八田 浩輔

まさに気候危機と呼ぶべき状況でしょう。マンハッタンの建物の中でも煙のにおいがします。今年に入ってカナダで発生した山火事による焼失面積は、平年同時期の10倍以上。気候変動の影響で、山火事はより強くより長くなります。カリフォルニア州では、山火事のリスクが高すぎることなどを理由に大手保険会社が新規の火災保険の販売を中止しました。

拙稿です。国連が主導する保険業界のネットゼロ同盟から脱退する企業が相次いでいます。背景にあるのはアメリカ保守派の「反ESG」の動き。 24年の大統領選を控えて「反ESG」はますます先鋭化しそうです。背景に何が？長期的な見通しは？ 新著「ESG投資の成り立ち、実践と未来」が好調のコロンビア大の本田桂子さん、日本企業のESG取り組みを支援する弁護士の蔵元左近さんと展望します。

欧米の議員グループが、COP28議長の交代を求める書簡を国連のグテレス事務総長らに送付しました。背景を解説した記事です

今回の声明は英語で22語と大変短いながらも「絶滅」という言葉を使用するなど強烈なものでした。研究者、経営者、技術者の間で合意を得やすいように簡潔にしたという背景があるようです。 声明をまとめたCenter for AI Safetyディレクターのダン・ヘンドリクス氏は、「原爆の父」と呼ばれたオッペンハイマーが人類初の核実験後に語ったとされる「世界は今までと同じ世界ではなくなったことを、我々は知った」という言葉を引き合いに、AI開発の現在地を「原子力科学者が自分たちの作った技術に警告を発したことをほうふつさせる状況だ」と記しています。 迫る近未来の状況と彼らの危機感を非常によく表していると感じました。

状況はまったく異なるとはいえ、英国のジョンソン首相の退任につながったのもコロナ禍に官邸でこっそり開かれていたパーティでした。いずれは地盤を継がせようとするのだろうから有権者は覚えておきたい。

生成AIに関心が向きがちですが、創薬においてAIが時間・コストを飛躍的に効率化できる可能性を示した研究成果です。 将来的にがんによる死者を上回る可能性が指摘され、緊急性の高い薬剤耐性菌でこのような成果が出てきたのは非常に大きい。まだまだ長いプロセスが控えていますが、薬につなげて欲しいです。

PFASはもとよりそもそも異物を入れてるわけだし、1980年代以降に急速に普及したものですよね。ケアを十分にしていない人を長期観察した研究などあるのか知りたい。

ブレーンテックを脊髄損傷のリハビリに応用した成果。オンライン記者会見を聞いてとても興味深かったので記事にしました。 技術もさることながら、装置を使わなくても歩けるようになったという人間の回復力に感銘を受けました。

広島で生まれ育った者として、慰霊碑に刻まれた「安らかに眠ってください　過ちは繰返しませぬから」の意味を考えてきました。誰の過ちだったのかと。そろって平和公園を訪れた首脳たちの記帳は歴史に残るものになるでしょう。人類への誓いの言葉と共に改めて世界に発信し、決意を守り抜いてほしい。

ニューヨーク周辺の海水面は今世紀半ばまでの30年で25〜35センチ上昇すると見込まれています。今世紀末には最大数メートルとの予測も。しょっちゅう水浸しになる都市に人々は住みたいと思うのか。企業は事業継続などのリスク管理をどう考えるのか。街の姿も価値も大きく変わっていくのではないでしょうか。 こちらに来てジャーナルを読む時間ができたことが収穫の一つ。

地球温暖化で大リーグのホームランが増えているとする研究がアメリカで話題になりました。この研究を可能にしたのは、「スタットキャスト」と呼ばれるデータ解析システム。野球の常識を変えたとも言われるデータ革命によって、温暖化との関係までも分析できてしまったという非常に面白い話題です。論文の筆頭著者に取材しました。

気候変動とジェンダーをつなげて考える必要性を説いてきたメアリー・ロビンソン氏は欧州政界で気候正義に取り組む第一人者と言って良いでしょう。 日本への眼差しは、批判的というよりも本気で心配しているような印象を受けました。