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新型コロナワクチン、「感染予防効果なし」は誤り。ワクチンの効果、副反応について専門家に聞きました
原田 洸総合内科医・医学博士
記事で書かれているようにファイザー/ビオンテック、モデルナのmRNAワクチンは高い有効性と安全性が臨床試験で示されており、第3相試験までの正規のプロセスを経ているワクチンです。
ワクチンのネガティブな側面ばかりがセンセーショナルに報道されると国民全体の不利益に繋がります。今後もデマや誤解を招く情報が拡散されやすい分野ですので、ニュースを受け取る側としては、センセーショナルなタイトルの記事を見た時には批判的な吟味が必要です。
重症者施設2割で専門医ゼロ 首都圏、コロナ入院困難
原田 洸総合内科医・医学博士
集中治療室をどこの専門科の医師が管理しているかは病院によって様々です。集中治療専門医だけで回している病院の方がむしろ珍しく、救急医、麻酔科医、循環器内科医、呼吸器内科医などが管理しているところもあれば、それぞれの科の主治医がみているというパターンも多いです。専門医がいればそれに越したことはないですが「集中治療の専門医がいないから管理ができていない」というのは現場の感覚とはやや乖離があるかと思います。
重症患者の治療には、ICUの知識や経験をもった看護師や、人工呼吸器や透析機器の管理を行う臨床工学技士など様々な職種が関わります。マンパワー不足の問題はむしろそちらの方が大きいかもしれません。
20年の自殺者数2万919人 11年ぶり増加 コロナ影響の可能性
原田 洸総合内科医・医学博士
厚生労働省の発表では2019年の自殺者数が20,169人で、そこから750人(3.7%)増加したということになります。
自殺の原因や動機の特定はしばしば困難ですが、警察庁の資料によると「健康問題」が約5割で最多とされています。がんなどの身体疾患で悩み命を絶つ方もいれば、うつ病や統合失調症などの精神疾患の影響で亡くなる方もいます。医療現場では、がん告知などbad newsを伝えた後の多方面からのフォローアップなど、改善すべき点はまだまだありそうです。
http://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/R02/R01_huroku.pdf
月別のデータで見ると1月~6月は前年よりも減少しているものの、7月~12月は増加しており、特に10月は42.9%増と極端に増えています。著名人の自殺のニュースが増えた時期でもあるため、原因はコロナ関連以外でもありそうな印象ではあります。
https://www.mhlw.go.jp/content/202012-sokuhou.pdf
効果は? 安全性は? 新型コロナワクチンについて知っておきたいこと Q&Aで医師が解説
原田 洸総合内科医・医学博士
今後数ヶ月以内に皆さんや皆さんの家族が、ワクチン接種を受けるかどうかの判断を行う時が来ると思います。こういった記事を参考に今から考え始めておくことをお勧めします。
ワクチンに関する報道は副反応などのデメリットが強調される傾向にありますが、そもそものワクチンの有効性について理解しておく必要があります。ファイザーやモデルナのmRNAワクチンは「95%の感染予防効果」という高い有効性を臨床試験で示しています。逆にいえば、ワクチンを受ける/受けないという選択肢を提示された場合に受けない選択肢を取ることは、受ける選択肢と比較して20倍の感染リスクを背負うことになります。
重篤な副作用としては10万人に1人の頻度でアナフィラキシーというアレルギー反応が起こることがありますが、言い方を変えれば99.999%の人は重篤な副作用はなく接種を受けることができるということにもなります。
ワクチンに関しては、しばしばデマや科学的根拠がない情報が飛び交います。ワクチン不信により接種率が低下し、感染流行が起き、深刻な公衆衛生上の問題を引き起こした事例は、歴史を見ると枚挙に暇がありません。不正確な情報に惑わされず、メリット・デメリットを天秤にかけた上で冷静に判断して頂きたいと思います。
全国で新たに5320人感染確認 死者は最多の104人 重症者は初の1000人超
原田 洸総合内科医・医学博士
多くの感染症では発症して数日以内に症状のピークを迎えますが、コロナで重症化する場合、発症してから7日~10日に悪化のピークを迎えるという特徴があります。そのため感染者数の増加と重症者数の増加には1週間程度のタイムラグがあります。今後、緊急事態宣言や外出自粛の効果で感染者数が減ったとしても、残念ながら重症者数や死亡者数はしばらく増加のトレンドになることが予想されます。
また、重症者の多くは気管挿管をし人工呼吸管理中の患者だと思いますが、人工呼吸器の離脱にはしばしば数週間単位の期間を要し、離脱できたとしても日常生活に戻るためには長期間のリハビリが必要です。救急医療や急性期の役割を担う病院の病床数を十分確保するためには、回復期の役割を担う病院が積極的にコロナの患者を受け入れるような体制づくりも重要になります。
病院でクラスター発生 入院患者31人死亡 感染310人 埼玉 戸田
原田 洸総合内科医・医学博士
現場で対応にあたっている医療者のことや、入院している患者さんとその家族のことを考えると非常に胸が痛むニュースです。院内感染が広がる理由はいくつかあります。①予定入院や全く関係のない主訴で来院した患者が実はコロナだった、②肺炎や発熱がある患者にPCR検査をして陰性だったが後にコロナと判明した(偽陰性)、③医師や看護師などの職員が外部で感染し患者に広めてしまった、などのパターンがあります。こういった理由で、コロナ診療を行っていない病院でも感染が拡大する事例がしばしば報告されます。
日本でのコロナの死亡率は全体では1~2%ほどですが、70歳代は5~10%、80歳代は15~20%と極端に高くなります。病院に入院中の方はその大半が70歳以上の高齢者であり、ほぼ間違いなく基礎疾患のあるハイリスク患者であるため、感染者数が増えた時に重症化したり死亡したりする可能性が格段に高くなります。そのため「310人が感染した場合に31人が死亡する」ということは、残念ながら他の病院や高齢者施設でも十分起こりえます。
手洗いやアルコール消毒、マスクやアイガードの着用、検査を過信しすぎずガードを緩めないことが重要ですが、市中感染が蔓延している現状ではいくら対策を徹底していても難しい状況です。起こりうるものと想定し、起こった場合の迅速な対応が求められます。
大江戸線運転士の集団感染、「盲点」だった共用洗面所の蛇口
原田 洸総合内科医・医学博士
蛇口を介して感染が広がったのはあくまで可能性の1つであり、断定するのは難しいと思います。生活の場を共有している場合、食事や会話で直接飛沫が飛ぶこと以外にも、感染者の飛沫が手から手へと伝わり感染が広がるケースはよくあります。
多くの人の手が頻繁に触る場所は「高頻度接触面(high touch surfaces)」と呼ばれ、重点的に消毒が必要で、病院内での耐性菌の感染拡大を防ぐ時にも重要視されるポイントです。手すり、ドアノブ、トイレのレバー、蛇口、電気のスイッチなどが高頻度接触面の例で、こまめにアルコール消毒をするのが感染防止には有効です。非接触型のセンサーに置き換わるのが理想的で、病院内でも非接触型のものが最近は増えてきています。
とはいえ家庭内や寮、高齢者施設など生活の場を共有している場合には、いくら気をつけていても中での感染拡大を防ぐのは困難な場合が多く、外から持ち込まないように気をつけるのが一番だと思います。
新型コロナ後遺症の解明なるか 陰性後も肺に炎症 ネコで実験
原田 洸総合内科医・医学博士
新型コロナウイルスがヒト以外の動物に感染した場合に、どういった臓器に変化が起こるのかは十分解明されていません。この研究ではネコがコロナウイルスに感染した場合にどの臓器に影響が出るかを調べています。
感染したネコの病理解剖では、感染後に無症状であったネコでも肺に炎症をきたしていることがわかりました。
そもそもコロナウイルスはヒトの下気道、すなわち肺に親和性があり炎症を起こすため厄介なのですが、ネコでも同様の現象がみられたことが示唆されます。
論文のオンライン掲載はこちら
https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/27/2/20-3884_article
東京都で2447人感染確認 重症者121人ともに過去最多
原田 洸総合内科医・医学博士
医療崩壊のわかりやすい指標として、「救急車を呼んでも受け入れ先の病院が見つからない」事例の増加が挙げられます。東京都では5件以上救急搬送を断られた、もしくは搬送先の決定に20分以上かかった事例を「東京ルールの適用件数」とし、モニタリング指標の1つとして公開しています。10月、11月は1日 30件程度でしたが、年末からこの件数が顕著に増えており、1月5日には112件となっています。交通事故や予期せぬ急病で救急車を呼んでも、受け入れ先の病院が見つからないかもしれません。
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/cards/number-of-tokyo-rules-applied/
「欧米よりも感染者数や重症者数が少ないのに、医療崩壊するのはおかしい」と思う方もいるかもしれません。医療の提供体制や医療水準は国によって大きな差があり、一概に比較はできません。医療体制は主に、1:医療の質、2:アクセス、3:コストで評価されます。日本は比較的少ない医療者で(言い方を変えれば医療者の過剰労働に支えられて)、この3つを高い水準で達成していると評価されることが多いです。
欧米の先進国でも、アクセスが悪く「救急車で運ばれたのに廊下で数時間待たされる」「救急外来を受診しても半日待たされる」とかコストが高く「盲腸の手術に数百万円かかる」という国もあり、平時に日本人が海外の医療機関を受診しただけでも「医療崩壊だ」と感じることも多々あります。彼らが定義する医療崩壊と日本の医療者が感じる医療崩壊は水準が大きく異なります。
医療崩壊の定義は様々ですがコロナ患者の急増により「当たり前に受けられるはずの医療が受けられない」状況になっていると、多くの医療者が感じていると思います。
餅詰まらせ90代男性死亡 5人搬送、東京消防庁
原田 洸総合内科医・医学博士
餅による窒息の件数を正確に集計した統計データはありませんが、「食物での窒息による死亡者数」の統計データを解析した研究結果があります。
2006年~2016年の死亡統計データを解析したところ、「食物での窒息による死亡」は1年間で1日平均13例ですが、最も増えるのが1月1日~3日であり、1月1日(平均71例)が最も多く、次いで1月2日(55例)、1月3日(45例)となっています。なお、この件数は餅以外の食物も含めた「食物による窒息」のデータです。
明日以降も注意が必要な「餅による窒息」ですが、注意を促したい高齢者層に警告が届きにくいというのが課題です。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/advpub/0/advpub_JE20200057/_article/-char/ja/
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