Picks
219フォロー
6300フォロワー



【発見】なぜ運動すると、心と頭も元気になるのか
須田 桃子NewsPicks 副編集長 / 科学ジャーナリスト
今回の「ディープな科学」は、心の健康や記憶・学習に対する運動の効能について、本連載で初となる平岡記者の取材・執筆でお届けします。リモートワークだとどうしても体を動かす機会が減ってしまいますが、定期的に体を動かそう、と改めて思いました。
うつ病になると記憶力や認知力も低下する、という点については、駆け出しの頃、当時の厳しすぎる上司に叱られてばかりの時期に、自分でも不思議なほど、ケアレスミスが増えてしまったのを思い出しました。病気には至らなかったものの、だいぶ切羽詰まっていたのかも……。

【注目】ドイツの電力は2035年に100%再エネになる
須田 桃子NewsPicks 副編集長 / 科学ジャーナリスト
脱原子力政策を取り、今年の年末、原発ゼロという節目を迎えるドイツ。ウクライナ侵攻によるエネルギー危機を、どう乗り切るのでしょうか。日本とも深い関わりを持つミュンヘン工科大学のミランダ・シュラーズ教授へのインタビューを通して、ドイツのエネルギー政策や最近の状況、放射性廃棄物処分に向けた取り組みなどをご紹介します。
Zoomでの取材でしたが、超多忙な中、穏やかかつ丁寧に、言葉を選んで話してくださる姿が印象的でした。
エネルギー政策において「倫理」の視点がなぜ必要なのか、記事を読みながらぜひ一緒に考えていただけたら嬉しいです。
ところで、日本ではよく、ドイツは再エネに転換したために電力不足に陥り、結局、原子力大国のフランスから輸入している、という人がいますが(先日は経産省の方までそう言っていました)、実態は異なります。記事中にもあるように、ドイツは電力を輸出しており、主な輸出先はフランスです。ドイツは停電が多い、も全くの誤りです。
初日の記事でご紹介したように「原子力は安くて安定的」も事実とは言えません。そうした数々の誤解が横行していることが、エビデンスベイストの冷静な議論を妨げているように思います。その間に日本は、グローバルな変革から取り残されてしまうのではないか。取材の過程でそんな危惧も覚えました。
特集「原発エコノミーの真実」はひとまず終わります。5日間、記事を読んだり、動画を視聴したりしてくださった皆さま、ありがとうございました。

【検証】なぜ日本は核燃料の「再利用」にこだわるのか
須田 桃子NewsPicks 副編集長 / 科学ジャーナリスト
特集4日目。ウラン燃料を再処理・加工してもう一度使う「核燃料サイクル」の現状をお伝えします。巨額を投じたもんじゅが失敗に終わり、「資源を増やす」という夢のような話が潰えた今も、当面の目的を変えてプロジェクトが進行中です。
取材の過程で驚いたのは、六ヶ所村の再処理工場やMOX加工燃料が将来、稼働しても、そこで作られるMOX燃料は海外で作ってもらうより「高くなる」という日本原燃関係者の話でした。もちろん、海外で作る場合の往復の輸送代込みでの話です。
海外からMOX燃料を輸入すると、元のウラン燃料の約9倍になることがなることがすでにわかっています。それ以上高くなってしまうのだとすると、あまりに不経済な「リサイクル」ではないでしょうか。
記事中にもあるように、再処理工場は元々、1997年に完成予定だったのですが、すでに25回も竣工を延期しており、26回目の延期は避けられない状況です。規制庁の担当者がふと漏らした「動かない方が安全だからいいんじゃないですか」という言葉も印象的でした。
過去には英国ウインズケール(現セラフィールド)再処理工場をはじめ、米国、ロシア、フランスなど各地の再処理工場で火災・爆発事故が起きており、その中には従業員の被曝や環境中への放射能漏れを伴うものも複数ありました。六ヶ所村の再処理工場の原型となった東海村の施設でも、1997年に作業員が被曝する火災事故が起きています。

【直言】レジェンドが語る、これからのエネルギー
須田 桃子NewsPicks 副編集長 / 科学ジャーナリスト
特集3日目は、半世紀にわたりエネルギー研究の第一線で活躍するエイモリー・ロビンス氏のインタビューをお届けします。
究極のエコハウスとして知られる自宅兼研究所から、Zoomで取材に応じてくれました。窓の外には雪が降っているのに、屋内にはバナナがなっているという不思議。今回の取材ではそのシステムについては聞けませんでしたが、いつか行ってみたくなりました。
長年日本の企業の顧問を務めるなど日本との関わりも深いロビンス氏。日本のエネルギー政策も熟知しているようで、補助金の話題になったときに、2019年に発覚した関西電力の金品受領問題にさりげなく言及されたのには驚きました。
また、再エネについては、これまでの固定観念が破られる話が多く、海外の先進事例をもっと知りたくなりました。

【最新】動画でわかる、福島原発事故の「これまで」と「今」
須田 桃子NewsPicks 副編集長 / 科学ジャーナリスト
廃炉に向けた作業が進む福島第1原発の現状や帰還困難区域の様子、周辺地域に住む人々の思いを、コンパクトな要点解説を盛り込んだ動画でお伝えします。
福島第1原発の構内に入ったのは、今回が初めてでした。多くのエリアでは厳重な防護服なしに歩けるとはいえ、建屋内に積み重なった瓦礫、撤去されないままの重機など、事故当時に近い場所が幾つもあり、震災と事故の凄まじさが伝わってきます。あまりに高い線量計の数値に終始、緊張していました。
原発周辺の帰還困難区域にはツタが絡まった住居や店舗が立ち並び、道端には止まったままの自販機も。人影だけがなく、まさに時が止まったような光景です。車で縦断し、地図上で見ただけでは掴めなかった広さを実感しました。事故の経過次第では、こうした区域はもっと広がっていたかもしれません。
帰還困難区域に住んでいた方はもちろん、それ以外の地域に住んでいた方でも、事故前の日常を取り戻せていない人は今も大勢います。
ひとたび大きな事故が起きたときに、これだけ深刻な、長期にわたる被害を及ぼす発電施設は他にありません。福島の現実を踏まえずして原子力の利用について語ることはできない。改めてそう感じた3日間でした。
一緒に取材した中居記者によるテキストの記事もぜひ併せて御覧ください。
【現場ルポ】福島第1原発、廃炉のゆくえ
https://newspicks.com/news/7156543

【現場ルポ】福島第1原発、廃炉のゆくえ
須田 桃子NewsPicks 副編集長 / 科学ジャーナリスト
5月半ばに、廃炉に向けた作業が進む福島第1原発の現状や帰還困難区域の様子、周辺地域に住む人々の思いを取材してきました。取材チームの中居記者によるルポです。
廃炉に向けた作業の進捗については昨年も取材しましたが、大きな進展は見られませんでした。喫緊の課題とされる構内の汚染水は今も日々、発生しています。
地元の方々の声を聞き、汚染処理水の海洋放出を巡っては、その是非だけではなく、国や東電の決定のプロセスにも問題があったと感じました。
もう一つの焦点である燃料デブリは、人も近づけない強い放射能をもつ上に、溶融した各号機ごとに形状や性質が異なります。
(詳しくは昨年の記事https://newspicks.com/book/2816/article/5774305?ref=book_2816 で解説しています)
事故から11年経ち、1グラムを試験的に取り出す計画が進んでいますが、デブリの全量は少なくとも880トン。作業従事者の被曝リスクもあります。今後、全量取り出しが可能なのか、あるいはベストの方策なのかを、再検討せざるを得ない状況があるかもしれません。
構内や帰還困難区域の様子が盛り込まれた動画の方も、ぜひ併せてご覧ください。
https://newspicks.com/news/7151554/body/?ref=user_3618331

【徹底検証】未来のエネルギーに原子力は必要か
須田 桃子NewsPicks 副編集長 / 科学ジャーナリスト
脱炭素やエネルギー安全保障の文脈でにわかに「復権」しつつある原子力発電。今日から始まる特集「原発エコノミーの真実」では、主にその経済合理性に焦点を当て、「日本の未来にとって選ぶべきエネルギーなのか」を検証していきます。
原発を巡る議論のテーマは多々ありますが、安全性やそれに基づく再稼働の是非となると議論が二極化しがちです。
もちろん、安全性は原発を利用する上で大前提となる重要なテーマですが、今回はあえて経済合理性にフォーカスすることで、エビデンスベイストの建設的な議論ができるのでは、と考えました。
記事では、できる限り最新のデータや事例を紹介しています。
原発の電気は安くて安定的だ、あるいは気候変動の解決策として有効だと思っていた方にとっては、意外なデータも多いのではないでしょうか。
原子力への依存度が世界で最も高いフランスの事例にも注目していただけたらと思います。

NORMAL