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80年代生まれは、もう“おじさん”? 「おじさん」と「カッコイイ大人」の境界線は!?
EL BORDE (エル・ボルデ) - デキるビジネスパーソンのためのWEBマガジン
会社を退職ではなく、「卒業」する人が増えるわけ
NIKKEI STYLE
服部 泰宏神戸大学 准教授
「会社と人」の関係に関するモデルに、変化の兆しがみられるのだと思います。 「勤務地や職種などの選択の自由」を放棄する代わりに、「雇用の保障」と「組織内での優遇」を受けていたのが、これまでの日本企業の正社員でした。このモデルは、「組織と個人が、長いお付き合いすることを前提とする。そのため、お互いのために尽くすことが、結局はお互いにとってメリットになる」というものであり、いわば「運命共同体モデル」です。 成果主義/目標管理の導入によって、このモデルに部分的な修正がはいりました。 組織と個人が「長いお付き合い」をすること、運命を共にすることをお互いに期待できなくなったかわりに、共通の「目標」を設定することによって、目線合わせを行おうとしたのです。 いわば「目標一致モデル」だったのです。 そして「出戻り」が象徴するのは、このモデルの1つ先にあるモデルだと思います(私自身の願望や希望的観測も含めて、あえてそう言いたいと思います)。 そもそも組織と個人とは、「目指すもの」も「大事にするもの」も異なるものです。 しかも組織の中には「目指すもの」や「大事にするもの」が全く異なる様々な個人がいるものです。あるいは少なくとも、そうした個人を受け入れていかなければならない時代に入ってきているのだと思います。 ・・・・いま起こりつつあるのは、こうした事実を受け入れて、これまでにはない新しいモデルを紡ぎだそうとする動きなのではないでしょうか。 私はこの新しいモデルを、「手段(利害)の一致モデル」と呼んでいます。「出戻り」に典型的にみられるように、組織と個人とがお互いの「利害」が一致する限りにおいて雇用関係を続け、一致しなくなったら離れ、また「利害」が一致するようになれば雇用関係に入る、というようなモデルです。 お互いがお互いの目標達成の手段になっているのです。 こうした動きは、組織の「人事管理(HRM)」に発想の転換を迫るだけでなく、自身のキャリアを自分自身で管理する「セルフ・マネジメント」を個人にも要求します。 組織によるマネジメントを、(1)人事によるヒューマン・リソース・マネジメント、(2)現場上司によるミクロ・マネジメント、そして(3)社員自身によるセルフ・マネジメントの3つに分けた時の、3つ目が重要性が浮上するのが、これからの時代なのだと思います。
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就活の悩みどころは志望動機。時には本音と建前の使い分けも必要
投信1(トウシンワン)
今年の就活生は“超ホワイト志向” 「40歳で年収1000万円」「サビ残はイヤ」
SankeiBiz(サンケイビズ)
服部 泰宏神戸大学 准教授
ここ数年の就活生(特に私が普段接している大学生)の志向の傾向をあえて単純化していうならば、「2種類の安定志向の並存」と「働き方へのセンシティビティ」の2つになるかと思います。 まず「2種類の安定志向の並存」について。 就活生にアンケートをすると、「安定志向が強まっている」というような結果が出てくることが多いのですが、この「安定志向」には、実は2つの異種が混在しているように思います。 1つは、経営基盤なり組織体制なりが磐石で、揺らぎない組織に所属することによって、キャリアの安定を確保したい、というタイプの安定志向。もう1つは、「会社なんて、いつ無くなるかわからない」ということを前提に、だからこそ自分自身のスキル・知識・経験を早期に蓄積することで、キャリアの安定化をはかりたい、というタイプの安定志向。 全く違うこの2種を一緒くたにして、「最近の若者は安定志向だ」と一刀両断するのはよろしくないと思います。 後者のタイプの就活生は企業に求めるのは、組織そのものの安定ではなく、安定的なキャリアを可能にしてくれるようなスキル・知識・経験ということになります。具体的にいえばそれは、企業選択において「初期キャリアにおける成長」が重視されるということです。 多くの人材を輩出している企業、独立して起業する人が多い企業、若いうちに事業の中核を経験できる企業など、キャリアの早い段階での成長機会がある企業(もう少し正確に言うと、成長機会があると実感しやすい企業)に、人気が集まっているのはこのためであると、私は見ています。 ただ、就活生が「成長機会」だけに目をとられているかというと、そうでもないのです。それがこの記事に書かれている点であり、私の言葉で言うならば、「働き方へのセンシティビティ」です。 これもまた、組織への根本的な不信感にあるのかもしれません。柔軟な働き方、キャリアの事情に合わせて働き方を提唱している企業がポジティブに評価されやすいのも、このためです。 とにかく、こうした彼らの志向性をちゃんと理解した上で、採用活動なりキャリアなりを設計することが、これからの企業には求められるのだと思います。
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いつもと違う場所に旅をすることで、 3つの成長の機会を得られる
Diamond Online
服部 泰宏神戸大学 准教授
私は、旅の目的地や旅そのもののコンセプトに加えて、移動手段、とくに、旅が終わって日常生活を営む場所まで帰ってくる際の交通手段もまた、旅からの学びの密度をあげる鍵を握っていると考えています。 旅に限らず、「いつもと違う場所」での「日常からかけ離れた奇異なもの」との遭遇は、私たちの脳を瞬間風速的に刺激してはくれるのですが、そうした経験の意味を理解し、咀嚼するために、私たちの脳はある程度の反芻時間を必要とするのです。 「奇異」で「かけ離れ」た経験であったならばそれだけ、多くの冷却時間を必要とするわけです。 だから例えば、美術館やら古(いにしえ)の史跡をめぐるような旅の後は、あえて飛行機ではなく列車(できれば鈍行列車)に揺られながら、時間をかけて帰るというようなことをよくやります。 そうやって時間をかけることで、そこで目にしたもの、感じたものの反芻と、頭の冷却を行うことができるからです。 初めてアフリカに行った時には、あまりに強い刺激に、帰りのトランジット先で2日ほどクールダウンしたこともあります。 経営学の領域では、企業研修の成否が、研修「後」のリフレクション(研修内容の反芻、内省)によってかなりの部分が決定されることがわかっています。 「終わり方こそが、学びの濃度を決定する」というわけですね。 旅もまたしかり。私はそう思います。
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