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弱者とは誰か?――乙武洋匡不倫騒動(1/3)
PRESIDENT WOMAN Online
河﨑 環ライター/コラムニスト
執筆・送稿は10日以上前。内容にはかなりの個人的葛藤があったけれど、直後に宋美玄さんや古市憲寿さんの発言があり、同じように乙武さんの背景を思う人々がいるとわかって心強かった。 騒動の枠組み全体を見渡して、”解決すべき問題”はどこにあるのか、誰がもっともノイズを出していたのか探してみる。すると、当事者たちのなかにはもともとなかったことに気づく。当事者たちのなかにあったのは、乙武洋匡という障がいをもつ個人の社会適応をめぐる、平和な均衡。 その「誰も困っていなかった」均衡を覆したのは、障がいと上昇志向を均等にもつ一人の男のリアリティにアレルギーを起こした”健常者社会”だ。障がい者にも性があると”発見”した世間の衝撃と拒否反応といったらなかった。それは、乙武さんが言い続けた「障がい者は聖人じゃない」を、くしくも最高のやり方で世間に知らしめることができた。 世間はこういう複雑なケースを認めることができない。理解できないから。まして政界進出が絡もうものなら……。もっとも大きなノイズが発せられた場、すなわち”解決すべき問題・課題”は、健常者社会の側にあるんじゃないのかな。この件で突きつけられた”ヒリヒリするようなモノホンの多様性”を受け入れる準備が、あるのかな。
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