーク経済学入門書」の書評です。早速購読します。
脱化石の本命:「アンモニア発電」が原発に突き付けた“引退勧告”の重み
金山 隆一週刊エコノミストオンライン 編集長
アンモニア発電は日本のエネルギーを変えるゲームチェンジャー。しかし橘川教授はこうも言います。
JERAがゲームチェンジャーとして登場したことの意義は大きい。
同社は、「原子力依存型」モデルをとらない「原発脳」から脱却した電力会社である。
このことは、電力業界において原子力から自由に物事を考えることがいかに大切であるかを教えている。
原発脳から解放されただけで、これだけの新機軸を打ち出せたことは事実である。
しかし、一方で、「いまある原発の処遇と事故の賠償をどう進めるか」、「廃炉をどう進めるか」、「使用済み核燃料をどう処理していくか」、そして「原発に依存してきた自治体をどうソフトランディングさせるか」、という3.11後に日本が抱えた大きな課題は、すべて未解決の状態で残されたままである。
我々は、その現実を冷徹に認識したうえで、その解決に立ち向かっていかなければならない。
日本が強い軽自動車のEV化が進むとEVの劣勢をニッポンが挽回できるワケ(サンデー毎日×週刊エコノミストOnline)
金山 隆一週刊エコノミストオンライン 編集長
「軽自動車がEVになると高くなる」、とか「EVは農作業に向かない」とかフェイクニュースまがいの報道があったので、軽自動車もEVもずっと取材してきた永井隆さんに軽自動車のEVについて書いてもらいました。中国では米GMが出資する50万円の小型EVがヒットしています。日本でも同じことができるはず。ただし軽自動車のEV化は日本の自動車産業が抱えるさまざまな問題を浮かび上がらせます。例えば記事中の以下の指摘など、さらなる議論が出てくると思います。「国内新車販売の約4割を占める軽自動車は、その多くが修理工場などの業販店で販売されている。
軽自動車2位のスズキなら、販売の8割は業販店経由だ。業販店は車両販売ではなく車検などのアフターサービスで利益を得ている」
商社の深層:丸紅の3位浮上もあり!コロナで激変する大手商社の序列と見えない脱化石時代の収益 | 週刊エコノミスト Online
金山 隆一週刊エコノミストオンライン 編集長
久しぶりに商社決算を書きました。丸紅はやはりコロナ禍でも利益を伸ばした事業会社が多様に育ってます。一方で住商は「損失の総合商社」ともいえるほど一過性損失がほぼ全部門に。ただ住商は工具のネット通販「モノタロウ」を2000年に立ち上げた実績がある。当時は住商グレンジャーと言いました。こういう新事業を機敏に立ち上げ、育てる気質を持つからこそ、「第二のモノタロウ」が出てくると期待します。
記事後半は三菱商事の脱化石戦略。ポイントは世界最大のLNGバイヤー、JERA(東電と中部電の火力発電と燃料調達の合弁)が打ち出した「2050年の排出ゼロ」に向けたアンモニア発電への対応。
三菱商事は日本最大のLNGサプライヤーで、北米、東南アジア、豪州、ロシアに権益を持ち、中東はオマーンのみ。ここがカギで、日本のエネルギー安全保障を劇的に変える可能性を秘めてます。背後には米中のエネルギー覇権争いが見えます。
JERAは三菱商事にとって最も大事な客先ですが、日本が安いエネルギーを調達し、安い電気の国にするために、JERAと協調するだけでなく、競合したり、ライバルの伊藤忠と組むとか、中国を交渉材料に利用するとか、コペルニクス的転換が必要でしょう。イノベーターとして過去のしがらみを捨てて破壊的創造をできるのか、が問われていると思います。
追って報道を続けます。
脱炭素の切り札:立ち上がる巨大市場「燃料アンモニア」にかける三菱商事と三井物産の勝算
金山 隆一週刊エコノミストオンライン 編集長
アンモニア発電は脱化石のメルクマール、日本のエネルギー政策の転換点にもなるでしょう。
2050年の排出ゼロを目指すJERAは日本最大のLNGバイヤーであり、世界最大の送電網を持つ電力会社・東電の火力発電と中部電の火力発電がくっついた会社です。そして三菱商事は日本最大のLNGサプライヤー。
1969年のアラスカから始まり、三菱商事が権益を持つLNGプロジェクトはブルネイ、豪州、マレーシア、インドネシア、サハリン、オマーン、米国、カナダにまで広がっています。
LNGは地球規模での壮大なチャレンジでした。パイプラインでしか運んでいなかった天然ガスをマイナス162度に冷凍液化して600分の1の体積にして専用タンカーで運んで都市ガスと電力の燃料にする---この50年前に始まった壮大なLNGチェーンの構築は、エネルギーの世界における一大イノベーションでした。
その意味では、アンモニア発電もJERAという受け手あって成立する話はLNGと同じですが、イノベーションのスケールとしては小さいように思います。
ただし、利害関係を持つ国・企業は世界に広がり、これは地政学やエネルギー安全保障にも大きな影響を及ぼすでしょう。課題もたくさん見えてきました。
アンモニア発電はパンドラの函を開けたと思います。
詳しくは追って報告していきます。
仕組み債、損失トラブル相次ぐ 背景に「売れる法則」?
金山 隆一週刊エコノミストオンライン 編集長
仕組み債は個人にとどまらず、各種の財団こそが仕組債販売の恰好のターゲットだ。というのは定款上、株ができない財団が多いからで、債券の利回り低下を補う手段として、日経リンク債などを購入している財団が多いそうだ。あなたの財団は大丈夫か?
いまの株高は外資系が先物とオプションをセットにしてぶち上げている、という見方をする人もいる。もしかしたら日経平均が3万円をつけたら元本が半分になる仕組債とかもあるかも。
証券会社の人が言うには、「官僚が天下っている財団はヤバイ」そうだ。自分の任期中に利回りが好転したように見せるため仕組債を購入し、多額の退職金をもらって「ハイ、サヨナラ!」というケースだ。仕組債の闇はまだまだ深い。
鹿児島の無人島に米軍基地建設!可否を決める市長選挙に無関心な日本人が知らない東アジアの安全保障の未来 | 週刊エコノミスト Online
金山 隆一週刊エコノミストオンライン 編集長
鹿児島県西之表市にある無人島、馬毛島。まげしまと読みます。この島に自衛隊基地が建設され、米空母艦載機の飛行訓練が恒常的に移転される計画があるのをご存知ですか。
戦後の日本でまっさらな土地に米軍施設が作られたことはありませんでした。なぜここに?
コロナ禍の報道が中心のメディアの中で、この東アジアの安全保障を揺るがす基地建設が報道されることはほとんどありません。無人島だから?。中国の海洋進出の脅威が高まっているから?
馬毛島と種子島への自衛隊施設建設工事、米軍再編交付金、無期限の基地交付金、漁業補償などあわせると数千億円から1兆円という数字が地元では飛び交っています。
現地をルポしたジャーナリスト、平井康嗣氏の報告です。
歴史に学ぶアメリカ政治と大統領と民主主義:世界史を変える力を持つアメリカの大統領令、バイデン新政権が初日15本も署名したワケ 連載:第1回 | 週刊エコノミスト Online
金山 隆一週刊エコノミストオンライン 編集長
バイデン大統領が就任初日に15もの大統領令を出したのをご存知ですか。歴代の大統領では最多。しかし、そもそも大統領令とはどのような効力があるのか。議会が出す法案より力があるのか。大統領の独断専行を制御することはできるのか。大統領制ではない日本人にはわからないことばかり。
ちなみにメキシコの壁建設も、パリ協定離脱も、WHO脱退もイスラム圏からの入国規制もすべてトランプ氏の大統領令でした。議会を通さず独断専行できる力を持つものの、もちろん議会や最高裁はそれを阻止することができますが、大統領令に力があるのは事実。歴史をひも解くと実は奴隷解放も、第二次世界大戦の最中、日系アメリカ人を強制収容したのも大統領令でした。
過去最も多く大統領令を出したのはルーズベルト大統領。その数は実に3271本。彼の任期中は世界大恐慌と第二次世界大戦がありました。
大統領令と不幸な時代は正比例しているかのようです。
米国政治と経済の分析で定評のある中岡望さんの解説です。
「歴史に学ぶアメリカ政治と大統領と民主主義」というオンライン限定の連載を始めました。これを読めば次回の中間選挙は手に取るようにわかる連載を目指します。
商社の深層:非資源商社ナンバー1の伊藤忠が次期社長に脱化石のエースを送りこんだワケ | 週刊エコノミスト Online
金山 隆一週刊エコノミストオンライン 編集長
昨日、急遽オンライン会見があるというのでパソコンごしに社長会見に出ました。商社の経営を長く見てきた人の多くは「3年で社長交代はあまりに短い」という意見でした。ただ、ZOOMから「たった3年で交代か」という雰囲気は伝わってこなかった。「社長は3年65歳が節目」という覚悟のような鈴木社長の言葉は自分に言い聞かせているようにも感じました。「年齢が上がらないように」という発言は岡藤さんに対するささやかな抗議だったと思います。一方で時価総額でナンバー1、株価3000円超え、首位奪還という大イベントを控えながらも、あえて社長交代したのは、やはり「脱化石とデジタル、コロナで商社の経営は一変する」という危機間が岡藤さんの中にもあったと思います。
意外でしたが、バイオマス、風力、VPP(仮想発電所)にとどまらず、JOGMEC(旧石油公団)や三井系の東洋エンジニアリングと東シベリアからのアンモニア輸入でFSをやっているのは目ざといと思いました。
というのも菅首相の2050年排出ゼロ発言の前段に、日本最大の発電会社JERA(東電と中部電の合弁)のアンモニア発電による排出ゼロの経営方針発表があったからです。JERAは世界最大のLNGバイヤーであり、JOGMECのトップはそのLNGが「水素のキャリアになる」と発言しています。
株価3000円を突破した伊藤忠に「3」という数字が縁起がいいワケ(サンデー毎日×週刊エコノミストOnline)
金山 隆一週刊エコノミストオンライン 編集長
伊藤忠はコロナ禍で株価が暴落した時、ザラ場で1911円(2020年3月17日)を付けました。そこから3000円を突破、このカギはやはり岡藤CEOが続けてきたマイクロマネジメント、つまり5憶、10億円の利益貢献する子会社を100、200社と育ててきたことでしょう。
岡藤さんは利益が5億円の会社でも伸びたこと自体を高く評価し称える、つまり規模ではないわけです。アリババ1社の含み益に過剰に依存するソフトバンクの孫正義氏が「群戦略」と言っていますが、こちらの方が群戦略の本家だと思います。このマイクロマネジメントの神髄こそ、三菱商事が虚心坦懐に学ぶべきものではないでしょうか。

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