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TikTokが“生きづらさ”を感じる人に本気で寄り添う理由
小塩 靖崇国立精神・神経医療研究センター 研究員
TikTok Japanでのクリエイター向けメンタルヘルス講習会をさせて頂きました。
そして取材に応えました。
多くの若者の生活に入り込んでいる情報源、プラットフォームとなったTikTokさんが、メンタルヘルスに取り組む、考える機会を提供する。とても重要な動きと思います。
SNSは生活に欠かせないインフラです。思春期の若者のメンタルヘルス不調・障害の予防、早期発見、回復を支える環境作り等のメンタルヘルスケアを促すために、SNSを使わない手はないと考えています。学校の授業等、多くの大人が考えるSNSの使い方教育では、「使用規制・制限」が中心の場合が少なくありません。本来は、「SNSをどう使うか?生活の質、メンタルヘルスを向上させるにはどうしたら良いのか?」という教育が求められます。ちなみに、授業の具体的なアイデアは、高校生や若者と一緒に考えるのが良いと思います。
やや話題が逸れますが、学校ではメンタルヘルスに関する教育内容の充実が進められています。新学習指導要領が根拠です。TikTokクリエイターさんには、こういった学校の授業にどんどん関わっていってほしいです。学校の授業はつまらないなと思っていても、TikTokなら面白いから・・・っていうメンタルヘルスリテラシーの高め方でも良いのです。
『メンタルヘルスを自分ごとに。』
スポーツ界でもメンタルヘルスは重要、アスリート自ら声を上げる時代に
小塩 靖崇国立精神・神経医療研究センター 研究員
アスリートのメンタルヘルスを研究する立場から、コメントします。
国際的には、アスリートのメンタルヘルスケアの必要性について、2018年以降、国際スポーツ団体・学術団体から少なくとも9件の声明文が出されています。それらの声明文では、アスリートのメンタルヘルスケアの充実、そのための教育(メンタルヘルスリテラシー向上)・医療(人材の確保・育成)・研究(実態把握と取り組みの効果検証)の推進が求められています。
声明文は、国際学術誌に掲載された知見に基づいて発表されていますが、そこに日本の研究は一件も含まれていませんでした。日本スポーツ界では、アスリートのメンタルヘルスはタブー視され、実態把握すらほとんど行われていない状況が続いています。そのため、メンタルヘルスケアについて素晴らしい例が存在するものの、体系的なケアや支援策のあり方が整備されているとは言えない状況です。
私たちは日本ラグビーフットボール選手会と共に、国内アスリートのメンタルヘルスケアシステムの構築に向けた調査や実践を行なっています。また、アスリートによるメンタルヘルス啓発の取り組みとして「よわいはつよいプロジェクト」を進めています。
アスリートのメンタルヘルスへの機運が高まっている今、日本でもこの領域の教育・医療・研究に投資されることを期待します。
【最先端】自分の「弱音」を吐き出せるサービス
小塩 靖崇国立精神・神経医療研究センター 研究員
このサービスは、自分の心や思考を人に話して見えやすくするものと言い換えたい。
手帳にスケジュールや日記を描くように、日本でも誰もが気軽に使っているものになったらと思う。
心について話すカウンセリングや心理相談って、マイナスからゼロにするようなイメージだけど、普段から使っていればより良く生きるためのツールになるはず。
日常から感情と思考を客観視するためのツールとして利用して、その先に不安や悩みを相談したり、カウンセラーに気づいてもらうという事例が増えて一般的に共有されると変わっていきそう。
心のことを話せる機会がほとんどないというのは、教育界・スポーツ界・産業界、ライフステージでも思春期や周産期や高齢期と、どこでもどんな時期でも共通して存在する課題。
このサービスが普及して日常的になれば、より良く生きられる社会に近づくし、うつなどのメンタルヘルス不調の予防や早期発見、回復にも役立つはず。
【必見】コロナで心が疲れているあなたに、伝えたいこと
小塩 靖崇国立精神・神経医療研究センター 研究員
「不調や病気になって初めて気がつく」という状況に問題意識を持っています。
精神疾患は、うつ病や不安症といった気分障害だけにしても、4~5人に1人の割合で、一生のうち一度は経験します。予備軍を含めるともっとです。
誰もがかかる可能性のあるものにもかかわらず、そのイメージからなんとなく他人事だと思いたいものでした。
COVID-19感染拡大によって、それが自分事に捉えざるを得ない人が増えてきたように思えます。メンタルヘルスの話題を耳にする機会が増えました。
学校教育では、新学習指導要領で、心の健康/メンタルヘルスに関する内容が充実化されました。高校保健体育では、2022年度から「精神疾患の予防と回復」が扱われます。全国の高校生が、メンタルヘルスケアの重要性や具体的な対処を学ぶ機会を得たことは、将来に向けて非常に大きな一歩だと考えています。
心の様子を言葉にできる、言葉に耳を傾けられる、そんな世の中を目指したいです。
小学校で少人数学級導入 識者に聞く評価と課題
小塩 靖崇国立精神・神経医療研究センター 研究員
学校教育現場で心のケアが充実されることにつながることが期待できるので、少人数化には賛成の立場です。
そのためには教員の質の向上、このために教員養成カリキュラムや免許制度の見直しが必要だと考えています。(子どもや若者が憧れるような学校の先生が登場することも大事だとも思います)
学校に求めるものの第一位が学力から変わってきているのだと思いますが、心を育み生きる力を養うという点は変わっていないはずで、現代に合わせて生きる力を養う学校にするには、学級規模の縮小をしなければ十分でないということだと考えています。心のケア(メンタルヘルスケア)ができる環境を学校で作りたい。
日本の治安の良さ、医療水準の高さなど、他国と比べて安全安心な社会が維持できているのは、基礎学力の底上げができる今の学校教育があってこそだと思うので、ここも崩れないようにしたいものです。
【公務員の未来】2021年は「越境元年」になる
コロナでメンタル不調の女性は半数以上、男性上回る
小塩 靖崇国立精神・神経医療研究センター 研究員
この性差は、コロナ前と大きく変わらない。以前から男性よりも女性の方がメンタルヘルス不調の割合は高い(しかし自殺は男性の方が多い)
メンタルヘルスに関する調査結果の解釈で注意すべきは、回答の仕方。自身の不調について精神的不調、メンタルヘルス不調なのか判断して、それを認めて、回答するかは、メンタルヘルスに関する知識(メンタルヘルスリテラシー)に依存する。
メンタルヘルスリテラシーは、思春期から成人まで、男性で低く、女性で低いという一貫した結果がある。
つまり、男性は女性よりも、自身の不調(気分のムラ、身体の痛み、睡眠や食の変化等)があったときに、メンタルヘルス不調と気がつきにくく、また気づいても認められないことが多い。
調査方法と結果の報告の仕方には注意が必要です。
NORMAL
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