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1日に8人も命を落とす子宮頸がん ワクチン「9年の空白」が招いた重い代償
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
HPVワクチンの周知に大阪市が力を入れており、わたしが代表をしている専門家有志の啓発団体「みんパピ!みんなで知ろう
HPVプロジェクト」と協働で取り組んでいます。
この企画はなんばのパルコで行い、吉本興業のスパイクさんにご参加頂き、普段よりは多くの方に届いたかと思いますが、それでも一部の人にしか情報は届いていません。
本来は学校などで情報提供がなされるべきと思います。
HPVワクチンについてちゃんと知る機会のなかった方々からは「なぜこんな大事なことを学校で教えてくれないのか」とよく言われます。
健康を、命を守るために必要な情報、もっと伝えないとです。接種するかしないかは個人の選択ですが、知らないことには選択できません。
経口中絶薬のパブコメ、賛成・反対割合は「2:1」 厚労省「なるべく早く審議できるよう整理」
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
この件は、賛成派反対派双方とも「パブコメを送りましょう!」と煽動していました。そして、パブコメを送る人というのは世の中のほんのごく一部の限られた人だけで、
この「賛成・反対割合」は純粋な世論を反映しているとはいえません。
そもそもすでに承認の方向で、実際の運用などについてのパブコメ、という位置づけであったと思われます。
大前提として、日本では原則として中絶は禁止されていて、条件を満たした場合のみ認められています。
なので、経口中絶薬が承認されたからといって、安易に中絶できるようになるわけではありません。
中絶できる条件はこれまでと変わらず、中絶する方法の選択肢が増える、ということです。
あくまで選択肢なので、中絶する女性本人が選べるので、
その選択肢が増えることを妨げるのは合理的でないですし、
懸念があるにしてもそれは運用の工夫でコントロールするべきかと思います。
【速報】経口中絶薬「メフィーゴ」、24日は審議せず パブコメに1万2000件
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
本日の審議で正式に承認される見込みとなっていた経口中絶薬の審議が延期、先月行ったパブコメが1万2000件にものぼりその対応に時間を要していることが理由。
民意を届ける手段としてパブコメは大事な存在ですし、
世間からの注目がある案件でパブコメが多く集まるのは致し方のないことですが、
それにより審議が遅れてしまうというのは、薬を必要としている人にとって本末転倒ですし、
システムの問題で改善できる部分は多少なりともあるのでは、、ほかの省庁のパブコメでも起こりうることかと思うので、デジタル庁に期待したいです。
経口中絶薬については、替えのないものではないので(手術により中絶が可能)、一刻を争うわけではありませんが、
パブコメが集まりすぎてしまうことにより審議が遅れたのは今回がはじめてではなく、9価HPVワクチンの時にも起こったことです。
単に賛成、反対を伝えたいだけの場合は選択肢とする、
1人で何通も送れないようにするなど、
システムの改善により再発が防止されると、担当の方たちの負担軽減にもなるのではないかと思います。
保育所利用、就労条件を緩和 育休給付、非正規労働者を拡大

「子宮頸がんのない未来」は見えるか。HPVワクチンの現在地
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
HPVワクチンについての網羅的な記事を9価が定期接種の対象となる直前のタイミングでだして下さりさすがです。
記事内容に少し補足しますと、
・HPVワクチンの接種率が低かったために子宮頸がん罹患率が増えているわけではないです。(今後、接種率が高ければ減るはずの罹患率が減らない、という影響は予想されています。)
・WHOの目標を達成している国はまだオーストラリアくらいで、オーストラリアでも「かつてあった病気」にはまだなっていないです。オーストラリアでは2028年に撲滅(10万人あたり4人以下)されるやろうと推測されています。ただ、今後続々とほかの国でも子宮頸がんの患者さんは減っていくと思われます。
産婦人科医として伝えたいことを要約すると、
・子宮頸がんは女性ならだれもが若くしてもかかりうる病気ですが、
・16歳までのHPVワクチン接種と20歳からの子宮頸がん検診とで予防できます
・17歳~1997年度生まれまでの女性はキャッチアップ接種として今なら特例で無料で接種できます(はやい方がより有効)
・HPVワクチンの安全性は確認されています
・男性にとっても有効ですが今はまだ自費で、定期接種化を求めています
以上です。子宮頸がんにかかった患者さんから、予防できる方法があるのになんで(日本社会は)もっと教えてくれなかったのか、と言われると本当に心が痛みます。わたしも有志で啓発に尽力していますが、限界があります。ぜひメディアのみなさまや学校、そして周囲への口コミで周知を広めていって頂きたいです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【教えてプロ】出生数「過去最少」今からできることは何か?
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
#教えてプロピッカー の回答にご協力させて頂きました。
出産可能年齢出生数が減っていき、結婚や育児を希望する人の割合も減っていくという傾向を考えると、希望出生率が達成されたとしても、出生数が減っていくことは避けられないので、
希望出生率を叶えるための取り組みと並行して、
歪んだ人口構成でどう社会を維持するのか、についての議論も非常に重要。
そして結婚したくてもできない人が結婚できるように、という観点ももちろん大事ですが、
結婚は面倒やけど子どもはほしい(無責任なわけではなくちゃんと育てたい)という価値観の人が増えつつある傾向も受け止めて、制度など柔軟に見直していく必要があると思います。
菅前総理「出産費用を保険適用にすべき」 政府の子ども政策強化とりまとめを前に
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
保険適用すると3割自己負担となるので、地域によっては自己負担が増えてしまいますが、その部分については助成されて、
>標準的な費用は国が予算をつけて無償化すべき
となるのが理想です。
付加価値でほかと差別化したい病院は自費で行うところもあると思いますが、それはそれでよいと思います。
分娩費用だけでなく、妊婦健診も保険適用となるのがありがたいです。
合わせて、避妊のための医療費や中絶も保険適用として頂きたいです。
これらも現状自費で、しかも分娩費用のように助成はでません。からだの自己決定権のための大事な医療に経済的なハードルがあるのは改善されてほしいと産婦人科医として願います。
子宮頸がん「9価HPVワクチン」15歳未満は2回接種 4月から開始
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
HPVワクチンについて少しずつ世界標準に近づいていますが、4月からの変更が少々ややこしいので整理しますと
・小6~高1女子は無料
・1997-2007年度生まれの女性は特例で2024年度まで無料(ただし早めの接種が推奨)
・2/4価よりもより有効な9価ワクチンも無料に
・1回目接種時に15歳未満の場合は9価ワクチンなら2回接種
・1回目接種時に15歳以上なら3回接種
9価はより有効ですが、安全性はほぼ同等です。
HPVワクチンの安全性にまだ不安があり躊躇している方もいるかと思います。2013年に報道された副反応疑い症状は、その後の研究で、HPVワクチンを接種していない群でも同程度みられる、つまりHPVワクチンが原因とはいえず、安全性が確認されています。
子宮頸がんは女性ならだれもがなりうる病気です。前がん病変も予防できるのはHPVワクチンだけです。ぜひ接種をご検討下さい。
2回接種の場合は半年~1年あけて、なので、春休み→秋or冬休み の接種スケジュールは学生さんには受診しやすいかと思います。
「自分と向き合う」卵子凍結 祖母の死で見えてきた母になる意味
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
この方の場合は、将来妊娠を望むかもしれないけど今はまだそのパートナーがいない、ということで卵子凍結が1つの選択肢となりましたが、記事中にある
>出産時期を遅らせ
ることができる、という認識は訂正が必要です。
妊娠出産育児のリスク因子は卵子の年齢だけではありません。遅らせずにすむ妊娠は遅らせないに限りますし、遅らせずにすむ社会であるべきです。
ただ、例えばアスリートの方や、まだパートナーが見つからない、という場合には、選択肢となりえます。
なお、日本産科婦人科学会のスタンスは「推奨しない」ではなく「推奨はしない」です。やめた方がいい、ではなく、おすすめするものではない、という意味です。
また、AMH検査で卵巣年齢が分かる、と見たことがある方がいるかもですが、実際に卵巣年齢が分かるわけではなく、高ければまだ大丈夫、低いともう産めない、というものではありませんので、注意が必要です。
卵子凍結「推奨はしない」 日本産婦人科学会が改めて見解
稲葉 可奈子産婦人科専門医 医学博士
広くあまねくおすすめするものではないので、妥当な見解と思います。
「推奨しない」ではなく「推奨はしない」なので、やらない方がいい、という意味ではないです。
あくまで一つの選択肢として、
将来子どもを望んでいるけれども、なんらなのやむを得ない事情で今は妊活できない、という場合には検討されうるかと思います。
妊娠率も妊娠出産リスクも、卵子の質だけで左右されるわけではなく、年齢とともにリスクはあがるため、
卵子凍結という方法があっても、先延ばしにせずにすむ妊娠を先延ばしにすることはおすすめはされません。
ただ例えば、アスリートの方など特殊な状況であったり、まだパートナーが見つからないなどの場合には選択肢になりうると思います。
そういうケース以外で、職場の雰囲気とか仕事の都合などで自分の意志に反して妊娠したい時に妊娠できない、ということがまだ今の日本ではありますが、卵子凍結があるからこのままでいい、では全くなく、ここは改善されていかなければならない部分です。
職場などで間違っても「なんで今妊娠するの?卵子凍結すればいいじゃない、補助もでるし」のようなマタハラが起こりませんように。

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