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大阪 新たに1130人感染 2日連続で1000人超え
原田 洸総合内科医・医学博士
コロナの感染が拡大すると、①感染者や重症者が増加する → ②コロナ病床が逼迫する → ③コロナ用の病床数やICUを増やす → ④病院はその他の救急疾患の受け入れができなくなる → ⑤どんな病気や事故で救急車を呼んでも搬送先が見つからない という順で救急医療体制の崩壊が起こってきます。大阪では1週間ほど前から、高度救急医療を担う複数の病院が救急受け入れを制限しており、④~⑤の段階になってきているものと思われます。
また、大阪や兵庫では死亡率、感染力ともに従来株よりも高いと報告されている「N501Y」の変異をもつ変異株の検出率が50%を超えています(全国平均は約20%)。第4波では第3波の時よりも20~50歳代の比較的若い方が重症化するケースが増えてきていますが、これは変異株の影響も考えられます。
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/38215/00391753/1-5_daiyonpa.pdf
新型コロナワクチン 高齢者への接種 きょうから開始
原田 洸総合内科医・医学博士
2月中旬から医療従事者を中心にワクチン接種が開始となり、約2ヶ月が経過しました。ワクチンの仕組みや副反応などについて、国立国際医療研究センターの忽那先生がまとめてくださった記事がわかりやすいので、ぜひこちらもご確認ください。
https://newspicks.com/news/5757765
この間に、新たにわかったワクチンの情報として以下のことが挙げられます。
1、感染そのものを防ぐ効果がある
最初の臨床試験の結果から「ワクチンによりコロナの発症は防げても、ウイルスの感染そのものを防げるかどうかはまだわからない」という見解になっていました。追加の臨床試験で、ワクチンを受けた医療従事者を対象に定期的にPCR検査を行ったところ、90%以上の感染予防効果を示したと報告されています。これは、ワクチン接種をすることで自分から周囲の人に感染させるリスクを減らせることを示唆しています。
2、接種半年後も予防効果を保っている
当初は長期的な予防効果については不透明でしたが、日本で接種されているファイザー社のワクチンでは6ヶ月の期間でも91.3%という高い予防効果が確認されました。
3、変異株にも効果がありそう
ファイザー社のワクチンは変異株の感染が多数を示す南アフリカでも高い有効性を示すことが報告されています。今後、ワクチンの種類と変異株の組み合わせによっては予防効果が乏しい可能性がありうるため、経過を見ていく必要はあります。
コロナ患者、世界初の生体肺移植 家族が提供、京大病院:朝日新聞デジタル
原田 洸総合内科医・医学博士
肺移植には脳死状態の方の肺を移植する「脳死肺移植」と、元気な方(多くは家族や近親者)から肺の一部の提供を受けて行う「生体肺移植」があります。コロナ罹患後の肺に脳死肺移植は世界で数十例の報告がありますが、生体肺移植ははじめてとのことです。
コロナが重症化すると急性呼吸窮迫症候群(ARDS)と呼ばれる状態にしばしば陥り、肺の毛細血管から水が漏れ出て肺が水浸しになります。回復してくる過程で肺が線維化してしまい、ウイルスがいなくなった後も肺の機能が著しく低下するため肺移植が検討されます。
昨年9月までに行われた12例の脳死肺移植の報告でも、コロナに感染してから肺移植を受けるまでは平均79日となっており、長期間回復が見込めない場合の最後の手段として考えられています。
https://www.thelancet.com/journals/lanres/article/PIIS2213-2600(21)00077-1/fulltext
大阪府 新型コロナ 過去最多となる666人感染確認
原田 洸総合内科医・医学博士
感染者数の明確な増加に加えて、変異株の感染拡大により現場が混乱しています。
厚生労働省からの通知で、英国の変異株の患者は従来株の患者と同室で問題ないものの、南アフリカやブラジルの変異株患者は、原則個室での対応(4人部屋などは不可)となっており、病床のマネジメントが難しくなっています。また、変異株の患者は退院するためには2回連続でPCR検査陰性を確認する必要があり、基準が厳しくなっていることから、今後病床が逼迫し、新規の入院患者受け入れが困難になることが予想されます。
感染拡大防止策に加えて、変異株の感染が蔓延している現状に即した柔軟なルール変更が必要だと思います。
コロナ感染、2000人超える 2月6日以来、大阪300人
原田 洸総合内科医・医学博士
感染者数の増加トレンドに加え、変異株ウイルスの感染者数増加が大きな懸念事項です。厚生労働省の発表によると3月23日までの累計で、649例の変異株の感染を確認しています。
https://www.mhlw.go.jp/content/000758149.pdf
変異株の種類によっては、ヒトからヒトへの感染力が高く、致死率もやや高い可能性が報告されていますが、それに加えて変異株への入院に関する厳しいルールが病床逼迫をまねく恐れがあります。
変異株以外の新型コロナウイルスの感染では、若くて元気な方は入院とはならず、入院した方も一定期間が経てばPCR陰性を確認せずに退院することが可能です。
一方で変異株の場合には、現状のルールでは若い方でも「原則入院」となっており、「PCR検査が2回連続陰性」でないと退院ができません。結果的に軽症の患者さんたちが退院できないまま病床を埋めることになり、本当に治療が必要な患者さんが入院できない、というミスマッチが今後起こりかねません。
変異株に関してはエビデンスが不十分であることから慎重に対応するというのは一理あるのですが、これだけ変異株の感染者数が増えている状況であり、柔軟な対応が求められます。
宮城県内で過去最多の人171人の感染確認 仙台市だけで131人
原田 洸総合内科医・医学博士
関東圏や関西圏ほど医療リソースが充実していない地域で、短期間で急激な感染拡大が起こると医療現場は厳しい状況に立たされます。地方になると医療圏にコロナの対応をできる病院が1つしかないといった場合も多く、負担が1か所に集中しやすいためです。
宮城県のホームページを見るとPCR検査数と陽性者数が相関しているように見えるため、「検査数を増やしているから感染者数が増えているのではないか」と思われるかもしれませんが、現場の感覚としてはむしろ逆です。
「感染者が増えているから、検査前確率が高いため検査の閾値を下げる(つまり、あまり感染を疑っていない人にも検査を行う)必要があり、検査数が増える」ということになります。
また、しばしば「感染者数が増えているように見せたいから、検査数を増やしている」といった陰謀論がありますが、もし仮にそうだった場合には検査陽性者数/検査者数であらわされる『検査陽性率』は下がるはずです。宮城県では最近の検査陽性率は8~9%と高い水準になっており、むしろまだ診断されていない「潜在的な感染者」が多いことを示唆しています。
https://www.pref.miyagi.jp/site/covid-19/05.html
ガンバ大阪 “試合後マスクつけず会話“がコロナ感染の要因か
原田 洸総合内科医・医学博士
クラスターが発生した時やコミュニティ内の感染が広がった時にはマスクの着用の有無が注目されがちですが、当然ながらマスクの予防効果は完全ではありません。その他の要因の可能性も十分あり、その一つが手を介した感染です。
多くの人の手が頻繁に触る場所は「高頻度接触面(high touch surfaces)」と呼ばれ、重点的に消毒が必要で、病院内での耐性菌の感染拡大を防ぐ時にも重要視されるポイントです。日常生活では手すり、ドアノブ、トイレのレバー、蛇口、電気のスイッチなどが高頻度接触面の例で、こまめにアルコール消毒をするのが感染防止には有効です。
とはいえスポーツチームなど、生活の場をある程度共有している場合には、いくら気をつけていても内部での感染拡大を防ぐのは困難な場合が多く、外から持ち込まないように気をつけるのが一番だと思います。

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