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ファースト・リパブリック、複数銀行が300億ドルを預金へ
田中 道昭立教大学ビジネススクール 教授
民間大手11行による支援策合意は率直に高く評価されるべきであると思います。リーマン危機の際、競合も支援するなどして「真のバンカー」等と称賛される一方、その後訴訟等も抱えて苦労を重ねてきたJPモルガンのダイモンCEOの動向が今回も注目されていましたが、同行も中心となり民間で支援策を打ち出したことは、同人が予ねてから「次の危機時には政府主導の救済策であってはならない」と主張してきた強い信念が根底にあるのだと分析されます。資産と負債のミスマッチ、流動性のミスマッチも市場からテーマにされている中で危機の連鎖には予断を許さない状況ですが、この局面での民間での支援策という一手は後で振り返っても大きな意義のあることになると予想されます。前回の金融危機を経験した経営者が現在も危機救済の中心にいることは心強いです。
SVB破綻は金融システムの亀裂示す-ブラックロックのフィンク氏
田中 道昭立教大学ビジネススクール 教授
世界最大の資産運用会社ブラックロックのフィンクCEOによる恒例の株主レター。「ドミノは倒れ始めているのか」という箇所において、昨年来インフレ退治で利上げを実施してきたことを第1のドミノと表現。今回のSVB破綻は第2のドミノとして資産と負債のミスマッチというテーマに拡大する可能性を指摘。さらには第3のドミノが流動性のミスマッチに発展する危険性も指摘しました。リーマン危機も当初は「例外的な資産クラスである」と指摘されていたサブプライムローン危機から始まり、最後は大手米銀にも資本注入という金融危機に発展しました。現在と同危機の違いは数多く存在しますが、少なくとも上記2つのミスマッチには留意することが重要だと思います。
https://www.blackrock.com/corporate/investor-relations/larry-fink-annual-chairmans-letter
米メタ、1万人削減=昨年に続き、組織効率化
田中 道昭立教大学ビジネススクール 教授
社名まで変えてメタバース注力のメタですが、フェイスブック等からの広告収入が全体の98%という事業構造であり、昨年はプライバシー規制や景気減速懸念からの企業の広告費削減等を受けて通年で初の減収となっていました。一方、実際により深刻なのは若い世代のフェイスブック離れ。ピューリサーチセンター調査によると同SNSの10代利用率は14年の71%から22年には32%に低下。業績改善の要諦はコスト削減ではなくSNSの利便性・セキュリティー・共感性を高めていくことであると分析されます。CEOによる「効率化の年へのアップデート」という14日付開示では、「フラット化は迅速化」との見出しもあり、複数の階層を取り除くことが明記されていますが、人員削減・降格に加えて協働・管理範囲が広がることで効率化が本当に向上するのかが気になるところです。若い世代の支持が得られるかが問われています。https://about.fb.com/news/2023/03/mark-zuckerberg-meta-year-of-efficiency/
フェイスブック親会社メタ、1万人規模の人員削減を見込む
田中 道昭立教大学ビジネススクール 教授
社名まで変えてメタバース注力のメタですが、フェイスブック等からの広告収入が全体の98%という事業構造であり、昨年はプライバシー規制や景気減速懸念からの企業の広告費削減等を受けて通年で初の減収となっていました。一方、実際により深刻なのは若い世代のフェイスブック離れ。ピューリサーチセンター調査によると同SNSの10代利用率は14年の71%から22年には32%に低下。業績改善の要諦はコスト削減ではなくSNSの利便性・セキュリティー・共感性を高めていくことであると分析されます。CEOによる「効率化の年へのアップデート」という14日付開示では、「フラット化は迅速化」との見出しもあり、複数の階層を取り除くことが明記されていますが、人員削減・降格に加えて協働・管理範囲が広がることで効率化が本当に向上するのかが気になるところです。若い世代の支持が得られるかが問われています。https://about.fb.com/news/2023/03/mark-zuckerberg-meta-year-of-efficiency/
イトーヨーカ堂創業者・伊藤雅俊セブン&アイ・ホールディングス名誉会長が98歳で死去
田中 道昭立教大学ビジネススクール 教授
セブン&アイの本社に行くと一階の会議室前の壁には伊藤雅俊氏の「お客様は来てくださらないもの、お取引先は売ってくださらないもの、銀行は貸してくださらないもの、というのが商売の基本である」という訓示が掲げられています。顧客がお店に来てくれるのは当たり前ではないという謙虚な姿勢が、顧客に提供する商品サービスや社員の行動に練り込まれているのかが同社グループの経営改革でも重要な遺言になると思います。4月から同社代表取締役に就任するご子息の伊藤順郎氏とは個人的にも大変懇意にさせていただいていますが、この訓示を体現したような謙虚で顧客起点の経営者。雅俊氏の優れた帝王学が窺われます。謹んでお悔やみ申し上げます。
シグネチャー・バンクも破綻、米銀史上3番目の規模 預金者保護へ
田中 道昭立教大学ビジネススクール 教授
48時間以内にシルバーゲート銀行、シリコンバレー銀行と2つの銀行が破綻した米国。WSJでは、2行の共通点である「急ピッチの利上げで業績が低迷している業界を対象にしていること」「コロナ禍での大量の預金流入を主に証券投資に仕向けていること」に着目して、投資家が次はどこになるのか警戒していると報じていました。暗号資産(仮想通貨)関連企業との取引で知られるシグネチャー・バンクも破綻したことから、金融当局は「次はどこか」という負の連鎖を止めるためにも不可欠な対応だったと思います。また3つの銀行の共通点を探すのがマーケットや投資家の悪しき習性。引き続き要注意です。https://www.wsj.com/articles/silicon-valley-bank-crisis-unsettles-bank-investors-bc4ee834
外交関係修復で合意 中国など仲介、大使館再開へ―サウジ・イラン
田中 道昭立教大学ビジネススクール 教授
西側諸国のロシアへの経済制裁後、脱ドルを進めるロシアと呼応してペトロ人民元、即ち人民元での石油取引及び同通貨決済取引を拡大させてきた中国。教条的であると批判し米国から距離を置いてきたサウジと、何とイランとの外交関係修復もお膳立てした中国のソフトパワーは脅威です。イスラエルのメディアは同国にとって大きな脅威となる合意であるとネタニヤフ政権への批判を強めています。中東での協調はここで宗派的対立より国家戦略に起因。中東のみならず世界的なパワーバランスに大きな影響を与える今回の合意。米国の巻き返しに期待するしかない日本ですが中東政策の見直しは不可欠。むしろ日本のソフトパワー発揮がより重要だと思います。

【3分解説】景気減速で試練、ビッグテック決算総まとめ
田中 道昭立教大学ビジネススクール 教授
GAFAMが5社揃って減益というのは1年前では考えられなかったような光景だと思います。コロナ禍の特需で業績を伸ばし、先行して人や設備に投資してきたGAFAM。その特需が剝げ落ち、業績悪化でレイオフを始めています。但し、景気後退懸念による広告費削減の影響、過大投資による余剰キャパシティ、顧客離れなど要因は各社によって違いがあります。
ここで重要なことは、「特定企業にとって特別なこと」、「GAFAM全社にとって特別なこと」、「他の米国企業にも波及する恐れのあること」、「日本企業も影響を受ける恐れのあること」をきちんと峻別して見ておくことではないかと思います。
GAFAM5社決算から占う2023年の世界。多くの業種の企業にも示唆的なものであると思います。

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