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【読書】思考力を格段に上げる、具体化と抽象化の「往来術」
NewsPicks編集部
矢野 和男(株)ハピネスプラネット 代表取締役CEO (株)日立製作所 フェロー
具体と抽象の往来が大事なことは、全く同感である。  私の最も被引用件数の多い論文(685件の引用がある)は、コンピュータの論理回路に関する基本的な論文である。元々は、コンピュータ全体の話でも、論理回路一般の話でもなかった。  研究を実施している時には、高速の乗算器(掛け算をするハードウエアでコンピュータの一部である)の検討をしていたのである。極めて具体的、具体物に関する研究であった。  ところがこれを論文にまとめる時に、その時の上司に、この中に使った回路に、論理回路の一般的な概念として名前をつけるよう指導された。すなわち、より抽象化してとらえるよう指導されたのである。その結果、「高速乗算器」の研究発表ではなく、「高速な論理回路の提案とその乗算器における実証」の論文に変わった。その結果、様々な論理回路の教科書や論文に広く引用される論文になった。  まさに、具体と抽象を往来する最初の大きな経験であった。以来、これに味を占め、具体的な努力と、適度な抽象度による表現とをバランスより織り交ぜることが身につき大きな財産になった。この場を借りて、その時に上司に感謝したい。
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【営業、技術、企画等】給与が高い人がした「経験」を初公開
NewsPicks編集部
矢野 和男(株)ハピネスプラネット 代表取締役CEO (株)日立製作所 フェロー
技術に30年以上関わってきたものとしてとっても興味深く読みました。  技術職では「巻き込み」「兼務」「事業戦略」が上位に上がっています。  これは、技術という「手段」を活かすも殺すも、「目的」をいかに設定できるか、そして、その目的の設定に能動的に関われるかにかかっていることを示しているように思います。この手段と目的との対立の中に解を見出すかは、常に我々を悩ませることであります。例えば、目の前の顧客のニーズだけに対応し、長期の変化を無視するならば、既に見えているニーズへの対応は可能であるが、見えないニーズに顧客に先行して答える力はなくなります。しかし、一方で、長期ばかりに注力して、目の前のニーズを無視するならば、現実との接点のない独りよがりな技術開発に陥ってしまう危険性があります。  技術とその成果はこのように、「長期と短期」「ニーズとシーズ」「応用と基礎」「個人と集団」「ソリューションと要素」というような、どちらに素朴に倒してもうまくいかない矛盾の中で、いかに二項対立を避けて、突破していくかが最も高度な「本当の技術」で、それができるかが技術者、研究者の真の力量であり、腕の見せ所です。それには技術だけを知っていてもうまくいきません。その目的の多様な面を捉えることやそのための巻き込みやネットワークが必要です。
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